くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2024-01-09 06:21:27 | Weblog

やれやれ。

ひさびさ連休ってか、

正月休みの延長戦みたいな感じだったけど、

後志方面で大雪って、

ちょいずれてたら富良野もやばかった・・・。

年が変わったばっかなのに

おめでたいニュースもあったけど、

有名人が亡くなったり、

エラいセンセーが逮捕されたり、

お笑いの人が休業することになったとか、

いいことないな~。。

さあ。

さっさと仕事仕事っと。

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王様の扉(150)

2024-01-09 00:00:00 | 「王様の扉」


「なにをやってるんだ。――この、役立たずの泥人形め」

 ダンの後ろにいた審問官が、力まかせに鞭を振るった。
 バシン――と、鞭を打たれたダンの背中が、痛々しい音を響かせた。審問官の部下達も、予想外の出来事にどう対応していいかわからず、ただほぞを噛んで、地団駄を踏んでいた。
 鞭を打たれたダンは無表情のまま、その場にじっと立っているだけだった。
「おまえが息の根を止めないなら、代わりに私たちが手を下すだけだ」くそっ――と、審問官があわてて人々を追いかけようとすると、審問官の部下達も一斉に走り出そうとした。

「止まれ」

 と、審問官達に向かって、ダンが重々しい口調で言った。「説明しろ。彼らのどこが悪魔なんだ」
 ダンの言葉を聞いても足を止めなかった数人の部下達は、大鎌で薙ぎ払われた麦束のように、胴体から二つに切り裂かれて息絶えた。
「おまえの言う悪魔とは、経典に書かれた魔人ではなく、自分に都合の悪い人間のことなのか」と、ダンは審問官を振り返って言った。
 青い顔をして後じさる審問官は、向かい合ったダンの顔を見上げると、困ったように言った。
「一体どうしたんだ。これまでは、私が命じたとおり悪魔どもを始末したじゃないか。今回に限ってどうしたんだ――」
 と、ダンの後ろから、断末魔の声がいくつも聞こえてきた。この場から離れようとした審問官の部下達が、見えない刃物によって切り裂かれていた。
「――こんなことをして、大司教が許すと思うか」と、言う審問官の額からは、滝のような汗が止めどなく流れ落ちていた。

「彼らのどこが悪魔なんだ」

 と、ダンはただ、同じ質問を繰り返した。
 問いただされた審問官は、たどたどしい言葉で、人々がどうして悪魔の手下と判断されたのか、その理由を繰り返したが、ダンは納得することなく、いつまでも同じ質問を繰り返した。
 ――気がつけば日付が変わり、さらに時が過ぎて、一昼夜を超えてもなお、二人のやりとりは続いていた。その間も、緊張に耐えかねて逃げだそうとした部下の何人かが、命を落とした。
「もう……いい加減にして……くれ」と、地べたに膝を突いた審問官が、べそをかきながら言った。その声は細くかすれ、ところどころ聞き取りにくくなっていた。
 すっかり数が少なくなってしまった審問官の部下達も、力なくその場に座りこんでいた。

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王様の扉(149)

2024-01-09 00:00:00 | 「王様の扉」


 ブツン――……

 スクリーンに映し出されていた映像が終わり、あたりはまた、暗闇に包まれた。
 マコトが歩き出すと、ぽつん、ぽつんと、夜空に星が瞬くように、無数のスクリーンが暗闇の中に現れ、それぞれが映像を映し始めた。
「いいや、違う。やっぱりこれは、オレの記憶じゃない」と、スクリーンの間を歩きながら、マコトは言った。「あいつの思いの中だ。魂がない存在に、心なんかないからな」
 と、マコトはふと足を止め、スクリーンのひとつに映し出された映像に見入った。

「――悪魔の手下どもを始末しろ」

 そう言っているのは、十字教の審問官のようだった。今度の言葉には、意味のわからない箇所はなかった。時代が、かなり進んでいるようだった。
「さぁ、悪魔の手下どもに神の鉄槌を与えよ」
 繰り返して言う審問官の前には、多くの人々が跪かされ、恐怖におののいていた。
 彼らの視線を一身に受けて立っているのは、しかし審問官ではなかった。審問官と人々の間に立っているのは、命を得た人形のダンだった。ゴーレムと呼ばれ、悪魔にも等しい恐怖の存在であるとされた彼を、ダンという名前で呼ぶ者は、誰もいなかった。

「なにが悪魔だよ」

 と、映像を見ていたマコトは言った。「オレは、ここにいないはずだぜ」
「――」と、背中に審問官の声を受け、恐怖に震える人々を見下ろしていたダンは、スクリーンの外にいるマコトを振り向いた。
 無感情な目でマコトを捉えたダンは、口を開くことなく、再び人々に向き直った。

「――立て」

 と、ダンが言うと、人々は声にならない悲鳴を漏らした。人々を取り囲んでいた審問官の部下達は、クツクツと笑いをこらえ、スクリーンを見守っているマコトは、あきれたように鼻を鳴らした。

「家に帰れ」

 ほほう――。と、思わず声を上げたのは、マコトだった。スクリーンに映った人々は、表情こそ違ったものの、空気が凍りついたように全員が黙りこくっていた。
「立て。そして、帰れ」と、追い払うように腕を振り上げながら、ダンが言った。
 囲んでいた柵が外され、散り散りに飛び出していく家畜のように、跪いていた人々は弾むように立ち上がると、振り返って走り出した。
 人々を取り囲んでいた審問官の部下達が、恐ろしげな得物を手に振りかざしても、足を止める者は誰一人としていなかった。

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