くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2024-01-25 06:12:33 | Weblog

やれやれ。

土・日からの大荒れの天気が

全国レベルになって暴れ回ってるけど

??

こっちは時折風は強いもんの、

火曜日の朝ほどじゃないわ・・・。

助かったってか、風向きひとつでいつ地獄を見ることになるかわからんから、

ぬか喜びは禁もつ鍋ですな。。

で、思い出したわ。

何年かぶりでイヤイヤ行った歯医者の待合で

脚本家? の倉本センセの長い文書の色紙飾ってあった。

長々書いてて全文思い出せないけどさ、

「敵は愛嬌につけこんでくる」

特殊詐欺のこと書いてるんだと思うんだけど

善意とか、親切心とか、自分側から思うことじゃなくって

向こう側から見えてる自分のことを書くって、

なんかやっぱり見方が違うんだよね。。

書いてあることもそうだけど、

意外に丸い文字でお世辞にも綺麗な字とはいえんかったから

なんかそこは同じ人間なんだってほっとしたってか、可笑しかった。。

 

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王様の扉(182)

2024-01-25 00:00:00 | 「王様の扉」

「らいおん?」と、帽子を持った男は不思議そうに言うと、「ああー」と、思いついたように帽子の中を指さして言った。「見えませんでしたか、この中ですけど」
 向けられた帽子の中を、男は上からそっと覗きこんだ。
 帽子の中には、底の見えない深い影があるだけだった。ライオンのように大きな動物が入れる空間など、あるはずがなかった。
「どうやったかは知らないが、あんたも早く逃げないと、こっちにやってくる連中に捕まったら、やっかいな事になるぞ」と、男はせかすように言った。
「――はじめまして、マジリックです。今日は私のステージを見に来てくれて、ありがとうございました」
 マジリックと名乗った男は手を差し出すと、反射的に手を伸ばした男と握手を交わした。
「私、誰かに捕まるんでしょうか……」と、マジリックは、心配そうに言った。
「騒ぎが大きくなったからね。事情を聞くために捕まえられるのは、仕方ないだろうさ」と、男はため息交じりに言った。
「それは困ります。明日の準備もありますし、これ以上足止めされたくないので、私はこれで失礼します」と、マジリックは、帽子を被りながら言った。

「あなたも、もし捕まえられて困るなら、使ってください。それ、使い切りですけど、便利ですよ」

 見ると、握手をした手の中に、くるりと巻かれたテープが入っていた。
「――どうも」と、男は言いながら、頭を下げていた。
「いえいえ、ステージを見に来てくれたお客さんへの、ささやかなお礼です」

「それじゃ――」

 手元を見ていた男があわてて顔を上げると、マジリックの姿はどこにもなかった。
 と、チェック柄の帽子が、車輪のようにコロコロと転がりながら、行き交う人達の足元を縫って、見えなくなった。
 生き物のように転がり去って行く帽子に気がついた男は、すぐにを後を追いかけようとしたが、ぐさりと突き刺さるような厳しい声に呼び止められた。

「ちょっと、待ちなさい」

 男が足を止めて振り返ると、制服を着た警察官が何人か、重そうなベルトに手をかけながら、息を切らせてやって来た。

 ――――……

 

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王様の扉(181)

2024-01-25 00:00:00 | 「王様の扉」

 周りで様子をうかがっていた人達は、「うわーっ」と、言葉にならない声を一斉に上げながら、腰を抜かした赤ら顔の男を一人を残して、蜘蛛の子を散らしたように逃げまどった。

 通報を受けたパトカーのサイレンが、風に乗って聞こえ始めた。

「大丈夫です。思ったほど機嫌は悪くないみたいですから」と、人々をなだめるように言った帽子の男は、帽子の中から出てきた獣の方を向くと、困ったように言った。
「――よく見てください。その人は私じゃありませんよ」
 前髪をカールさせたライオンに似た獣は、鼻にしわを寄せながら振り向いた。
 と、ライオンに似た獣は、のっそりとこちらに近づきながら、不機嫌な様子で言った。
「なんなのよ、さっきステージが終わったばかりでしょ。どうしてまた呼び出されるの」と、ライオンに似た獣は顔に似合わず、キーの高い甘ったるい声で言った。
「これは、すみません」と、帽子の男は言った。「感激したお客さんが、なかなか私を離してくれなかったもんですから――」
「――もう、困っちゃうわね。そんなに私が魅力的だったのかしら」と、ライオンに似た獣は、カールさせた前髪をふわりと揺らしながら、満足げに言った。「お客さんが喜んでくれたなら、いいんだけれど」
 物憂げなライオンに似た獣は、ため息をつくように大きく頭を振った。たっぷりなたて髪が、生き物のように舞い踊った。

「――夜遅くまで起きてると、肌の張りがなくなっちゃうから、今日はもう休ませてよね」

 と、ライオンに似た獣は、ため息交じりに言った。
「はい、これでステージは終わりにします」と、帽子の男は、毛繕いしているライオンに似た獣のそばに来ると、言った。「――ご苦労様でした。明日に備えて、ゆっくり休んでください」
 赤ら顔の男に取られたチェック柄の帽子が、どこからか、ころころと帽子の男の足元に転がってきた。
「頭をぶつけないように、気をつけてくださいね」と、男は帽子を拾いながら言うと、前髪をカールさせたライオンに似た獣の背中を軽くさすった。
 と、ライオンに似た大きな獣の体が、煙のように消え去ってしまった。声を上げて逃げまどう人達の中、はたして何人がそのことに気がついただろうか。

 けたたましいパトカーのサイレンが、勢いよく近づいてくるのがわかった。

「――ちょっと、あんた」と、様子をうかがっていた男は、帽子の男に駆け寄ると言った。「そこにいたライオン、どこに隠したんだ」

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