晩秋の嵯峨野~嵐山を散策した。紅葉の盛りはやや過ぎた頃であったが、渡月橋、亀山公園から嵐山の名園「大河内山荘」へ入った。
小倉山の南の小高い山にあり、名優・大河内伝次郎が美を求めて創り上げた庭園と言われている。茶室を少し上がると頭上の楓が紅色に染まり、足元には色とりどりの実りの秋色に。
さらに上ると、保津川の清流も眼下に見える。
出口付近の茶室で美味しい抹茶をいただきながら、この名園の興趣を楽しめた。
常寂光寺・落柿舎・二尊院を経て、「祇王寺」へ入った。
祇王寺は、奥嵯峨の竹林と楓に囲まれたつつましやかな草庵で、平家物語にも登場する尼寺と知られている。
ここは楓の紅葉が予想通り盛りで、しっとりとした苔に色とりどりの落ち葉、昼下がりの木漏れ日の光線が降り注いでいた。
さらに歩を進め、化野念仏寺から鳥居本・平野屋、大覚寺まで歩き帰途についた。
今回訪れた京都の名園は、ただ古いから美しいのではなく、各時代の人たちが美と格闘しながら作りあげてきたからこそと思う。
晩秋の紅葉スナップを十分楽しむことができました。
★五十年の夢とりどりの落ち葉かな(知照尼)