鈴鹿国定公園の鎌掛谷に国指定天然記念物の「ほんしゃくなげ群落」があります。石楠花は普通800~1000mの高所に自生するが、ここは標高350mに約2万本が群生しています。シャクナゲはツツジ科で1000種以上あるといわれ、屋久島シャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、関東の伊豆天城のアズマシャクナゲなどがよく知られています。園内は観光協会が親切にも小型バスで麓まで運んでくれます。渓谷の下の方にひっそりと咲く石楠花を撮っているカメラマンもいましたが、できるだけ高いところから、全山万華鏡のシャクナゲを撮らせていただきました。このホンシャクナゲは七弁花で他のシャクナゲの五弁花と違い、また葉には毒性があり、難を避ける「避難儀(しゃくなんぎ)」に由来するとの説があるそうです。風雪に耐え、絶壁の樹々の間に群生するシャクナゲは凛として気品にあふれ、つつましやかで美しさは格別でした。 「石楠花の恥じらふ如く揺れ交わす」
南信州・駒ヶ根周辺の一本桜めぐりに出かけました。このところ急に暖かくなり、南信州の枝垂れ桜が一斉に満開になりました。残雪の中央アルプスを背景に、吉瀬(きせ)、栖林寺、蔵沢寺などの紅しだれ桜を撮影、デジカメ全盛にも関らず、大・中判カメラで思う存分撮影を楽しんできました。ここで撮影中、伊那谷在住で老子の道「タオ」について書いた加島祥造さんのことが思い出された。老子の道「タオ」とは?タオとは天と地のできる前からある働きで、あらゆるものの混ざり合った混沌(カオス)。一言でいえば宇宙エネルギーみたいなものだと。老子は人間の生命への大きな温かい思いやりを気づかせようとしており、加島さんはこの伊那の谷、川、水の自然から学んできたという。老壽の一本桜から大自然の無限の道(タオ)を感じました。