東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松の木が、震災で犠牲となった人たちの供養のため、千葉県成田市の成田山新勝寺に送られることになった。9月25日の「おたき上げ」で、祈願成就のための護摩木と一緒にたかれる。関係者が14日明らかにした。
高田松原の松をめぐっては、京都市の伝統行事「五山の送り火」の「大文字」で燃やされるはずだったが、市民から「放射線汚染が心配」などの声が上がって中止。その後、一転受け入れを表明したが、放射性セシウムが検出されたため、再び使用を断念した。新勝寺は、表面の皮をはいだ松を受け入れる予定。
金剛寺の小林信雄住職は「京都の問題もあっただけに本当にありがたい」。新勝寺の小林博之さんは「震災で亡くなった人の供養を一番に考え、受け入れることにした」と話した。