ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

「ゴリ」の涙

2008-12-20 11:03:57 | 野球
今朝もスポーツの話題から。朝日新聞「”08ロッテ「マリーンの風」」と題する記事からです。筆者は球団広報の梶原紀章さん。

9月7日のソフトBK戦(福岡)、9回に右腕に死球を受けた今江選手は試合後の病院での診察の結果、右尺骨骨折の診断を告げられた。全治に3ヶ月を要する重症だ。事実上、今江の08年シーズンが終わった。

宿舎に帰へると、まっさきにバレンタイン監督の部屋に報告に出向いた。検査結果を聞いた指揮官は今にも泣きそうな表情となった。そして、今江選手の肩を叩いた。「今年はこれで終わりかもしれないけれど、キミはここまで最高の仕事をしてくれた。本当にありがとう。最高のシーズンだったと思う。残りの試合は任せてくれ。みんなで、必ずキミにいい報告をするよ」涙目のバレンタイン監督に、今江もまた涙を抑えるのに必死だった。

指揮官の熱い思いはそれだけでなかった。大阪に移動した翌日、ホテルにチェックインしたあと、天王寺動物園に向った。動物を見に行ったわけではない。グッズショップで人間の子ども大の「ゴリラ」のぬいぐるみを購入した。翌日のオリックス戦(大阪)。ゴリラのぬいぐるみは今江選手が着用していたユニホームを着せられ、帽子を被り、右手を包帯でぐるぐる巻きとなってベンチに座っていた。(ゴリラに似ている今江、通称「ゴリ」)

監督は「シーズン最後まで今江と戦いたい。そして日本シリーズまで連れて行きたい」との親心とともに主力選手の離脱で暗くなりやすいベンチを明るくしたいとの思いが重なった。結局この今江の代役のゴリラくんはシーズン最終戦までチームと一緒に戦った。

すでに、今江選手は骨折した右手はほぼ回復し、トレーニングを開始。バットも振れるようになっている。そして彼はこう語っている。「チームメートと監督の気持はTVで見ている自分にも、すごく伝わってきた。あの「ゴリラ」のぬいぐるみを見る度に自分はなんて幸せな選手なんだろうと思った」

自分の事を思ってくれた監督と仲間たちと、もう一度、最高の美酒に酔いしれたい。ただ、その思いを胸に、今江選手は今日も汗を流している。そして今年の流した涙の数だけ来年は活躍することを誓っている。

新聞に掲載された「ゴリラ」くんの写真だ

               


コメント (4)
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