遼くんのOBボール

　先日の仲間うちの宴会での話である。古い付き合いの親友のＫ・Ｍさんが小生のテーブルに来て、プラスチックのケースに入った一個のゴルフボールを見せてくれた。

　そのボールは石川遼選手の似顔絵が描いてあり、彼がトーナメントで使用しているボールである。手に入れた経緯を聞いて驚いた。Ｋ・Ｍさんは小生と同じようにプロゴルフのトーナメントにボランティアとして時々お手伝いしている。

　昨年の１２月２日、Ｋ・Ｍさんはトーナメント最終戦のＪＴカップ、ＯＵＴコース６番ホール（ロングホール）でドライビングデスタンス（選手が打ったボールの飛距離を測る）の仕事をしていた。その日の遼くんは大叩きをした日で、ドライバーで打ったボールは大きく左に逸れてＯＢゾーンに飛んだ。

　遼くんやキャディーと共にＯＢゾーンに飛んだボールを探したが見付からない（ボール探しは５分間と決められている）。遼くんはやむを得ず暫定球（何と３３０ヤードも飛ばしていた）を打ってプレー続行している。Ｋ・Ｍさんは仕事が終了後に、念のためＯＢゾーンに入りボールを探してみたら、何と折り重なっていた落ち葉の下で見つけたのである。

　ボランティア仲間に話をしたら、オークションでは最低３万円の値が付くよと言われたらしい。今ではゴルフボール専用のケースを発注（￥３００、送料￥７００）して大事に保管していると言う。このボールを手にしてからゴルフ好きのＫ・Ｍさん、スコアーが飛躍的に良くなっているのかは聞き漏らしている。