おれおれ詐欺余話

　先日、他の年配の女性から聞いた話である。知人のひとりの女性のお宅に息子さんと名乗る男性から電話があった。緊急にお金が必要になった、なんとか立て替えて欲しいと言う。不審に思ったその方は、最寄りの警察に電話したら、警視庁から１０名程の方が直ぐに飛んできて事情を聴いて待機してくれた。

　その後にまた電話があり、これこれの時間にこの場所に現金を持参して欲しい、自分は忙しくて行けないので〇〇を代理に行かせると言う。側に待機していた刑事は、相手の言う通りに現金を持参する旨を返答せよと言う。そして女性刑事に近くを守られながら指定場所に出掛けた。指定場所に待っていた男性に近ずいて〇〇さん？と聞いたらハイと返事をする。その時、何人かの刑事が飛びだして来て、受け子役の男性を逮捕したと言うのである。

　随分と緊張していたらしく、相手に会う時のことから良く覚えていない。ただ一緒してくれた女性刑事さんは、相手男性に「〇〇さん？」と呼びかける声は確りとが出ていましたよと誉めてくれたらしい。

　高齢者、特に多くは女性を狙ったおれおれ詐欺はあとを絶たない。最近は振り込みを指定する方法から、受け子と称する役割の人物が自宅を訪問して用意した現金を受け取る例が多くなったようである。それにしてもかなりの被害がでているのも事実のようである。報道では数百万から、同じ手口で何度も現金を搾取された例も出ていると言う。恐ろしい世の中になっているものだと思う。