10年前に描いた井戸と釣瓶の絵が出てきました。懐かしいですね。
釣瓶(つるべ)とは、井戸の水を汲み上げる時に使う桶のことで、井戸の上の部分に滑車をつけて、縄を結んで使っていました。
その釣瓶を落とすと、ストンと下まで落ちていく。その早さを、秋の日暮れの早さになぞらえるようになりました。
実際に井戸に釣瓶を落としたことのある人は、今ではそう多くはないと思いますが、あっという間に釣瓶が落ちていく感覚、わかる気がしませんか。
まだ明るいと思っていたら、もう真っ暗・・・。誰でも、そう感じたことがあるはずです。時間に追い越されてしまっような慌ただしさを感じる時。でも、途方に暮れることはないのです。
今度は、釣瓶の縄をゆっくりたぐり寄せるようにして、秋の夜長を味わえるのですから。