先月息子Sが来た時に「読みたい・・・と言っていた本、もう読んだから」と、置いて行ってくれました。
百田尚樹著の「海賊とよばれた男」です。
読み進むうちに舞台は北九州へ、なじみのある地名も出てきて更に興味は深まり、夜寝る前を主に読みました。
主人公、国岡鐡造は戦後の混乱期にあって、一代をかけて築きあげた国岡商店の会社資産のほとんどを失い、借金を負いつつも、一人の店員も馘首せず、再起を図るストーリーです。
最初、これは物語、と思いました。読んでいるうちに主人公 国岡鐡造というのは、架空の名前ですが、しっかりしたモデルがいるなと、想像できました。
上下巻を通して、主人公のゆるぎない信念と、人を見る目の確かさ、度量の広さにも驚きました。そしてその手足となって働く男たちの熱い思いに胸がゆすぶられました。読み応えのある本でした。
出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の一生と、出光興産を モデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれています。
国岡商店が、 紆余曲折の後、日本最大の大型タンカー日章丸で、大英帝国に経済封鎖されたイランに石油の買い付けに行く道中は、はらはしながら地図でホルムズ海峡など航路を確かめつつ読み進みました。
日章丸の新田船長のかっこよかったこと!
そうそう、国岡鐡造は本のなかの名前ですが、後に出てくる人たちは実名のようです。
本の一部を抜粋すると・・・
余談だが、九日に日章丸が川崎港に入港したとき、新田辰夫船長の甥である山本学が日章丸を訪ねている。俳優の「山本三兄弟」の長男として知られる学は当時成蹊高校の二年生だったが、叔父の偉業をこの目で見ようと、土曜日の学校が終わるや川崎港にかけつけた・・・
とあります。
海上封鎖を突破して昭和28年5月9日日章丸が川崎港に着いたことは、国内で大きなニュースとなり、日章丸事件 として記憶しておられる方もおられると思われます。
Wikipedia はこちら → 日章丸事件
読み終わって調べると、この本は歴史経済小説とあります 。第10回本屋大賞を受賞していて、2016年12月で上下巻で420万部突破のベストセラーとなっているそうです。
去年12月には映画化もされていて、DVDもでているとか、岡田准一主演の国岡鐡造を観てみたいと思っています。
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