夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ギタレレ

2015年03月07日 | ギター・レッスン


小ぶりのギターは昔から愛されてきた。
キングストントリオの持っていた4弦のマーチンはギターの小型版だったようだし、ウクレレのバリトンサイズはギターに近い。

ウクレレ風にストロークで弾くにはテナーが限界で、バリトンになるとリズムストロークはあまりしっくりこない。
結局じゃかじゃか弾くか、しっとりと弾くかでウクレレとギターの棲み分けが自ずからできていたように思う。

ヤマハの開発した「ギタレレ」はこの両者をドッキングさせた発想、つまりテナーウクレレサイズのボディを持つ6弦のギター、いや6コースのテナーウクレレ。
ギターで言えば5フレットより上の6コースを使ってウクレレ風に弾くことを前提としたようだ。

どちらが先か知らないが、ハワイのミュージシャンが好んで使ったのもミニサイズのギターだ。
このサイズでジャラジャラとコードを弾いてもいいのだが、5フレットにカポをしたつもりでフィンガーピッキングする方が似合う。

フルサイズのギターとは異なる音色と弾きやすさを楽しみながらポロポロとやる。
ウクレレ感覚で持ち運べるので、車に積んで気軽に出かけられる。
そうした「手軽さ」という市民権は得たようだ。

普及品の欠点はチューニングの精度が落ちることと低音が出ないことか。
そこでオーダーメイドや高級な作りのものが必要になる。

そこまでして小さなものが必要かといえば、楽器メーカーはこぞってこの類の楽器を作っている。
パーラーギターとか、トラベルギターとか、名称は様々だが、要は小さなギターのこと。

薄いボディの「ウスレレ」とか、エレクトリック仕様のソリッドボディのウクレレなど新商品は次々と出てくる。

景気の低迷と楽器業界の販売頭打ちも影響している。
台湾、韓国、中国あたりがギター類の生産国だったが、今やベトナムやインドネシアあたりに生産拠点が移っている。
物作りは精神文化が重要なバックグラウンドになると思われ、コスト追求だけの粗製乱造は客離れを呼ぶ。

量的拡大から質的な変革を遂げない限り生産拠点の移転は続くだろう。

日本人ならよくないものやおいしくないものは売れなくなることを身をもって知っている。
国家が挫折を経験することも重要だと思う。


Corey Fujimoto Original On New Pepe Romero Guilele

Kanile'a GL6P Guitarlele - Sound Sample by Corey Fujimoto

Corey Fujimoto - "Somewhere over the Rainbow" on Kanilea Guitalele