雪の間から顔を出す「ふきのとう」
春の訪れと大地の息吹を感じて嬉しい。
冬眠から目覚めたクマが最初に食べるのが「ふきのとう」だとか。
強い蕗の香りと苦味が長い冬を過ごしてきた体の目覚めにきっと良いのだろう。
レシピを探して「蕗味噌」を作ってみたらこれが実に美味だった。
味噌に砂糖、みりんを合わせた調味料を用意しておく。
ふきのとうを水洗いしてあく抜きのためしばし水に浸けておく。
熱したフライパンにザクザクと切ったふきのとうを入れてサラダ油で炒める。
しんなりしたら調味料を入れてごま油を少々かける。
これが私のレシピで、湯がいたりしない「苦味優先」方式だ。
甘い味噌とふきのとうの苦味のコントラストが温かいご飯に実に合う。
市販されているような丸い「ふきのとう」はほんの一時しか採集できない。
あっと言う間に「つくしんぼう」状になってしまうのでザクザクと切ってもれなく使う。
プロが披露しているホールスタイルのレシピも良さそうだ。
「わさびの茎」や「わさびの花」も三杯酢に漬けると珍味だ。
やってみてわかったのは「辛味」を出すことがポイントだということ。
科学的な根拠はわからないが、「いじめること」だそうな。
漫然と作ると辛くない「わさびの茎漬」になってしまう。
下処理をした後で袋か容器に入れてひたすら「振る」
振ってわさびを痛めつけると辛味が増すのだそうな。
こうした手作り珍味の面白さは、出来不出来があること。
目分量で作る味付けが成功するときもあれば、偏ってしまうこともある。
それでいいのだ、素人のいたずらは。
レシピを見ないで作れるようになった時、本物に近づくのだろう。
食の道も、音楽も同じだ。
まだスーパーに「ふきのとう」が出ている。
飲んべえ諸君よ、一度お試しあれ。
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