「フィリピン出身のミュージシャンはうまい人が多いね」という話題になった。
学生時代も終わりの頃、横浜の船の仕事をとってきたS君とK君他デッキの上で演奏をすることになった。
そこにフィリピン出身の浅黒くて精悍な印象の男性がいて、彼のビブラフォンとセッションすることになった。
打ち合わせも何もなくて二言三言話しただけで演奏が始まった。
ビブラフォンは我々が持ち込んだものだったか、彼のものだったか定かではないが、マレットの運び方が素早くて絶妙なタイミングで叩いていたことを覚えている。
これが初対面のミュージシャンとスリリングなセッションをする最初の経験だったかもしれない。
「ダヒルサヨ」はフィリピンの歌として知られている。
まだハワイアンバンドが盛んだった頃、好んで取り上げられた一曲だ。
「ビギン」と呼ばれたリズムで演奏されるこの曲のコード進行が良かった。
当時のダンスパーティ、社交ダンスでのリズムパターンをリクエストされることが多かった。
「ジルバを頼む」とか「次はマンボを」という調子だ。
壁の椅子に座っている彼女を立ち上がらせるために男性がリクエストしてくる。
学生ミュージシャンの我々は彼らの恋のためにレパートリーを次々と披露するわけだ。
社交ダンスはできないが、カラオケもネットもない時代、男女交際の良きツールだったのだろう。
ダンスホールという場が存在して、カップルがいつまでも踊り続ける。
そこでお相手を見つけるパターンもあったろうし、そのためにダンスの腕前を上げて人目を惹く。
ちょうど雄鶏が雌鳥の気を惹くために綺麗な羽を広げたり、踊るようなものかもしれない。
フィリピンの人たちの音楽性が高いのは天性の陽気さとリズム感の良さかもしれない。
ポリネシア人のルーツがこの辺りだとする説に納得するのはここにある。
ネット・サーフィンをしていてこの曲「ダヒルサヨ」はナット・キング・コールが歌っていたことを知った。
大御所が歌って世界中に知られたのだろう。
いい曲だ。
Charlie Green - Dahil Sa'yo (TNO Honolulu Hawaii) HQ
Your Love Is Mine (Dahil Sa Iyo) - Jerry Vale
Charito - My one and only love
Charito - Never Can Say Good-Bye
Dahil sa Iyo - チャリート / マリア・エバ / ラモーナ(Vo)