夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ジャージー・ボーイズ

2015年08月18日 | 音楽



今は昔、アメリカン・ポップスの邦題に「悲しき」がついた時代があった。
「悲しき少年兵」「悲しき雨音」などなど、おそらく悲しきを冠すればヒットするというジンクスがあったのだろう。

確かにあの頃「Rhythm of the falling rain」では、レコード屋さんへシングル盤を買いに行くのに不自由があった。
ラジオから流れた曲の名がわからなくてお店で口ずさむのも恥ずかしいし、という時代だった。

さて郷里の音楽仲間T君からのお便りで映画「ジャージー・ボーイズ」を紹介してくれた。
昨年クリント・イーストウッド監督によるミュージカルの映画化、そう「悲しき朝焼け」のフォー・シーズンズの物語、T君は映画館の封切りに出かけたそうだ。

当時数々のヒット曲を出していたフォー・シーズンズ、男性ファルセットのフランキー・ヴァリは知っていた。
「シェリー」で有名な男性ファルセット・ヴォイスは多方面に影響を与えたと思われ、日本ではパラダイス・キングなどの演奏が記憶にある。

映画はメンバーによるモノローグで綴られ、人との出会い、マフィアの影、音楽の変遷、栄光への軌跡などが語られる。
50年代から60年代にかけての景色が、当時は写真と夢でしか見られなかった者にとっては新鮮だ。

古いアメリカ車、コーヒーショップの室内、ミュージカル・アンプやエレキ・ギターなど楽器類など、見ているだけで嬉しくなってくる。
また犯罪やメンバーの確執、音楽を創作するための葛藤など、バンドを続けていく上で通らなければならないドラマが続く。

フォー・シーズンズの当時の映像を見るとベースもギターも「Gibson」の「Thunderbird」を使っていたり、Ampも見かけないものだったりと新発見がある。
莫大な借金を作ったメンバーの肩代わりを引き受けたフランキー・ヴァリの「ジャージーもんは仲間を裏切らない」というセリフが印象的だ。

最後のダンスシーンがミュージカルらしくていい。
マフィアの大物も高利貸しも悪友も、音楽上のベターハーフも、妻も恋人も一緒になって踊る、、

50年代が輝いて見えるのは、戦争が終わり世の中全体が未来に向かっていたからだろうか、、





映画『ジャージー・ボーイズ』予告編(ロングバージョン)【HD】 2014年9月27日公開

The Four Season & Frankie Valli hits live Sherry, Rag doll, Walk

映画『ジャージー・ボーイズ』フィナーレ映像

Frankie Valli & The Four Seasons - Sherry Live in Concert 2013

ファミリー・ミュージック

2015年08月17日 | 音楽


ファミリーで音楽を楽しむ。
おじいちゃんが三線を弾き、歌が始まると女性陣が踊り始め、いつか笑顔で踊る人の輪ができる。

沖縄でごく自然に行われる宴、ハワイの「ルアウ」、「ファミリーミュージック」も同じことだと思う。

親子や兄弟姉妹で音楽をやる際の最大のメリットは「声質」が似ていることだろう。
コーラスがハモりやすいことから綺麗なコーラスが出来上がる。

行動を共にでき、仲が良いというメリットもある。
それは同じ場所、同じ両親、同じものを食べて、同じ環境で育ったことと、同じDNAを受け継いでいることが影響している。

ファミリーで音楽をやることは、世界中至る所で自然に行われてきたのだろう。
日本でも農村の行事やお祭りなど例外ではなかったはずだ。

ただ日本では職業音楽家を是とする傾向が強くしばしばうんざりする。
肩書きやキャリアでなくもっと素直に音楽を聴いて楽しめばいいと思うのだ。

一方で暇を持て余した趣味の方が無報酬で音楽の仕事を引き受けていわゆる「プロ」の方が迷惑している事例もある。
知り合いのミュージシャンから「ミュージシャンがいなくなった」とか「勘違いしている人がいる」と聞くのはこういうことを指すのだろう。

逆にプロとして著名な音楽家が食べられなくて音楽以外の仕事についたりする事例も多い。
昔「ユニオンをつくるべし」と言われた方がいたように、音楽家の仕事や報酬を確保するインフラも必要だろう。

誰しも「実るほど頭を垂れる稲穂かな」であって欲しいし、音楽に真摯に接して欲しいもの。
ギャビィ・パヒヌイのようにブレないで音楽と向き合って生きた人に神さまはご褒美を与える、と思いたいものだ。



Lim Family_1

Lim Family_2

Lim Family_3

Lim Family_4

Island Music Island Hearts 1993_5

カバー曲

2015年08月15日 | 音楽


カバーされるってことは名誉なことだ。
ビーチボイズのファンは多いだろうが、ハードルが高い。

コーラス、それもハイトーンのパートを一体誰が引き受けるのか、
いやそもそもスコアを入手したとして、コーラスパートをきちんとこなせるのだろうか、、、

難しいからこそ、チャレンジャーが多い。
しかし音程や声量だけではなさそうで、そもそもあの遊び人の声が出るのかしら。

ファルセットは厄介である。
出ればいいってもんでもないからだ。

どうやら歌に「色気」という粉薬がかかっている。
つまり魅力がなければ意味がない。

もちろん、コーラスがバッチリで演奏が決まっていれば結構。
それができないから一人で全部やった方が早いという結論になりかねない。

本家の実力とはそんなもの、カバーできたとしてやはりかなわない。
真似ができない「何か」を有していることを認識するべきで、本家に対する「リスペクトの念」を忘れてはならない。

ポール・サイモンさん、ギター1本でスルリとこなしている。
さすが、泳げない私もいつかあんな風に歌ってみたい。

浜辺のゴザを押さえながら、サーファー・ガールに


Surfer Girl Beach Boys Cover

Tutorial, Surfer Girl Vocals Parts

The Beach Boys-Surfer Girl 1980

Paul Simon SURFER GIRL

キューバン・ベース

2015年08月12日 | 音楽


ラテン・パーカッションとベースの絡み合いが好きだ。
ピアノとティンバレス、踊るように刻まれるリズムを縫い込むかのようにベースが自在に動き回る。

「ブエナビスタソシアルクラブ」の映像に出てくる明るい空気と色彩、情熱的な歌は心に残る。
どうしてこんなに繊細な音楽が生まれるのだろう。

滑らかで美しく、時に激しく情熱的で抑えきれない。
キューバからハワイは随分離れていると思うのだが、ここに音楽的な類似性を見出してはいけないだろうか。

ライ・クーダーが奥様のお土産で聴いたギャビィ・パヒヌイにぶっ飛んで、ハワイに行く。
スラックキー・ギターに出会ったライは2週間ほどギャビィとセッションを楽しんだという。

そしてライは子息を伴ってキューバを訪れる。
サイドカーに乗って町並みを走る親子の映像がまた印象的だった。

映像に出てくる歌は情熱的で、ギターは淡々とリフを弾き続ける、安定したベースを聴いてホッとしたり、
これまで体験したことのない音楽を初めて聴くような興奮を覚えたものだ。

葡萄の粉を吹いた濃い青紫色がやがてワインに変わっていくように、歌が生活の中に溶け込んでいるからか。
美しい、



Omara Portuondo " Killing Me Softly "

OMARA PORTUONDO GUANTANAMERA

Omara Portuondo Tres Palabras

OMARA PORTUONDO - "FLOR DE AMOR"


伊402潜水艦空母

2015年08月10日 | 日記・エッセイ・コラム



潜水艦は少年の頃の空想の世界の乗り物だった。
密室のメカニックの塊の中で活動する全てのことに憧れた。

ドイツの「Uボート」など戦後作られた映画を見れば、快適どころか常に死と隣り合わせの最悪の兵器なのだが、だからこそ少年は憧れたのかもしれない。

そんな戦時中に作られた潜水艦が長崎県五島列島沖で発見されたというニュースが流れた。
それも数機ながら潜水艦から戦闘機を発艦させる当時世界最大級の潜水艦空母だという。

伊号潜水艦はドイツからエンジンを運んできた歴史もある。
当時ドイツのエンジンを見た日本のエンジニアが加工技術のレベルの高さに驚き、日本の技術革新につながったという回想を覚えている。

敗戦が濃厚になってきた日本が巨大な戦艦などを作ったことは悲しい。
航空母艦を作っていたら戦況が良くなったとか言うのでなく、国を挙げた技術の行く先が有終の美に終わったことが悲しいのだ。

郷里の門柱にあったはずの鉄製門扉が無かったことを覚えている。
おそらく戦時中に拠出されたのだろう、家庭の鉄を拠出する、そんなことまでして戦争を続けてきたのだ。

戦争を美化したり、礼讃する気はない、力を注ぐ先を間違えていたことを素直に反省すべきだ。
人を殺すための武器を開発するのでなく、人類に資するための開発をする。

8月になると戦争を振り返り犠牲となった父のことを思う。
祖先の霊が帰ってくる盆と重なるのはいつまでも忘れないようにということか。



潜水艦空母 伊402 発見か 長崎 海底

世界初!巨大潜水空母・伊400 FC2 Video

発見!伊52潜水艦   ドイツ派遣潜水艦の最終艦