思い立ったが吉日と書き始めた戦争遺児の記、
あれから数年が経ち未完成の原稿に焦りを感じながらも、未だ立往生をしたままなのだ。
図書館へ行けば何か知恵を授かるかもしれないと、4・5冊借りてきても熟読もせずに返却を繰り返すばかり。
小・中学生の頃の乱読が何一つ身についていないことが、今更ながら悔やまれて仕方がない。
明日を約束できない切迫した時間の中で、書く要領のヒントは図書館にしか無いとまたすがる思いの私、
数えきれない小説が並んだ棚で「骨風」のタイトルに何故か惹きつけられた。
骨と風・・・明日の自分を想像してしまった。
表紙をめくると帯に「死んだらみんなおんなじだもの」の文字・・・何故か心安らぐ。
文芸春秋発行の「骨風」、著者 篠原勝之
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北朝鮮からいつ飛んでくるかわからないミサイル、いつ平和が覆されるかわからない時代ではあるけれど、
でも、戦争の被害者はみんな国民なのだから・・・
あの太平洋戦争で奪われた国民の尊い命の犠牲を、無駄にしてはいけない。
旅立つまで平和を求めて止まない戦争遺児の執念が、悶々と今日を生きている。