平凡な 平凡な 平凡な
限りなく平凡な空間に放たれて
何があるのか
自分の生きた証が掴めない
背伸びしてシミのついた夫の作業ズボンを洗濯バサミで止めてゆく
何故か虚しい空の色
息子の色あせた作業着を明日も洗濯バサミで止めるのだろうか
物置きの中にある母が残して逝った日記の整理でさえまだ手付かず
限りなく変化のない今日の空間の中で逃げ惑うだけ
もうアキアカネが飛び交う
空蝉もセミが生きた証
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・空虚なるちひろの心のもが記より。
空蝉