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植物




英国移動の際、われわれの持ち物の中で持ち込み制限をかけられたものがふたつあり、そのひとつが「植物」だった。


それで庭の鉢植えも(わたしは大きな木を大きな鉢植えにするのが好きなのだ)、室内の観葉植物も、コンソールの上の小さな花の鉢植えも、すべて親戚知人にもらわれて行った。

娘のゴッドファーザーは、娘の木(桜の木からこぼれたサクランボから成長したもの)、2メートルもあるいちじくの木ほか、多くの世話をひきうけてくれた。
ブルージュの家の庭で育った植物たちはゲントの彼の庭で新しい生を始めている。

最後までもらい手のなかったバナナの木は、最終的に廃棄場へ持って行ったのだが、そこの入り口の係員が「ぜひ譲って欲しい」と言ってくれ、今は見知らぬ人の家にある。
で、あの独特の匂いを放っているのだろう。


そうだ、どんな家にも植物が必要なのだ。


この安普請に飾るために胡蝶蘭を買って来た。

生き物が部屋の中にあるだけで、口紅をつけたかのようにこの家がぱっと明るくなった。
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