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ムール貝は家で食べるもの;ブルージュのレストラン2件




ブルージュのわたしの好きなレストランを数件紹介した時に、「ムール貝は家で食べるものなので、いい店を知らない」と書いた。


今回ベルギー帰省中に、夫がどうしてもムール貝を外で食べたいと言う。
わたしもパリで彼を櫂さんやらいさみさんやら修さんやら和食屋に連れ回したのでストレートにイヤだとは言いにくい。

Kホテルのコンシェルジェと相談した結果、10年位前に2度行ったことがある Breydel-De Coninc がやはりいいのではないか、ということになった。
地元の人は誰でも知っているあの店だ。

ムール貝の白ワイン蒸しを始め、ヒラメのバター焼き、海老のガーリックバター、ブイヤベース、ヴィス・パンナチェ(「魚フライパン」、魚介のゆるいクリームグラタン的なもの)などのフラミッシュ土着的魚介料理を出す。


...そう言えばマルクト広場にずらりと並ぶ、あれらレストランも全く同じメニュで営業している。

いや、ブルージュでは「中華」「フレンチ」「イタリアン」と名乗っていない限り、どのレストランもビストロも同じメニュ、他にスパゲティーボロネーゼ、ラザニア、オムレツ、ステーキとフリッツなどから成り立っている。

シェフのファンタジーよりも、昭和の百貨店の最上階のレストランに共通していたメニュような同質性が求められるのだ。
ファンタジーが楽しみたいならカルメリットへ行け、と。

昭和の百貨店の最上階のレストラン...うん、ブルージュは確かに昭和の百貨店に似ているような気がする。
フィリップ・マーロウが「かわいい女」の中で "California, the department-store state. The most of everything and the best of nothing." と言ったような感じ...言い過ぎですな。


評価しているんだかしていないんだか分からない記事になってきた(笑)のでここらでやめよう。
場所的にはマルクト広場からブルグ広場に抜けるあの短い道(Breydelstraat 24)にあり、便利。おしゃれさはなし。



もう一件、コンシェルジェがすすめてくれた、シモン・スティーブンス広場のPoules Moulesにも初めて行ってみた。わたしはムール貝を食べなかったが、夫曰く非常に美味であったらしい。平日の夜にもかかわらず満席で、とても気軽なレストランとしていいのではないだろうか。子どもも多かった。

メニューはもちろん上記同様(笑)。


...


先日、パリの雑貨屋メルシで、家庭用ムール貝の鍋が売られているのを発見(メルシ価格ではなく、スーパーで買える12ユーロかそこらの正直な値札がついていた)。
日本製や英国製やフランス製やらの、おしゃれでかっこよく美しい雑貨に囲まれ、気取って展示されているのが微笑ましかった。

ほら、前わたしがムール貝の記事を書いたとき「この鍋はビジュアル的にも良いので、日本に持って帰ったらインテリアになる」と言ったのは、苦し紛れでも、ごり押しでも、贔屓のひきたおしでもなんでもなかったんですよ(笑)!


...


写真はブルージュの家での最後の晩餐(だったと思う)。夫のリクエストでムール貝。
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