弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

余所に任せる わけにはいかぬ 刑事事件と 人事訴訟

2009年09月15日 00時03分42秒 | 裁判
朝日新聞夕刊に連載されていた河上元康(元高裁判事・弁護士)の「人生の贈りもの」第4回(10日)の一節から。

「ただ、裁判らしい裁判っていうのは刑事事件と、それから、離婚とか認知とかの人事事件でしょう。これはね、人間の社会がある以上は、なくならないんです。刑事事件と人事事件はね、絶対、裁判所でやらなくちゃならん。ほかに任せることはできないものだ、と、そういうふうに思いますね。」

判事も教師も 答は同じ 聖職者でかつ 労働者

2009年09月14日 01時24分19秒 | テレビ
名古屋の中京テレビが制作したドキュメンタリー番組「法服の枷」が、裁判員制度施行について追加変更された上で、日本テレビ系列で今日、全国放送の日の目を見た。
その中での福島元裁判官の日記中の名言が、
「裁判官は外に向けては聖職だが、内に向けては労働者だ。」
日本人の最大の愚問
「教師は聖職者か労働者か」
に相通じるところがある。
二者択一で問うこと自体が明白な誤導尋問であろう。
両方に決まってるじゃない。

円丈師匠が 濁点とれば 「ろんだいえん」から 大団円

2009年09月13日 10時28分41秒 | その他
三遊亭円丈(えんじょう)の近著「ろんだいえん 21世紀落語論」から。
タイトルは、落語を論じ、台本を書き、演ず、という意味なのだそうだ。
名古屋の「雁道」(がんみち)出身で、同県人の私も大学時代から大ファン。

落語協会の真打ち乱造に反対して脱退した師匠の円生(えんしょう)と、一番弟子の円楽らと行動を共にし、後に復帰した経緯は名著「御乱心」に詳しい(復帰しなかったのが円楽党)。

円生襲名を推す新作落語ファンも少なくないようだ。
フジテレビアナウンサーの塚越孝さんが、あとがきをこう結んでいる。
「円丈の円生を、推したい。古典の名人のあとは、新作・中興の祖、こいつぁいい。円楽党の人々も、これにて大団円とすれば、一門の度量を示せるし、五代目・円楽も一段と大きさを増す。これこそ、平成の大連立。」
(写真)
今年の「円朝まつり」で入手した「ろんだいえん」Tシャツ

二割司法の 日本の試験 やはり二千が 限界か

2009年09月12日 11時13分56秒 | 裁判
新司法試験合格発表から。
今年の合格者が最終目標の三千人に遠く及ばない2043人に留められたことが衝撃を呼んでいるようだ。
読売新聞では朝刊一面トップで報じられた(写真)。

私が弁護士任官する直前の日弁連総会で繰り返し決議がされた法曹人口問題。
私も増員自体は大賛成だが、三千人は無理があるという立場で発言していた。

22年前の私の弁護士登録番号は、20052番だった。
現在、40000番の大台にカウントダウンに入っているようだ。

弁護士の増員は飛躍的に達成されてきたように思う。
むしろ問題は、裁判官・検察官の増員だろう。

離婚訴訟の 要件事実 そもそも二人の 馴れ初めは?

2009年09月11日 00時27分03秒 | 夫婦
朝日川柳9月10日の、
「馴れ初めを訊かれて少し脚色し」横浜市佐藤頼昭
に触発されて作った都々逸。

離婚訴訟の訴状や答弁書では、馴れ初めが明らかにされていない場合が多い。確かに、婚姻前の事実は離婚原因にはならないから、当事者や弁護士も重視していないのだろう。
しかし、私は尋問の際には必ず確認するようにし、最近は判決の冒頭で認定している。
言い分の対立が著しい離婚訴訟においても、この点はほとんど一致するはずだからである。そして、仲たがいの遠因がそこに見いだせる場合も珍しくないように思う。

(写真)
法務省の人権イメージキャラクター
「人KENまもる君」と「人KENあゆみちゃん」
やなせたかし大先生の作
(本文とあまり関係ありません)

裁判員制 長ーい目で見て 長ーく愛して 育てよう

2009年09月10日 00時28分54秒 | 裁判
裁判員制度は「長い目で育てることが必要」と最高裁長官。
私もそう考えていました。
小松政夫や大原麗子の名言を思い出しました。
量刑が一方的に重くなるともいえないことが実証されたようです。
(写真)
神戸地裁の外観
(裁判員制度開始記念ポストカードから)
私は弁護士時代に足を運んだことがあるが、建物を見て、これほど仰天したことは、いまだかつてないのであった(*_*)

なぜか埼玉 県鳥なのに 絶滅するのかしらコバトン?

2009年09月09日 00時12分01秒 | その他
埼玉県のマスコットはコバトン。
これは県の鳥シラコバトなのだが、絶滅の危機に瀕しているのだそうだ。
県民を挙げて、保護に取り組まねばなるまい(^O^)/

夏の獅子舞 てんてこ舞で きりきり舞いして もうお仕舞い

2009年09月08日 00時09分53秒 | その他
夏の思い出どどいつ(3)
飯能駅からバスに乗って、
下名栗の諏訪神社の獅子舞を見て来た。
鳥居脇の駐車場は、皆さんの寄附で今春、購入したのだそうだ。代表のご挨拶でも御礼の言葉が述べられたし、真新しい寄附者名簿の立て札が建っていた。
実は、売却の許可には飯能出張所で関与している。

それにしても、事件の激増で今年の夏休みは忙しかった。
なおかつ夏休みの宿題を積み残すなんて、子供時代から通じて初めての経験だ。

広いお庭で 考える人 無限成長 できそうな

2009年09月07日 00時25分22秒 | その他
東京・中日スポーツの昨日のサンデー版の特集は「国立西洋美術館」だった。
著名な建築家コルビジュエの設計の一つとして、世界遺産登録を目指している。
収蔵品の増加に伴って、陳列館を螺旋状に増築できるようにした「無限成長」設計が大きな特徴だそうだ。
それには広い庭が必要で、現在はロダン「考える人」を初めとする大きな彫刻が設置されている。
(写真)
国立西洋美術館「考える人」

弁護士事務所は 敷居が高い? 元々そんなに 義理はない!

2009年09月06日 00時29分23秒 | その他
「敷居が高い」の意味は?

5日の朝刊各紙で報じられた文化庁の昨年度の国語世論調査によると、
「相手に不義理などをしてしまい行きにくい」42.1%
「高級過ぎたり上品過ぎたりして入りにくい」45.6%

実は本来の正しい意味は前者だそうだ。
しかし「弁護士事務所は敷居が高い」など、後者の意味で使う例が多かったような気がする。
きちんと顧問料を払っていないので、顧問弁護士の事務所には相談に行きにくい、などという場合ならば前者の意味になるが。

そもそも「誤用」の方が上回るようになれば、それはむしろ、その日本語の意味が変わったとか、増えたと捉えた方がいいのではなかろうか。

(写真)
私の出身の愛知県弁護士会の会報「ソフィア」最新号の表紙。
私のインタビュー記事も掲載されていますが、会員以外にはほとんど目に触れません。

もしや司法も 入るのかしら 「官僚支配の 打破」の内

2009年09月05日 01時29分02秒 | 世相
選挙前に街角で受け取った民主党のマニフェストを改めて通覧した。
マニフェストでは、司法関係の公約はあまり目立たない。
55項目の内の49番「取り調べの可視化で冤罪を防止する」が目に付く程度である。
しかし、民主党の「政策集」には、司法関係の政策も豊富に盛り込まれているようだ。
連立を組むことになりそうな社民党の年来の主張でもある家族法の改正も含め、実現に向かうのか、注目される。
(写真)
岩波新書の新刊「司法官僚」新藤宗幸

世間知らずにゃ 区別がつかぬ? 浅草サンバと ストリップ

2009年09月04日 00時05分30秒 | その他
夏の思い出どどいつ(2)
先週土曜日は、久しぶりに浅草サンバカーニバルに足を運んだ。
朝の連ドラ「つばさ」に妙にサンバダンサーズが登場するので、本物を見たくなったからだ。
しかし、あまりの人出で近くからはほとんど見られなかった。
写真も撮れるほど近付けなかったので、ポスターで我慢。
ところで、最近、日弁連のある大会の懇親会で、サンバダンサーズを呼んだところ、「ストリップまがい」などと抗議した弁護士がいたそうだ。
それこそ、ブラジル大使館あたりから抗議されるのではないだろうか。

人気タレント 起訴した頃にゃ 人民裁判 終わってる

2009年09月03日 00時18分36秒 | テレビ
事件はテレビ局で起こってるわけじゃない都々逸。
この夏、最大の問題作。
(写真)
お台場のガンダム像から大江戸温泉物語まで歩いた途中で通りかかった
東京水上改め「東京湾岸警察署」

夏の思い出 土壇場 近場 お台場ガンダム 股くぐり

2009年09月02日 00時08分58秒 | その他
夏の思い出どどいつ(1)
今年の夏休みは忙しかった。前半は初の裁判員裁判の報道等でテレビの前で費やした時間も多かったが、後半は半分は休みを返上して宿題(判決起案)をやった。
でも勉強ばかりしていては芸が無いので、近場にいくつか遊びに出た。
まずはお台場のガンダム像。
入場無料で股くぐりもさせてもらった。

比例代表 勝ち過ぎたるは 及ばざるがごと 並立制

2009年09月01日 00時09分05秒 | その他
小選挙区比例代表並立制の教訓から。
今回も、せっかく比例代表選挙で獲得した筈の議席を、わざわざ他党に渡すというミスをした事例が複数生じた。
一つは、重複立候補した小選挙区で想定外に勝ち過ぎたため、比例代表名簿の候補者が足りなくなってしまった民主党のパターン(前回は自民党が同じミスを犯した)。
もう一つは、重複立候補した小選挙区で負け過ぎたため、有効投票の一割という最低得票数に至らず失格した、みんなの党のケース。
選挙制度をきちんと研究してなかったのではないかと言われても仕方がないミスだろう。

ちなみに、小選挙区制の選挙では、次のような法則があると、雑誌Newtonの最新号の記事にもある。第一党が一人勝ちになる仕組みであるから、せめて比例代表制を併用しないと、違憲の疑いも出て来るだろう。
「三乗比の法則」獲得議席数の比は、得票率の三乗の比に近くなる。
「デュヴェルジェの法則」有力な候補者の数は、選挙を繰り返すと、定数+1人(小選挙区では2人)に近づいていく。