久々、劇場で映画鑑賞・・・
子供達が、楽しみにしていた映画。
何が いけないんだろう 全然面白くない。
昔と違って 1度しか見ることができない劇場へのシステムに
対する不満も手伝ってか、金をドブに捨てた様に感じる。
脚本が悪いのか、監督の技量がこんなものなのか判らないが
昔の映画は 暗がりの狭い場所に居ながら
心をどでかい空間に誘ってくれたものだ。
劇場その物は そこそこでかいのに 狭く 暗い箱の中に
押し込められているような窮屈な気持ち・・・
音楽の世界で例えるならば クラッシックは、聞いてるだけで
広大な風景を連想させ その日の気分を一転させるだけの
影響力を持つが 狭い部屋でフォーク好きの友人にギター片手に
流行歌を聞かされるていると 「えーい!糞 早よう 終われ!」と
怒鳴りたくなるような気持ちに似ている。
莫大な制作費を賭け CGを使い大げさにやっている割には
全く心に残らない・・・政治の世界もそうだが 娯楽の世界も
全体を総括できるリーダーが居ないのだろう・・・
役者は名優揃いだが 何を訴えたいのかハッキリしない。
何も残らない・・・
まるで気の抜けたコーラを飲まされている
感じかな・・・昔のコーラは耳がチカチカするほど 炭酸が
効いていた様に 昔見た映画は印象付いて
何十年経っても忘れていない。
多分 昔の映画監督は本物の職人だったのだろう。
すべての世界で共通する事は製作する側が
お手軽なITに頼ったり わかり易さを忘れ
複雑化することが さも、名作を作っている様に勘違いする
事だとおもう。
いろんな経験を積み 人間が努力した物には喝采が待っているが
お手軽で付け焼刃的な物は度派手な割に
拍子抜けした様に印象が無いのがあたりまえなのだろう・・・
人間の息づかいや 温かみが感じられないから 違和感があるのだ。
ありゃ まるで 息をしていない精巧なアンドロイドの様なもの。
ダビンチの絵は息をしているが ポスターは息をしているだろうか?
その違いがわからないから 殺伐とした世の中になっているのでは
ないかと思う。
お手軽で 誰にでも 出来るんなら お腹一杯だよ・・・と
今回のつぶやきは、そげなことじゃない
この映画鑑賞の後が問題なのだ。
さあ 帰ろうと映画館を出た。そそくさと駐車場に急ぐ私・・・
「パパー!」と呼び止める家族の声に振り返る。
トある、アイスクリーム店の前に並んでる妻子・・・
妻:「ちょっと ここへよって行くから!何か食べる?」
メニューに目をやる私・・・
(ひゃー 結構するなぁー)
メリケン国に行ったことがある私は
本場よりいい値段に驚いたのだ。
私:「否!俺はいいよ 貴方達だけ食べなさい。」
席に付いて 満足気にアイスを食べる娘・・・
私:「家に帰れば アイスは沢山あるのに・・・」
(世の中は不景気じゃっちゅうに 先程見た映画のつまらなさに
気分を壊していたせいか 捨て金をしている様に思えたのだ)
苦笑するわたし・・・
そんな私を妻は察したのだろう「あのね・・」と話を切り出す・・・
簡単に説明すると内容はこうだ
小学生になったばかりの娘のクラスで先生が
「〇〇のアイスクリーム食べたことある人 手を挙げて!」
席が一番前だった娘は 一人だけ手を挙げなかったらしい・・・
「ガッビーンーッ!」
話を聞いて 最初先生に対してムカッとしたが
私自身が駄目親だったのだと反省させられた。
申し訳なさに胸が一杯になりながら 息子に聞いてみた
私:「お前は食べたことがある?」
息子:「多分 あるよ!」
私:「本当に?」
息子:「多分!」
明らかに私を気遣う息子に自責の念が数倍増す。
妻は此度 ナイスなフォローをしてくれたのだ。
(心の中で妻に手を合わせる私・・・)
数日して・・・
妻が新手の美容室に行きたいと言う・・・
私:「行っておいで 時間は気にしなくて良いよ」
感謝の気持ちからか 部屋を掃除して家事を終え
妻の帰りを待つ 3時間後・・・
妻:「ただいまー!」
私:「なっ なんじゃ そのチェリッシュのおっさんみたいな
ヘアースタイルはっ!?」
サイド部分はクルクルとパーマネントがかかり
前髪は一直線にカット!
ベルサユーの薔薇のオスカルのような頭だ。
デジタルパーマというらしい。
(けっ!またデジタルかっ!)
昭和40年代 王子様ファッションが流行った。
私は小学生であったが 男が長髪でレースのフリフリ
を着ている姿に「なんたる 軟弱!」と毛嫌いしていたのだ。
(私は 何故だろう レースのフリフリが嫌いだ)
牛乳を温めると張る膜を、飲まされ牛乳嫌いになった
あの時と一致するので 白いフリフリと牛乳の膜が
ゴッチャになっているのかもしれない・・・
ズボンの裾はラッパのように広がり 高下駄を履いたような
姿を見ると 背筋がぞーっとしていたのだ。
親友と剣道の稽古の帰り道 その様なファッションを見ては
「日本男児も落ちたものだ」と小学生の癖に
年上の成人男性を非難したものだ。
明らかに、あの王子様ファッションのヘアースタイルの再来。
妻:「流行なんよーでも、カットを間違えたんやろうね」
部屋が整理整頓されているのにも気づかず
鏡の前でヘアースタイルを気にする妻・・・
しかし「てんとう虫のサンバ」は名曲だ!
(素敵な歌、ご本人達は大好きなので)
相変わらず 鏡の前から動かぬ妻に対し
ギター片手に数回歌って労った・・・
「残念だったのう・・・」
ショック!の日は続くのであった。