Kayaとののんびり生活 どいちゅらんど 

人生の半分ちかくになったドイツ生活のブログです。

おとうさんとぼく

2017-12-09 | お気に入り ちょっと古いもの
小さい頃、父親が買ってきてくれた岩波少年文庫の「おとうさんとぼく」は、
「タンタンシリーズ」と並んで、親が買ってくれた唯一の漫画です。
岩波少年文庫のものは、絶版になっていて
2005年に新しくヒゲ父さんとして出たみたいだけれど、
タイトルは「おとうさんとぼく」の方が良いな。
因みにドイツ語版は、とってもシンプルに「Vater und Sohn」です。


数年前の記念切手にも使われています。もちろんうれしくて購入。
もったいなくて使えないけれど・・・(笑)


大人になってから、ふと懐かしくなって買ってみたのが数年前。


サザエさんのような漫画というイメージだったのに、セリフが一切ない・・・
私の記憶では、ちゃんと会話が成立していたんだけれど。


調べてみると、作者名のe.o.Plauenは、彼の本名エーリッヒ・オーザーの「e」「o」と彼の
出身地Plauenからとったものだそうです。
本名ではなく、ペンネームで活動しなければいけなくなったのは
当時、社会民主党の新聞のために描きはじめた政治的な風刺画が原因で
ナチスの政権掌握後、制作活動を続けられなくなりペンネームで
「お父さんとぼく」を書いたという事。
そして、最後はゲシュタポにつかまり裁判の日の朝に自殺されたという。

クスリと笑えて、ほほえましいこの漫画の背景には
そういう社会的背景があったということを知りました。


詳しく調べてみたくなった訳は・・・



ドレスデンへ行ったら、必ず寄る本屋さんで見つけたエコバック。

彼の育った町、レースで有名なPlauenには博物館があるみたいなので
いつか行ってみたいなって思っています。