:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ 〔号外〕 『出版だより』 (カトリック出版連絡会)

2013-10-06 02:56:12 | ★ 私の一冊

〔号外〕

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『出版だより』 (カトリック出版連絡会)

2013年 秋/冬 号

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〔号外〕 は私のブログとしての号外の意味です


手元の部数が少なくなって出版社に 「ケリグマ」 20冊を追加注文していたら

昨日届きました

中に

 カトリック出版連絡会の 『出版だより』 2013年 (秋/冬 号)

が30部ほど同封されていました

何でこんなものが? と思いながら

A3 裏表カラー印刷で四つ折りの 《出版だより》 を広げてみると

中に写真のとおり 「ケリグマ」 の紹介があって納得しました

バチカンの「典礼秘跡省長官」の推薦つきの本などめったにありませんから

「カトリック出版連絡会」 も取り上げることになったのではないでしょうか?

 


 二つ折り状態にして左上に 「出版だより」 の表紙が来るよう工夫して写真にしました

 

この 『出版だより』 が書店向けの業界内PR紙なのか

各小教区教会にも配布される一般的なものかは知りませんが

広く読まれたいと願う訳者としては

ありがたいことだと思いました

ネットショップなら大抵どこでもOK!ですが

例えば下をクリックするとすぐ手に入ります送料無料がいいですね

http://books.rakuten.co.jp/rb/%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%82%B0%E3%83%9E-%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E3%81%AE%E5%91%8A%E7%9F%A5-%E3%82%AD%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%82%A8%E3%83%A8-9784434183058/item/12485983/

 

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★ キコの処女作 「ケリグマ」 好評発売中

2013-09-29 15:49:43 | ★ 私の一冊

 

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キコの処女作 「ケリグマ」 好評発売中

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「ケリグマ」=福音の告知=とは何か?

この夏の野尻湖の家には来客が実に多かった

おかげでブログの更新が思うに任せなかった

いま一人ひっそり引き籠り

インターネットの本のマーケットを覘いてみた

「ケリグマ」 が順調にマーケットに滑り出したかを見るためだ

 

 

「楽天」 で 「アマゾン」 で 「丸善・ジュンク堂」 で・・・

主だった本のネットマーケットで

ただ 「ケリグマ」 のキーワードを入れるだけで

出るわ! 出るわ!

キコ・アルグエヨ/著 谷口幸紀/訳 平山高明司教/監修

フリープレス刊 1000円+税 (計1050円)

お買いもの籠に入れるだけで明日にもお手元に

http://books.rakuten.co.jp/rb/12485983/

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 ここをクリックすると飛べます

  

 

上の写真はキコのシンフォニーのボストン公演のプログラムを飾ったキコの横顔と

ユダヤ人を家畜のように詰め込んで

アウシュヴィッツの殺人工場に運んだ貨車との合成写真だ


20才台の初めごろ 画学生だったキコは

ニーチェや サルトルや カミュのような

実存主義的無神論者の立場から回心して

「新求道共同体」 の創始者への道を歩み始めたが その彼も今すでに75歳を迎えた

その間 聖書に題材を求めた歌を無数に作曲し 自ら歌い

多数の絵画・彫刻 イスラエルのドームス・ガリレアに代表されるような巨大建築をも手掛け

多くの建造物に大壁画を描き

新しくは オーケストラ向けのシンフォニー 「無垢な人々の苦しみ」 を作曲した彼が

何故か頑なに本を書こうとしてこなかった

その彼が

昨年の暮れに

バチカン典礼秘跡省の長官 カニザレス枢機卿 の求めに応じて

世界司教会議(シノドス) 向けの資料として

「ケリグマ」 =福音の告知=

と言う一冊を著わした

 

 

翻訳しながら思った

日本の一般の読者には

目次の第一章にあたるカニザレス枢機卿の短い

「推薦の言葉」

は最後にまわして

いきなり

キコ自身が書いた 第二章の 「バラックで: 証言」

から先へ読み進まれることをおすすめしたい

そうすれば 何故カニザレス枢機卿のようなバチカンの高官が

強く推薦するかを納得されるだろう

日本のカトリック教会では

いままで 誰でも自由に入手できる 日本語の客観的資料が無いまま

とかく

否定的な風評に左右され誤解されがちだった

「新求道共同体」 または 「新求道期間の《道》」

歴代の教皇を始め 全世界の教会で

何故に高く評価され保護され推奨されてきたかが

ウイーンの大司教シェーンボルン枢機卿(今回の教皇候補でもあった)の解説にもある通り

たやすく理解できるだろう

日本の宗教事情は欧米とは全く異なるが

この本は

普段キリスト教と無縁な 世俗主義に染まった一億の日本人にとっても

一読に値する 目から鱗の 実に興味深い本ではないかと思う 


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★ 「ケリグマ」本日発刊

2013-09-14 00:16:28 | ★ 私の一冊

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キコ・アルグエヨ 初の書き下ろしの一冊

「ケリグマ」 《福音の告知》 本日発刊

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「福音宣教」 とは何か?

100の理論より この一冊!

イタリアのリヴォルノの司教がこの一冊を読んで、全く別人になったという話は知る人ぞ知る!!

 

 左はイタリア語版の表紙      右は初校段階の表紙になるはずの原稿 

 

推薦の言葉: アントニオ・カニザレス枢機卿 (典礼秘跡省長官)

解 説: クリストフ・シェーンボルン枢機卿 (ウイーン大司教)

(シェーンボルン枢機卿は今回のコンクラーベで有力な教皇候補のひとりだった)

日本語訳監修: 平山高明司教 (元カトリック大分教区長)

 

     

カニザレス枢機卿          シェーンボルン枢機卿

の錚錚たる顔ぶれ

 

初版印刷5日前の 《念校》 ゲラ段階の表紙部分

 

日本はイタリアやヨーロッパとは宗教的背景も お国の教会事情も全く違うが

日本のカトリック教会のほか

プロテスタントの教会や一般社会がこのヨーロッパのベストセラーにどう反応するか注目される

 

発行日の今日、2013年9月14日は「十字架賞賛の祝日」にあたる。

今日付けで、キコの最初の書き下ろしの本が日本語で出版される。

「出版される」と言うのは、今日印刷屋を出るインクの香りのする本は、

野尻湖の山荘に居る私の手元には、明日15日頃に届くということだ。


 

著者 キコ ・ アルグエヨ

 

告知された福音の言葉 《ケリグマ》 は生きていて

聖霊の力で人の魂を回心に導く

《ケリグマ》 を聴く人、読む人は変えられる、いつ?

《今でしょう!》

 

書店には連休明けの9月24日ごろには出回る予定。

定価1000円+税

フリープレス社刊

(谷口幸紀訳)

下をクリックすると入手可能

http://books.rakuten.co.jp/rb/%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%82%B0%E3%83%9E-%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E3%81%AE%E5%91%8A%E7%9F%A5-%E3%82%AD%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%82%A8%E3%83%A8-9784434183058/item/12485983/

 
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★ キコの最初の書き下ろし「ケリグマ」(福音の告知)を翻訳中

2013-04-28 04:58:19 | ★ 私の一冊

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キコの最初の書き下ろし

「ケリグマ」(福音の告知を翻訳中

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大型連休。晴天に恵まれたが、野尻湖を吹き渡る風は冷たく

妙高は雪に覆われている。


予定外に日本に帰国し、復活祭明けの4月10日にはローマに発っているはずだったのに、

何故かひっそり野尻湖のホームベースにこもって何やら仕事に打ち込んでいる。

そうです、今まで頑なに本を著さなかったキコが、何を思ったか

《ケリグマ》

と題する一冊の本を書いた。昨年の暮れスペイン語がまず出て、次いでイタリア語が2月に、

後はほとんど同時に英語、フランス語、ドイツ語などが出始めた。

いつもながら、日本語はずっと遅れる。

野尻湖に蟄居して、人を遠ざけ、専念するが、やっと半分を過ぎたところ。

 

 この季節に野尻の家に居るのは5-6年ぶりのこと。雪は解けたばかりで雑草はまだ生えていない。

背丈の低い水仙の花とチューリップの葉が、落ち葉をかき分けるように春を告げている。


ケリグマ (Kerigma) はギリシャ語で、日本語には1対1で対応する言葉がなく、非常に訳しにくい。

よい知らせ、福音、告知、告げられた神のことば、などなど・・・

ケリグマとは何かは、この本を読めばよくわかる。

キリスト教の本質、真髄に関わる問題だ。

早く届けたいと焦る思いと

じっくり念入りに作業して、いいものに仕上げて出したい、と言う思いの板挟みになっている。 

 

窓から目をやると、ピンクの山桜が今満開。心が癒される。


早くローマに行って、新しい教皇フランシスコの姿を見たいという思いもある。

清貧の聖者、アシジのフランシスコを自分の教皇名に初めて選んだ勇気ある人だ。

聖フランシスコは12世紀の低迷する教会を建てなおした改革の聖者でもあった。

彼の手腕に期待したい。

福者ヨハネパウロ2世のように、余り無防備に身を曝し

、内外の敵から暗殺されることの無いようにと切に祈る。

 

私の庭の続きに茂る山桜の木。一株だが根元で7-8本に分かれて伸びている。


(終わり)


 

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★ 司祭・谷口幸紀の「わが道」 =新しい本を書きました=

2013-02-01 21:21:19 | ★ 私の一冊

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 新しい本を書きました 

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待望の一冊が郵便でローマの私の机の上に今日夕方に届きました

2006年の一冊目の本 「バンカー、そして神父」 以来6年半ぶりのことです

280ページ余り、1200円 前のものよりリラックスした読みやすい内容になりました


〔目次〕

I 僕の内で揺れ続ける「東日本大震災」

II 世界の最新宗教事情

III キリスト教が「異文化」に受肉する条件

IV 「アーミッシュ」とカトリック共同体

V 司祭館の窓から

 あとがきに代えて


ネットショップの大手 「楽天」 の本のカテゴリーで 真面目に長い書名を入れて検索したら

該当書なし! ??? と思うとともに いささかガッカリして でもめげずに

谷口幸紀

だけで引いたら ありました ありました 6年前の 「バンカー、・・・」 と一緒に

在庫あり と出ました

アマゾンでも 私の名前を入れるだけで NEW と銘打ってパッと出ました

8点在庫有り

丸善・ジュンク堂 でも 紀伊国屋書店 でも 名前を入れるだけでヒットします

下をクリックしてお買い物かごに入れて是非お求めください 退屈はさせません!

http://books.rakuten.co.jp/rb/12185575/


*** フリープレス社の山内継祐社長に感謝します ***

                                                      

 

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★ 悪の根源」 について -「エゾ鹿」 と 「ウサギ」 の哲学的・神学的対話-その 14

2008-05-29 00:19:38 | ★ 私の一冊



 長野の県北、野尻湖畔の野ウサギが、北海道の知床に旅をしてエゾ鹿に出会った。カトリックの最高学府、ローマの教皇庁立グレゴリアーナ大学でも、「悪の根源」、「悪は何処から?」についての納得のいく講義にはついぞ出くわさなかった。そこで、欲求不満のウサギがエゾ鹿を相手に始めたのが、この「知床日記」です。誰でも「ああ、それなら納得!」と言えるような答えにたどり着くかどうか。野心的な挑戦です。あと何回続くことやら・・・・

〔ウサギ〕 眞・善・美・愛の究極の源である孤高の一者、ご自分のあふれる愛で全被造物を無から呼び出して、その被造物を一瞬一瞬ご自分の愛で支え続けておられる神(エヘン!上手に神を定義したでしょう?)のほかに神はないとすれば、善の神と悪の神の二元論は成り立ちませんね。しかし、この世の中に「悪」が、それも小さな悪から、世界を揺るがす巨悪にいたるまで、存在することは疑う余地のない現実でしょう?神が創らなかった悪がどうしてこの被造物界に存在するのか、さあ、じらさないで早く説明してください。

〔エゾ鹿〕まあ、そう焦らないで。ことは、論理的飛躍の誘惑を退けて、哲学的に強固な論理の連続的積み重ねの上に、それも、グレゴリアーナ大学の抽象的・観念表現によらず、哲学も神学も勉強しなかった人にも分かる平易な表現によって説明仕切らなければならないのだから,結構大変なのさ。(続きはまたすぐに書くつもりです)

陰の声(それにしても、こんなに退屈な話に、それも、何度開いてみても、いつも同じで、いつ更新があるか分からない怠惰なサイトに、それでも懲りずにアクセスし続けてくださる固定客がいらっしゃることに感激です。ブログの先輩の皆さんは先刻ご承知のことですが、自分の編集画面には、毎日のアクセス数が出ています。その数の乱高下から、顔も名前も分からない読者の皆さんの心の動きがびんびん伝わってきます。サボらず真面目に書けよ、と叱咤される思いです。)


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★ 知床日記、または、鹿とウサギのデート、または、神学的対話-その9

2008-05-09 19:14:03 | ★ 私の一冊

10月25日の「知床日記」で、悪の根源は何処に?という厄介なテーマに首を突っ込んでしまった野尻湖のウサギと知床のエゾ鹿は、問題の重さに恐れをなして、他のテーマに逃げを打ってしまいました。
しかし、いつまでも逃避していては、せっかくブログにきていただいている皆さんに申し訳ないと思います。
そこで、勇を鼓して前へ進むことにします。
前回、悪の根源は人間の罪と深く関わっているのではないかということを示唆したところで止まっています。(と書いてから、またさらに1週間があっという間に過ぎました。今、多忙を極めています。しかし、今日こそ一区切り書かなければ・・・)




〔ウサギ〕 もうこんな話やめようよ。誰も喜ばないよ。誰も読んでくれないんじゃない?!気が滅入っちゃうな!
〔エゾ鹿〕 重い厄介な問題だからみんな避けて通ってきたのではないかな。だからこそ、ここで突き詰めて考えるることに意味があるのではないの?もう少しがんばってみようよ。
〔ウサギ〕 ではお聞きしますが、罪はどこから?罪って何?どんな悪いことしても、ばれて恥をかくことにならなければ、また運悪く罰せられることにならなければ、罪にはならないでしょう?もしばれたとしても、うまく言い逃れることが出来れば、別に罪にはならないでしょう?訴えられても、裁判で負けなければ罪に問われないじゃないですか?政治家だって、企業家だってみんなそう思っていると思いますよ。罪になるか、ならないか、要は力関係、駆け引き上手の問題でしょう?
〔エゾ鹿〕 罪って、そんなに表面的なことだろうか?僕にはもっと内面的なもの、良心の問題ではないかと思うけど?
〔ウサギ〕 良心ですって?最近の世の中ではあまりはやらない言葉ですね。
〔エゾ鹿〕 流行の問題じゃないでしょう。人の前でばれても、ばれずに隠しおおせても、それは関係ないね。良心に反すること、・・・それは思いでも、行為でも・・・、それが罪というものです。万人に良心があるでしょう?
〔ウサギ〕 さー、どうですかね?良心の声なんか、ぜんぜん聞こえない人だっているんじゃないですか?人によって、教育によって、社会によって、時代によって、良心の声の中身はかなり違うんじゃないですか?それって、恐ろしく相対的じゃないですか?良心の声が全く聞こえない人は、何したっていいわけ?なーんか変だなー!凄くおかしくないですか?そんなの、絶対変だよ!
〔エゾ鹿〕 僕はそうは思わないな。罪のよりどころは良心、そこにしかないと思うよ。
〔ウサギ〕 わかんない!ぜんぜんわかんない。もう少し分かりやすく説明してもらえませんかねー。そしたら、絶対反論して見せるから。
〔エゾ鹿〕 おや?たいした自信だね。いいとも。説明し切って見せようじゃないか。だけど、それはまたこの次の機会にね!(つづく)

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★ 書評 〔グアム日本人会会報〕

2008-03-06 18:35:02 | ★ 私の一冊

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★ 書評 〔グアム日本人会会報〕

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カトリック神父 金融 バチカン 今年の1月と2月、グアム島の或る教会の司祭が一時留守をするということで、その留守番に出かけました。そして、最近、グアムの日本人会から会報が送られてきました。その中に、「ライブラリー発掘」と言うコラムがあって、私の本が紹介されていましたので、その書評を転載させていただきます。

         

「バンカー、そして神父」放蕩息子の帰還

         谷口幸紀著 (亜紀書房)

「人生はほんの小さな偶然で大きく方向が変わるものであるが、私はそれを単なる偶然とは考えていない。」(本文203ページより抜粋)これはマザー・テレサが日本で著者を面接することになっていたのに彼女の持病が悪化してこられなくなったことに対して書かれたものだ。日本人会会員のサンティアゴ神父と共に1月半ばに日本人会に訪ねられた著者は優しく人を惹きつける眼差しが印象的であった。香川県高松の教会から1ヶ月余りグアムの教会のお努めで訪問された際、自書のこの本を日本人会に寄付してくださった。人はそれぞれのドラマをもって生きている。以前は何々をしていたが現在はこれこれをしている、という話はよく聞く。実際私にもある。この本のタイトルのごとく、以前は金融界でウォールストリート(アメリカ)、ドイツ、ロンドンを駆け回っていた著者が、バチカン(ローマ)で神父に転職する過程を読みどころとしている。サンティアゴ神父によると別の職から転職して神父になるケースは少なからずあるという。しかし、この本の魅力は自分のドラマを綴る著者の洞察力とペンマンシップだと思う。バイクの事故から始まるこの本は読みやすくておもしろい。何か映像を見ているような錯覚に襲われるほど描写や表現がうまい。そして次はどうなるのか本をおきたくないのである。なんと純粋で自分に偽りなく生きてこられたかと感心していると、聖地エルサレムで「お泊り保育作戦」をやりだす茶目っ気ぶりも伺える。この本を読まれた或る会員の方は「宗教書によくありがちな、押し付けの言葉で浮き上がった現実味のない文章ではなく、作者自身、生身の人間が生の言葉で赤裸々に書いている。」と感想を述べている。ほんの小さな偶然で私も今はここグアムに住んでいる。それでもこれはきっと単なる偶然ではなく何かの導きがあったからであろう、と放蕩娘の私は思うのである。

                      編集委員 中尾 真弓

本のお求めは: 

        「バンカー、そして神父」(亜紀書房)ここをクリックしてください→ http://books.rakuten.co.jp/rb/4122150/

 



 

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