:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ キ コ の 壁 画 が 出 来 る まで (そのー3)

2017-05-18 17:24:54 | ★ キコの壁画

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キ コ の 壁 画 が 出 来 る まで

(そのー3)

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色付けのもとになる白黒のデッサンがほぼ出来上がった。 

手前のシルエットは只の見物人ではない(私みたいなのもいるが・・・。)多くはキコの弟子たちの画家の集団だ。キコは描く絵の中心人物の顔や手など、決定的な部分はすべて自分で描くが、衣服や景色や動物や背景や補助的人物の顔等は、教え込んだ弟子たちに意図的に手伝わせる。それは、彼が死んだ後も、キコ様式の絵を描き続ける一団を育てるためでもある。

画家たちは、イタリアやスペインを中心に世界中から家族を連れてここに結集し、自分の個性を完全に消して、せっせとキコの手足として絵筆を振るう。奥さんも子供も連れてくる。神学校の中に、にわか保育室までできた。子供たちが走り回っている。

 

空白部分は金色の絵の具でうめられていく。微妙な塗り斑が私の神経に障った。

 

絵と聖堂の後半部分との間にビニールのカーテンが出来た。埃を嫌うのか?

 

私はカーテンの中に入るのをしばらく控えていた

 

絵の色付けはどんどん進んで行く。上の段の椅子に座っているのはキコ。絵筆を振るっている。

 

伝統的なイコン画様式に沿って三位一体の神の絵を描いている

 

キコは美術アカデミー(芸大)の絵画部門の卒業生だ

 

 キリストの顔がほぼ完成に近づいた。黄色い余白の部分は、後日その上に金箔をおして仕上げられるだろう。なんだ、それなら下地の金泥の塗り斑は消えるわけだ。納得!

(つづく)

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★ キ コ の 壁 画 が 出 来 る まで (そのー2)

2017-05-14 18:13:15 | ★ キコの壁画

 

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キコの壁画が出来るまで 

(そのー2)

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増築部分の内部はどうなっているのだろうか?

天上まで20メートル近くある。ビルの4-5階に相当するだろうか?

 

 

正面のコンクリートの壁は全く凹凸の無い滑らかな面に仕上げられた

 

一旦足場を外すと、回りを素通しのガラスで囲まれた巨大なキャンバスが現れた。構造が単純なのと、作業をしている職人が壁から大分手前にいるので、実感がわかないかもしれないが、バチカンのシスティーナ礼拝堂の正面の壁より広い。その広い壁を囲む外の自然がそのまま見えるガラスの額縁は、実は日本の伝統建築から来ている。日本の庭園に配された屋敷の広間は、襖や障子を取り払うと、座敷から庭園の自然が連続して視野に入るのを立体的に模している。

 

職人たちは床に大理石を敷き始めている

 

あらためて足場が組まれ始めた。今度のは画家が壁に向かうためのものだ

 

移動式エレベーターも2基持ち込まれた。私は後日その一つに乗って天井近くまでい行ったが、高所恐怖症でなくても足がすくんだ。

 

背に上着のかかった椅子がキコの司令塔だ。ここから絵の全体を眺めて細部のバランスをチェックする。いつも水とパンとチーズぐらいが置かれている。

キコと、キコの建築顧問のマティアス(中央)と弟子の画家集団の一人

 

脇のテーブルには雑然と資料が置かれている

 

キコが現場でデッサンした顔や目

 

構図が固まったら色付けに入る。原色の絵の具の色見本。

 

休憩時間の職人たち。純朴で実直な人たちだ。

これで下絵を描き始める準備はほぼ整ったことになるか。

(つづく)

 

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★ キ コ の 壁 画 が 出 来 る まで (そのー1)

2017-05-08 18:32:06 | ★ キコの壁画

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キ コ の 壁 画 が 出 来 る まで

(そのー1)

バチカンのシスティーナ礼拝堂にミケランジェロの「最後の審判」の大壁画がある

今回、それよりも大きな壁画「黙示録」にキコが挑戦!

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ローマにも10年に1度ぐらい雪が積もることがある。

10年ほど前に雪が降った日、私は自分の部屋の窓からこの写真を撮っていた。

三角の屋根、「通称ピラミッド」の右奥に聖堂の建物が見えている。 

 

 

同じ窓から撮った2年前の写真。右上、ローマの松のとことの十字架は、

聖堂脇の鐘楼の十字架。

窓は東向き。冬は鐘楼の十字架より右(南東)から太陽が昇り、

真夏はこの画面の外、遥か左(北東寄り)から太陽が昇る。

 

 

 昨年の夏、コンサートツアーもあって日本に帰っていた。

秋の宵にローマにもどった翌朝、朝焼けの下に見慣れぬ大きなシルエットがあった。

 

 

聖堂の正面をぶち抜いて高さも幅も倍近くの増築が始まっていた。

全部同じ場所からだが、雪の写真にも次のにも、この部分はまだ存在しなかった。

 

 

正門から入ると、聖堂の増築部分は今まで一番高かった鐘楼の塔よりも高くなったのがわかる。

 

        

この増築は何のため?

聖堂の床面積を7割がた広くするためだが、それだけではない。

正面にキコが絵を描く巨大な壁面を作るためなのだ。

ふつう大家が絵を描くとき、キャンバスや襖や壁面にはそれほど金をかけない。

ところが今回のキコの壁画の場合、その壁を用意するために億単位の金がかかっている。

また誰か、信仰深いスポンサーを見つけたのだろうか?

 

 

これから、画家キコの壁画制作の過程をカメラで密着取材しよう。

どんな展開になるのか、

アルバム風に綴るので、次回からをお楽しみに。 

(つづく)

 

コメント (1)
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