レディース第2局。

2007-01-27 | 将棋
話が前後しますが25日に行われたレディース第2局について書きます。
棋譜などの詳細は中継サイトにて。また将棋ニュースプラスにて特集も組まれています。


9時50分に特別対局室に入りました。新星、里見1級の決勝進出で例年以上に注目を集めている今年の決勝戦。すごい数の報道陣でした。
対局開始直後までの10分間、座っていたのですがこれが長い長い。盤側に10分以上座ったのは記録係以来。音を立てるのが心配でお茶も飲めませんでした。

将棋は矢内女流名人が作戦勝ち。「これで勝ったら里見さん強すぎるなぁ」という声が上がるほど、プロ的には勝ちにくい形。
矢内女流名人がリードを広げ76手目△3三金の局面は「これは大差になるな」とすら思いました。△3三金は△4三金と上がったばかりの手を寄るとても辛い手だからです。(でも手としては最善かもしれません)
しかし86手目△6五桂と打った局面は勝負形。80手目△6五歩、82手目△6三金、84手目△6六歩、86手目△6五桂と里見1級が最善手を続けたからです。この4手は攻めの手と受けの手を織り交ぜる難しい手順。この4手を見て里見1級が勢いだけで勝ち上がってきたわけではない。ということが分かりました。
91手目▲5三角成では▲6四歩△5二銀▲6三金で先手勝てそう。と検討していましたがいかにも指しにくい手順なので(自分が対局者だったら指さないと思う)本譜は妥当なところでしょう。
▲2六馬と引くようでは流れがおかしいので(実際はそうでもないがリアルタイムで見ているとそのように感じる)逆転か?!と盛り上がりました。
96手目△8六歩では△6四桂なら大変な勝負でした。
負けはしましたが大差になりそうな局面から勝負形に持って行った里見1級の腕力は本物。14歳の彼女が今後どこまで強くなれるのか楽しみです。
矢内女流名人は流れを持っていかれそうなところ(80手目~95手目)で崩れずに踏ん張ったのが勝因でしょう。
第3局は少し間があいて2月22日です。
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棋聖戦最終予選対久保八段戦。

2007-01-27 | 対局

久保八段とは2年振り2回目の対局。振り駒で先手番に。久保八段のゴキゲン中飛車に丸山ワクチンで対抗。

              

竜王戦第2局での遠山流△7二金は後手が主導権を取りに来る将棋ですが本局は△6二玉からお互いに銀冠に。先手がどこから仕掛けるかという将棋になります。ここから穴熊に組み替えたのですがなかなか仕掛けを得ることができず作戦失敗。ここから先手は打開、後手は千日手を狙う攻防が60手近く続きました。

              

既に98手。残り時間は▲27分△32分。▲2八飛△3二金▲4八飛△4二金・・・と失敗を認めて千日手も立派な選択ですがもう少し打開を狙ってみようと思い▲7七銀。△5七角から馬は作られるのですが角を打ってもらえば金銀の動きが自由になります(打ち込みを気にしなくて良いので)

                   

残り時間は▲19分△16分。▲8七銀右~▲7八金引と出来ればかなりの堅陣なので打開が狙えます。それは許せないということで△3五歩▲4六飛△6五歩とようやく駒がぶつかりました。僕自身、これだけ残り時間が少ない状況での仕掛けは初めてかもしれません。動かれたというよりも動かせたという感じなのでまずまずかと思いました。

                

▲2四歩と突き捨てた局面。ここで▲1四歩と取り込んだのですが緩手で形勢を損ねました。後手から△6五桂▲8七金△4七馬▲3四飛△5七桂成の攻めが見えているので先に▲5五歩と突くべき。実戦は後でこの歩を突いたので1手遅れてしまいました。プロなら一目の▲5五歩を逃しているようではお話になりません。188手で負けて1勝1敗の決戦に回ることになりました。                 

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