銀河戦準決勝、決勝。

2007-09-29 | 対局

棋譜は銀河戦ページ(囲碁・将棋チャンネル)にてご覧になれます。

準決勝は羽生二冠を破って上がってきた飯島五段と。初手▲7六歩に対して△3二金をやられたので、注文通りに中飛車に。

             

この▲6八金は変な手ですが、普通に▲4八玉とすると△5四歩という手があり、▲同歩に△8八角成▲同銀△4五角の両歩取りがあります。▲6八金はこの△4五角に備えたという意味。同じようでも▲6八銀では△5四歩を▲同歩と取ることができなくなるので、注意が必要。

             

▲5六金型になりましたが、使い勝手が悪く苦労しました。やはり4段目に出るならば銀のほうが断然良いですね。図も6七に銀や角の両取りの傷があってなんだか落ち着かない形です(△8六飛は▲同飛で大丈夫)              

図から△5四歩に▲6五歩と反発。△5五歩▲同金に△4五歩がミスで△6五桂と桂を捌いて手を稼げば難しい勝負でした。本譜は竜を作って優勢に。

                   

▲8七歩△同馬と呼んで▲8二竜と引いたところ。△4三銀と△8七馬の両取りで(▲4三金が王手になる)一見、うまそうな寄せですが実はすっぽ抜け。図では△3三玉が唯一の受けでそれならば勝負形でした。△3三玉に▲8七竜なら△4二玉ですし▲4三金も△同馬と取られてしまいます。

僕は▲2三香成とした辺りでこの手に気が付きましたが、仕方がないので気が付かれないことを祈りながら進めていました。本譜は図で△5四馬だったので事なきを得ましたが、危ないところでした。

戻って▲2六香~▲2三香成が雑な寄せで△2三歩を取ってしまったために△2六歩を与えて自ら忙しくしてしまっています。勝ちはしましたが反省点の多い一局でした。

 

決勝戦は森内名人と。2年前と同じ顔合わせになりました。振り駒で先手になり相矢倉の定跡形に。

            

おなじみの形で決勝トーナメント1回戦と同じ形です。 その時△片上五段は△2五桂でしたが本局の森内名人は△同歩。 この後、飛を▲3六飛~▲6六飛としたのが良く、優勢に。

                 

香得に加えて持駒と陣形も有利。どうまとめるか、という局面。▲6四歩△同歩▲6三銀が厳しいはずなのですが森内名人は△4四玉と耐えて崩れません。

これに対して寄せにいかずに安全勝ちを目指してしまったために、入玉を狙われる嫌な展開にしてしまいました。形勢も難解に。

            

▲2六角と意味のない王手を利かしてから▲7六飛と逃げた局面。ちぐはくな手順で、ここでは後手にチャンスが生じていました。△3四玉~△2五玉と突進されていたら、かなりまずかったと思いますが実戦は△3四金だったので▲5三歩成(△同銀には▲5八歩)△2五金▲5四と△3四玉▲2七歩(下図)で入玉を阻止。

                        

△2六金と角を取ることが出来ないので(▲同歩でかえって危なくなる)玉が前に進むことができません。以下はうまく寄せ切ることが出来ました。

 

内容的には誉められたものではありませんが、優勝という結果を出せたこは良かったと思います。今日、優勝カップのレプリカが届きました。2年前の分が僕の部屋に置いてあり、柊もたまにいじって遊んでいるのですが、今日届いたのを見て「あれー?これ1個持ってるでしょー。なんでまたきたのー」と不思議そうにしていました。           

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ブログが受賞。

2007-09-29 | 将棋
今日は第19回将棋ペンクラブ大賞の表彰式でした。詳細は将棋ペンクラブHPをご覧下さい。
「渡辺明ブログ」が頂いたのは「話題賞」です。ネット上のものは対象外だと思っていたので驚きましたが、嬉しいですね。
また山田史生氏が書かれた昨年の竜王戦第3局が観戦記部門で選ばれました。自分が指した将棋の観戦記が選ばれる、というのも嬉しいものです。


銀河戦(囲碁・将棋チャンネル)で優勝することが出来ました2年振り、2度目の優勝です。
準決勝、決勝は明日にでも解説を書きます。
一昨年は銀河戦優勝を含めて昇り調子で竜王戦を迎えることが出来ましたが、今年はそうでもないのでこの優勝が良いきっかけになれば、と思っています。
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