先手矢倉対後手銀冠の展開に。1回戦の井上八段戦と同じです。
ここでは▲9六歩を突くかどうかで迷いました。普通は突くのですが▲2五歩△同歩▲同桂と攻めるので桂と歩が駒台に乗り易い展開。そうなると端攻めが来るので、迷ったというわけ。端攻めが来ないなら突いたほうが得ですが、こればかりは進めてみないことにはわかりません。結局、54分考えて▲2五歩を決行しました。
飛桂と銀の交換で大きな駒得。優勢は優勢ですが、大きな差は付いていないように感じていました。
今、先手の手番で次に△4七歩成と成られるのはかなり嫌だったのですが、受けが見当たりませんでした。▲4八歩と受けると▲1八飛が狭くなって取られますし▲4九香も△2七馬で飛香取りになります。以下▲4八飛には△4七歩成(△4二香が利いている)
仕方がなくと金を作らせて寄せに行きましたが、小さなミスが重なって入玉を許してしまいました。
寄せないと勝てないと思って攻めていましたが、ここで後手玉捕獲を断念。ここで諦めるんだったらもっと前に見切れよ、という感じですが
というわけで▲9六歩。1図で突いておくんだった、とは思いませんでしたが、入玉までは遠いので生きた心地はしませんでした。
この後、馬を犠牲にしてなんとかトライに成功し、持将棋に。
終局は午前1時19分。30分後の1時49分に指し直し局を開始。持ち時間は両者1時間。
名人戦棋譜速報(有料)には「指し直し局の前に構想を練る渡辺明竜王」という写真が出ていましたが、あれは寝ていただけです。だって2時ですよ
指し直しは相掛かり腰掛け銀。香を引っ張って、▲3六角と打たれたところ。
香を取られるとまずいので、ここから△8八歩▲同金△8六歩▲同歩△8七歩▲同金△8五歩▲同歩と無理矢理に十字飛車の形にして△2五角。
「こんな手はないか」と思いましたが、これくらいしか浮かびませんでした。角を取れば△8五飛が十字飛車。
2図から先手も▲2六歩と辛抱し△3六角▲同歩△6五歩と進みました。
苦戦を感じていましたが、なんとか食らい付いて逆転に成功。
図から△5八金▲7八玉△6七歩成▲8八玉(▲6七同玉は△5七馬)に△6一歩の底歩がピッタリ。後手玉には詰めろが行きません。
この後、なんとか寄せ切って勝ち。残りは双方1分、終局は4時55分でした。これでリーグ成績2勝2敗に。
感想戦を終えて会館を出たのが6時半。青梅行きの中央線に乗り「青梅まで行ってもいいや」という気持ちで寝たら、最寄り駅で起きました。牛丼を食べて帰宅、就寝。