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日記(5.25)万引き家族

2018-05-25 09:27:23 | 日常
5月25日  (金曜日)  晴れ

コラム

映画監督、是枝裕和さんの作品にはホームドラマが多い。
特別な事件は何も起こらない。
どこにでもいる家族の取るに足りない日常の中に時折、
人間の心のひだが顔をのぞかせる。

 「歩いても 歩いても」(2008年)では、
  老いた両親の元に家族が集まった夏の一日を描いた。
  母親はいそいそと手料理を振る舞う。
  この日は長男の命日。15年前、海で溺れた子どもを助けようとして亡くなった。
  助かった子は成人した後も毎年、線香を上げに来る。

  もうそろそろ呼ばなくてもいいのではと言う家族に、
  母親は「10年やそこらで忘れてもらっちゃ困るのよ。
  憎む相手がいないだけ、余計こっちはつらいんだから…」。
 
  どんな人間にだって「毒」はある。

  家族の絆を大切に思う半面
 「家族って面倒だな」 
 「厄介な関係から逃げ出したい」と感じる時もあろう。
  普段は心の奥底にしまい込んでいる複雑な感情に
  是枝作品は気付かせてくれる。

 最新作「万引き家族」がカンヌ映画祭で
 最高賞の「パルムドール」に輝いた。

 年金を頼りにしながら、足りない分を子どもに万引させて
 暮らす一家の日常と秘密がテーマだ。
 特異な物語のように聞こえるが、そうではあるまい。

 格差社会の片隅に追いやられた家族の姿はどこの国にもある。
 カンヌの観客もそれぞれに思い当たる人生の真実を、
 スクリーンに見いだしたのではないか。
 日本公開は来月。
 今から待ち遠しい。
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『万引き家族』は、
東京の下町を舞台に、犯罪でしかつながれなかった一家の姿を通して
人と人の絆を描く人間ドラマ。

日本映画がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞するのは
●今村昌平監督の『うなぎ』(97)以来、21年ぶりのこと。
 是枝監督作品としては、カンヌ映画祭への参加は7回目。
 コンペティション部門では『海街diary』(15)以来3年ぶり5回目の出品にして、
 初めてのパルムドール受賞​となった​。
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★パルムドール
 カンヌ国際映画祭で、最優秀作品に与えられる賞。
 [補説]多く「金のシュロ」と訳されるが、
 日本原産のシュロ(ワジュロ)ではなく、
 ヤシ科のナ ツメヤシがモチーフとなっている。
 ナツメヤシは、西洋では勝利・栄誉の象徴とされ、
 カンヌ市 章にも使われている。

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会見場に是枝監督が足を踏み入れるや、たくさんのフラッシュがたかれ、
まぶしそうな表情を見せた是枝監督。
「ちょっと実感が沸いてきた」と笑顔を見せつつも、
「公開がまだなので、宣伝活動を始めなければ。
 あまりゆるんだ笑顔を見せている場合でもないので、
 気合いを入れて公開に向けて走りたいと思います」と帰国後、
 さっそく気合を注入した。

 カンヌの上映について「深夜の上映にも関わらず熱い拍手が沸き起こった」と振り返り、
 取材に来る記者たちが「タッチ」や「ラブ」という言葉を使って
 本作の感想を語るのを聞くにつれ、「きちんと届いたなと思った。
 取材の数が増えていくという状況で、いい手応えなんだなと実感してきた」という。

 「パルムドール受賞の理由はなんだと思う?」と自己分析を求められると
 「自慢げに話していると思われるとイヤだな」と苦笑いしつつ、

 「審査委員長のケイト・ブランシェットさんが安藤サクラさんの
  お芝居について熱く語っていた。
 『彼女の泣くシーンのお芝居がすごくて、
  今後もし審査員の中でこの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください』と。  それくらい審査員の女優たちを虜にしたのだなと思った」と告白。
  さらに「どの瞬間もみなさんのお芝居に惚れ惚れするくらい。
  役者のアンサンブルがとてもうまくいった」とたたえた是枝監督。
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