まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

原発は国策欠陥商品

2006年09月08日 | 原発
 今日からの浜岡原発裁判は、証人調べ。来年の3月結審まで安全性を巡る議論が深められていきます。傍聴には80人を越える方々が集まり、抽選で20数名となり、私は傍聴に入れず。午後4時過ぎに空いた席にようやく滑り込みました。

 今日の証人は、原発の圧力容器設計に加わっていた田中三彦さんと金属材料学の井野博満さんで、傍聴は井野さんの後半の部分だけでした。OHPを使っての尋問と説明ですが、後ろの方の席だとあまりよく聞こえません。

 まとめとして、井野さんは、
1、応力腐食割れ(原発の溶接部分にひび割れがはいり、1号機のような配管爆発自己がおきる原因)は、材料が腐食されやすい状態になる材料因子、その部分に引張応力がかかる応力因子、酸素イオンなどの腐食因子が存在する環境因子の3条件が揃って始めて発生するという解釈は間違い。
2、ひび割れを検査する超音波検査の信頼性に疑問が生じている。
3、中性子照射によって材料である鋼に経年劣化がおきてもろくなる。
4、ひび割れ実測データと予測指式にずれが生じている。

 をあげ、原発は内部に巨大なエネルギーと多量な放射性物質を内包した特異な技術システムであるにもかかわらず、動員されている技術は、ごく普通の完璧とは言えない技術であると。

 これって、つい最近問題になったパロマのガス湯沸し器と同じ構造です。事故が起こるたび、その原因が探求され、問題点が指摘されているにもかかわらず、国策故に「原因が隠される」、欠陥商品が世の中を席捲する構造と全く同じです。

 総取っかえするか、商品製造を中止するしかないはずです。東海大地震の震源域に聳え立つ5機の浜岡原発、この欠陥商品、一体誰がその商品の被害者になるのでしょうか。

浜岡原発裁判弁護団の勝訴の確信

2006年08月17日 | 原発
 東海大地震の前に原発を止めよう裁判の進行協議が行われた今日の夕方、労政会館で「ここまできた これからどうなる浜岡原発裁判報告シンポ」が開催されました。会合が重なり、最後まで参加できませんでした。

 河合弘之弁護団長からの勝利の確信に満ちた経過報告、司会の若き望月賢司弁護士からは「弁護士はとかく話しが長くなる」との揶揄もあり、なごやかなスタートでした。続いて長野県中央構造線博物館学芸員の河本和郎さんから地震解説。

 裁判の中でしばしば出てくるS1地震動、S2地振動、応答スペクトル、アスペリティ、東海地震、東南海地震、南海地震など素人にわかるようにパワーポイントを使ってのお話でした。海渡雄一弁護士から証人となる神戸大学教授の石橋克彦氏、栗山知弁護士から京大防災研究所教授の入倉孝次郎氏の紹介がありました。

 更に青木秀樹弁護士が、耐震設計と中電側の安全余裕概念についての論点紹介、最後に海渡弁護士が2回に渡る2号炉、4号炉の現場検証をパワーポイントを使って、中に入らなければ見る事の出来ないいくつもの危険箇所を解説してくれました。

 集会参加はここまででしたが、大変勉強になりました。今日の弁護士の方々の活動は、ある意味、高木仁三郎さんが提唱した市民科学者こと市民弁護士とでも言うべき活動スタイルです。当然、それは市民派議員と同じ質のものです。

 市民の目線で、専門家の目線で裁判を闘って行く、つまり市民の感覚での批判的論点を裁判官にも通じる言葉で法定を作っていくことです。議員も同じような性格を持ちます。勿論、その危うさも存在します。緊張感の中での政治文化です。

浜岡原発タービン事故報道

2006年07月01日 | 原発
 浜岡原発のタービン事故は予想以上の大事故へと発展しつつあります。さすがに中日新聞社が中電本社名古屋を拠点としているということからか、事故の重大性に着眼しているからか、1面トップの扱いです。

 見出しだけ追っても、1面で、「浜岡5号機 別タービンも羽根損傷 計50枚、設計に問題か」、中面で「最新鋭機 予想外の振動 保安院 羽根の改良を重視 運転停止長期化は必至 中電 月十数億円負担増」です。

 5号機は4号機など従来型に比べ、水蒸気の流量が2割ほど多い為、羽根が109センチから132センチに大型化され、ひねりを加えている、羽根が大きくなれば、遠心力が増え軸との接合部にかかる負担は大きい、とのことです。

 タービン製造会社の日立製作所は既に「設計上の問題」として社内に対策本部を設置したとのこと、経済産業省は、同型の志賀原発2号炉停止・調査指示をしたとのことです。相当長期にわたる原因究明になりそうです。

 問題は、このタービン問題が、最新型だけの問題に限定できるのかという問題と、新たな設計の必要性が発生する時、安全協定の対象になりますが、静岡県が運転停止権をもてるかどうか、です。

 それにしても、3月の金沢地裁での志賀原発2号炉が全国初の耐震問題で運転停止判決が出され、東海大地震震源域にたつ浜岡5号炉のタービン事故で、運転停止になるというのも何かの因縁かもしれません。希望かもしれません。

因みに他の新聞社の見出しは
朝日新聞―経産省 徹底調査を指示 浜岡5号機の羽根多数破損 拡大の可能性も

読売新聞―浜岡原発羽根損傷 定期検査で確認せず 付け根部分 他の羽根も検査へ

毎日新聞―浜岡原発5号機タービン事故 新たに羽根46本損傷確認 隣接の1基4本にも 非破壊検査実施へ

産経新聞―浜岡5号機緊急停止 タービン動翼50本破損

毎日新聞―浜岡5号機 タービン羽根50枚に損傷 設計に問題か 運転停止長期化も