マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北村戸隠神社のスモウとは

2011年11月01日 06時43分03秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市北村町に鎮座する戸隠(とがくし)神社では、人足たちが清掃をしたり提灯を掲げるなど明後日の祭りに際して作業をされていた。

なんでも神社の向い側にある小高い丘は古墳だと言って山の神に参るそうだ。

集落の西北の山は山城があるそうで地名を城山と呼んでいる。

ときおり探索に来る人たちが見られるという。

それはともかく神社の傍には公民館があり、そこには観音堂の建物がある。

あるにはあるが行事はないと話す。

ただ、前にある役の行者石仏の前では少ないが参る人もいるらしい。

9月8日のことだそうだ。

長寿を記念して狛犬が奉納された戸隠神社。

明後日には白い幕が下されていることだろう。



さて、神社の祭礼と言えば気にかかっていた神事相撲のことだ。

作業にあたっていた人足の方からその様子を伺った話では次のようなことを聞いた。

朝から相撲に使う道具を作っていく。

村の神主と弓を持つ二人の前で扇子を持つ二人が相撲を演じるらしい。

相撲といっても大相撲のような取り組みではない。

行司が立つ前で二人は相手の手を掴んで格好をするだけだという。

ぐるぐると一周した後は刀を担いで現れる。

そのときも同じように行司の前で作法をする。

そのときには「ヨイヨイセー」と掛け声をかける。

二人とも同じ方向に立って一方の人が肩に手をあてて「マイッタ」という。

それで勝負がついたという相撲の作法である。

その後に矢を持つ二人がぐるぐる回り、本殿前で扇を広げて矢のように投げる。

北村町は24軒。

三つの座があり、それぞれに座の名がある。

一つは大座(だいざ)で10軒。

もう一つが今座(いまざ)で4軒。

三つ目が千座(せんざ)で2軒。

昭和24年の千座は8軒だった。

村を出たりして徐々に減ってとうとう2軒になったそうだ。

そのような状況の千座であるが今後も続けていきたいとDさんは話す。

その三つの座ではそれぞれが異なるお供えを作るらしい。

そのお供えが出来上がれば神さんに供えて神事が行われる。

ここで一旦はそれぞれの座に着いて会食をする。

その料理も違っていたそうだが現在はパック詰め料理の会食となった。

しばらくの時間は座ごとの語らいの場。

頃合いを見計らって神主が始めようと声がかかると神事相撲をするというから決まった時間ではない。

ちなみにそれぞれの座には当屋が決められている。

今座では家の順で決められているものの12月にはその引き継ぎがある。

大座も順は決まっているが家並びでなく不規則だという。

千座といえば2軒しかないことから引き継ぎというよりも毎年交替というわけだ。

このようなお話を聞いたままにしておくのは申しわけない、と思って祭りの日は優先順位を繰りあげてスケジュールオンしたのは言うまでもない。

(H23.10. 8 SB932SH撮影)