荻野洋一 映画等覚書ブログ

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2007年備忘の記

2008-01-08 07:18:00 | 身辺雑記
 昨年の私のベストを書き出し、記憶を新たにしておきたい。少ない数しか挙げることができなかったが、いずれも素晴らしい体験であった。私もまだまだもっと精進(消尽?)せねば。

■映画
・『サッド ヴァケイション』 監督=青山真治
・『長江哀歌』 監督=賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
・『すべてが許される』 監督=ミア・ハンセン=ロウエ

 自分は何を見たのか、タイトルを手帳に書き込む癖が去年からできたため、忘れずに済むようになった。これはブログを始めた理由でもあるが、すべての鑑賞作品名をブログ上に書き出そうとまでは思わない。つまらないものについて言及する気がないからだ。『サッド ヴァケイション』、まだご覧になっていない方おられたら、2月27日にDVDが出た折にでも是非。

■アート
・槐安居コレクション(東博)
・青磁のきらめき(静嘉堂文庫)

■音楽
・Hauschka『Room to Expand』
・ディス・ヒート 旧譜再発

■本
・アンリ・カルティエ=ブレッソン 著『こころの眼』
・近藤市太郎 著『女の表情』
・横内仁司 著『ドッグ・タッグ(認識票)』

 『女の表情』は1956年刊、『ドッグ・タッグ』は1980年刊である点、あしからず。その他、梅本洋一の建築本、青山真治のたむら本、boidの音楽本、稲川方人の新作詩集など、私の尊敬すべき友人たちからも例年同様すばらしい読書体験をもらった。

■サッカー
・「メッシのクラシコでのハットトリック」

 2006年のクラシコでは、ロナウジーニョが敵地サンティアゴ・ベルナベウの観客からスタンディング・オベイションを受けるという、ありえない瞬間にも立ち会ってしまったのだが、2007年はこれに引き続き、3-3ドローという熱戦だったカンプ・ノウのクラシコで、メッシの恐るべきハットトリックを目撃してしまった。10万人観衆がドーンと沸くあの瞬間、鳥肌モノだね。
 しかも、客席や記者席で見たんじゃない。なんと、両方ともピッチ上で見たのだ! ゴールネット裏でカメラマンに撮影させつつ見ていたわけであり、ロナウジーニョのゴールも、メッシのゴールも、ゴールネットに突き刺さった、そのネット越し2メートルほど延長線上に、阿呆面した日本人がいたということだ。
 はっきり言って今でも私には、弾道のコースから見て、この南米人2人が私を〈的〉にしてシュートをしたようにしか思えない。戦慄の体験というのは、こういうものを言うのではないか。神話の語り部として、後代にはちゃんと伝えていく所存である。