遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 9 晩夏 八月 夏の終わり 挽歌

2014-08-31 14:43:45 | 日記
          晩夏 八月 夏の終わり 挽歌 (2010.9.10日作)


   県道を横切り

   松林の中の道を抜け

   砂浜へ降りてゆく

   八月の終わりは寂しい季節だ

   海の家は その跡

   影を残すこともなく 取り払われ

   渚を埋めていた

   あれ程多くの人の姿は

   見る影もなく 寄せては引いてゆく

   波の繰り返しだけが

   残されている

   沖合いはるか 水平線の彼方に

   去り行く夏への 挽歌のごとくに

   沸き立つ積乱雲

   その下に広がる 永遠

   時折 白い波頭を見せる波のうねりには

   真夏の海の あの青い輝きは

   もう ない

   -----

   夏の終わりは寂しい季節だ

   暗さを増した

   海の蒼が運んで来るものは

   時の移ろい 

   過ぎ行く人の生

       
        



   

   

遺す言葉 8  (遠い花火)

2014-08-25 01:09:54 | 日記
          遠い花火(2013.8.21日作)


   わたしらは見ていた

   夏の終わりの季節

   都会の高層ビルの窓から

   眼下に広がる無数の

   墓石のごとき建築物

   果てしないその広がり

   散りばめられた光の宝石

   上空はるか彼方 夜の闇に小さく

   一瞬の光の輪を投げかけては消えてゆく

   遠い花火

   言葉もないままに

   -----

   季節は移り

   遠い彼方の夜空に

   消えてゆく花火の影はなく

   言葉もないままに 彼女は去っていった

   都会の高層ビルの窓から見る

   眼下に広がる無数の

   墓石のごとき建築物

   散りばめられた光の宝石

   あの夏の終わりの季節と

   少しも変わらない光の輝きは 化石

   移ろいゆくのは時の流れ

   人の心

遺す言葉 7

2014-08-17 14:57:05 | つぶやき
          熊(2014.8.1日作)



   この熊は 北の大地に棲息する凶暴な生き物だ

   こいつは機を見るに敏で

   獲物が少しでも弱味を見せると

   その弱味に乗じて途端に動き出し

   巨体からは想像も出来ない敏捷さで

   相手を窮地に追い込み

   剛毛で被われた巨大な足で踏み潰してゆく

   -----

   こいつは 森に於ける生き物同士の棲み分け 縄張りも

   有って無きが如し 道理が通用しない 常に

   あっちを見廻し こっちを見廻し 獲物を探して

   うろうろしている

   時には甘い声で相手に擦り寄る気配を見せたりもするが

   その心根には絶えず我欲があって

   何事に於いても 我欲を満たす事ばかりを優先する

   道徳心 繊細な心などこいつには 微塵もない

   強圧的 暴力的な支配力だけを

   剛毛に被われた肉体の奥に抱え込んでいる

   -----

   おそらく広い森の中でも

   巨大なこいつに好意を抱く生き物は

   数多くないに違いない

   表面的には誰もが笑顔で接していても

   心の奥では警戒心怠りなくて

   狡猾さにかけては天下一品のこいつに

   気をゆるしてはいないのだ

   -----

   煮ても焼いても食えないやつ

   腹黒 獰猛 嫌われ者

   それがこいつ 北の大地に棲息する

   この生き物 熊だ

   

   

   

   

遺す言葉 6

2014-08-10 15:39:00 | つぶやき
          原爆 戦争悲劇(2010.8.10日作)



   戦争がもたらす悲劇は人間が持つ

   底知れない愚かさの動かし難い証言である

   ゆえに

   戦争による悲惨さ悲劇は 常に語り継がれなければならない

   自身の愚かさを明確に自覚する以外に

   人は愚かさから逃れる事は出来ない

   -----

   原爆の被害だけを人間の悲劇として語るのは

   得策ではない

   原爆の悲劇もまた 戦争の中で生じた一つの出来事として

   把握しなければ

   世界の何処の国の人々にも受け入れられる

   という事にはならないのではないか?

   世界では今も戦争のために

   悲惨な状況の中にいる人々が数多くいる

   まず何よりも 戦争を好む人間どもを憎み 告発しなければ

   人間社会の悲惨な状況の消える事はない

   いったい 戦争の悲惨さ 悲劇

   その被害をもたらすのは誰なんだ!


   

遺す言葉 5

2014-08-03 15:34:11 | つぶやき
          おかしな話だ(2014.7.17日作)



   おかしな話だ
  
   企業は数値目標を定め

   女性管理職を

   登用するという

   おかしな話だ

   なぜ それだけの数値なのか?

   おかしな話だ

   管理職 企業経営上

   ふさわしいと判断 判定された

   職業人が その席に着くべき

   職責 男性 女性

   問うべき筋合いのものではない

   おかしな話だ

   それが女性差別撤廃 への

   第一歩という まったく

   おかしな話だ それこそ

   女性差別 女性蔑視の

   最たるもの 女性

   数値目標達成のため登用

   才覚 才能 力量は二の次?

   偽善的名目 女性差別解消 の

   第一歩

   まったく おかしな話だ

   女性管理職登用 目標数値

   愚にも付かない政策方針 を

   打ち出すその前に すべき事

   男性女性同等の職場環境

   その整備 整理

   同等環境下

   浮かび上がる力量 才能

   管理職 会社組織に於ける

   重要職責への必須条件

   同等環境下

   浮かび上がる力量 才能

   男女に差異のあるはずがない

   おかしな話だ

   枠を決め その中に

   押し込める

   この考え この方針

   これこそが女性蔑視

   女性差別 女性軽視 の

   最たるもの

   女性を見下す男性思考

   男性視点 そこに

   気付かぬ 愚 鈍