遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 86 誰が想像し得ただろう

2016-02-28 15:50:46 | 日記

          誰が想像し得ただろう(2015.4.15日作)

 

   誰が その朝 そんな事を想像し得ただろう

   その子は 四月に 小学校に入学したばかりだった

   一週間後 友だちと一緒に いつものように

   元気に登校し その途中

   横断歩道で車にはねられ

   短い命を終わった

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   誰が その朝 そんな事を想像し得ただろう

   中学校二年生の少年は その朝も

   いつものように寝坊をし

   朝食もそこそこに 元気に家を出て

   学校へ行った 

   昼休みの時間 友達とふざけていて

   二階の教室の窓から転落し 死亡した

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   誰が その朝 そんな事を想像し得ただろう

   その人は いつもと同じく 妻と

   幼い二人の子供に送られて 出勤した

   いつもと同じく仕事をした その会社で

   思わぬ事故に遭い 還らぬ身となった

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   誰が その朝 そんな事を想像し得ただろう

   希望と期待に胸躍らせながら

   元気溌溂 出掛けた旅先  行楽地での

   突発的事故による 思いも掛けない死

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   一瞬にして変わる現実 人の運命

   理不尽 不条理 

   時間はそれでも過ぎて行く

   遠い 遠い いつの時かに

   この理不尽 不条理の

   埋められ日は来るのだろうか?

   一度失われた命の還る事は

   もう ない

 

   


遺す言葉 85 冬の街角

2016-02-21 15:47:51 | 日記

          冬の街角(2014.2.10日作)

 

   木枯らし寒い 冬の街角

   行過ぎる 人波は果てしない

   わたしは一人 当てもなく 佇む

   愛をなくして 脱け殻みたいに

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   二度とその名 口に出さない

   たとえこの 辛い胸裂けようと

   余りに深い 愛ゆえの 傷跡

   残る涙も ひび割れ枯れた  

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   木枯らし寒い 冬の街角

   行過ぎる 人波は限りなく

   これから何処へ 当てもなく 行くのか

   我が身知らない 心の虚しさ

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   冷たい舗道 石のその道

   足音が 響かせるこの孤独

   体に滲みる 儚さに ふるえて

   唇かんで こらえる涙


遺す言葉 84 一筋の道

2016-02-14 15:58:15 | 日記

          一筋の道(2015.8.27日作)

 

    人はこの世界を生きる上で

    この世界が自分に何を与えてくれるか

    考えない方がいい

    手にする果実の事など

    考えない方がいい

    この世界を生きる上で人は

    自分自身が出来る事だけをすればいい

    自分の好きな事だけをすればいい

    自分に出来る事がなんであるのか

    自分にもそれは分からない

    それでも自分の好きな事は

    心に問い掛ければ分かる事だ

    たえず 自分の心に問い掛ける

    これが自分の望んだ事なのか

    これが自分の行くべき道なのか

    心はたえず 揺れるだろう

    右に左に動くだろう

    それでもかまわない

    揺れる心の中で やがてはっきりと

    自分の進む 一筋の道が見えて来るだろう

    その道をひたすら

    真摯に歩んで行けばいい

    世間の噂など 気にる事はない

    毀誉褒貶など 気にする事はない

    世上の評価など 自身の揺れ動く心と同じで

    常に上下に揺れ動く

    揺れ動く世評に自身を委ねるのは

    愚かな事だ 自身を見失う事だ

    自身が見付け出した一筋の道

    時には 人が人として生きる上で

    大きな壁にぶつかる事もあるだろう

    迂回を余儀なくされる事もあるだろう

    それでも 心に秘めた自身の求める

    一筋の道が見えているのなら

    その道が希望となって

    困難な自分の今を 支えてくれるだろう

    人はいずれ 死に赴く存在

    死はすべてのものを 洗い流してくれる

    すべてを無にする

    どれ程の成果を誇ってみても その成果は

    死の前では無力なもの

    自身の心が得た満足感 それのみが

    自身の気持ちに 安らぎを与えてくれるだろう

    それだけが唯一

    死の無常に対抗し得る力となるだろう

    

    

    

   


遺す言葉 83 背負ったもの・・・・運命

2016-02-07 13:29:44 | 日記

          背負ったもの・・・・運命(2014.5.25日作)

 

   人の一生は運命に決定付けられたもの

   人には その人が持って生まれた

   どうにもならない 運命がある

   人の幸 不幸を 決定付けるものは

   その人が持って生まれた運命だ 

   恵まれた才能 恵まれなかった才能

   恵まれた容姿 恵まれなかった容姿

   頭脳の明晰さと愚鈍

   偶然 出遭う 街角での思い掛けない事故

   逃れる事の出来ない災難

   突発的な災難の中で

   死に赴く人と生き残る人

   その生死を分かつものは 人の力ではどうにもならない

   その人自身が持って生まれた 運命だ

   その時 その場所 その人

   からまり合った三つの要素が描き出す

   人の 幸 不幸 運 不運

   自身の責任の一欠けらもない所で

   人の運命は決定される

   無力な存在 人間存在

   その人間の出来る事は

   運命を受け入れて生きる事

   今 この時 この瞬間を 精一杯生きる

   結果は問わず

   結果は 運命の決める事

   まずは 今を生きる

   この瞬間を 精一杯生きる

   その果てに 今は未開の花の花開く 幸運

   才能の開花が訪れる日が来ないとは

   誰にも言えない

   明日 あるいは 遠い未来の中に隠された

   幸運 才能 可能性は

   その人が そこに向かって 生きてみなければ分からない

   たとえ 花開く可能性 幸運に巡り合えなくても

   嘆くには当たらない 人はいずれ 死に逝く存在

   死の前では すべてが平等

   地位や 名声 名誉 も 無力なもの ゼロに帰す

   ただ一つ 生の充実感 精一杯 日々を生き得た充足感 それのみが

   人の最期に 安らぎと 心の慰めを もたらしてくれるだろう

   人が持つ運命は その人の力ではどうにもならない