遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉291 小説 日常の中の恐怖(4) 他 コロナと十万円

2020-04-26 14:50:15 | つぶやき
          コロナと十万円(2020.4.25日作)

   コロナ対策として 一律
   十万円が支給されるという
   年金生活の 慎ましい日々を生きる身としては
   有難く頂戴するつもりでいるが この十万円
   あるいは 別の手段も 考えられたのではなかったか ?
   真に困窮する人々 日常 一人の国民 市民として 誠実に
   日々の事業に取り組み この国の人々
   働く人々を支える立場 そんな立場にいる人々
   そんな人達が この非常事態 その中で
   事業停止に追い込まれる 明日 生きるのにも困窮する 今
   早急に 何某かの金銭 費用が欲しい
   切実な声を発している 一人十万円
   この十万円は そんな方々 人々にも
   届くだろうが それでは事足りない
   焼け石に水 そんな事業者の方々も
   数多くいるだろう 一律十万円
   政府 政治に係わる者達は あるいは
   この国の経済の行く末を考え 考慮して  
   支給するのかも知れないが だが しかし
   今現在 この国の経済活動は瀕死の状態  
   停止に近い状態に陥っている そのような状況下
   一律支給十万円は 何処へ消えるのだろう 何処で
   消費されるのだろう 消費する場所もない 閉ざされている
   無論 その十万円で 安堵の胸を撫でおろす 人々
   御家庭もあるだろう だが しかし また
   裕福 充分 余裕を持った人々 御家庭も この国には
   数多く居て あるはずだ そんな人々 家庭に廻った
   一律十万円は 何処へ行くのだろう ? 今現在
   総ての行為 行動 活動が制限され 外出もままならない
   そんな状況下 裕福な人々 その家庭に支給された十万円は
   預金通帳に記載された その数字の数を増やすためにだけ
   力を与えるものになりはしないだろうか ?
   眠った金 死んだ金に なりはしないだろうか ? それより
   それよりも 真に 困窮する人々 日々 誠実 真摯に事業に取り組み
   その事業の停止に追い込まれた人々 或いは 教育など 
   多額の費用 現金を必要とする人々 そんな人々への
   早急 迅速な支給手当として 使用
   出来なかったものだろうか ?
   考えて欲しかった 
   改めて 別の手当ても 考えて
   欲しいものだ 
   それにまた
   国都道府県 その各々が発する要請 それを無視して
   開業 営業を続けるパチンコ店 他の店店
   このような事業者 経営者 或いは そこに群がる人々
   そんな者達にも 一律十万円の支給は 妥当なものなのか ?
   行政 医療機関 そこに携わる 専門性を持った人々の意見を無視 
   身勝手な行動に走る者達 そんな者達は この国の国民の多くが
   市民の一人として 自身の為 或いは他者への思いを巡らし 忠実に
   要請を実行する中 傍若無人の行動を繰り返す 国民 市民として   
   その務めを果たさない コロナウイルス禍 
   現在 発せられる要請は 大戦下 あの戦時時代の
   国家総動員指令とは 明らかに異なるもの 異質のものだ
   あの 国を守る為 一部の指導者のメンツを守る為 の
   ものではない 国民 一人一人 各々の 生命 健康 を
   守る為のもの その為の 要請なのだ 
   その要請で 困窮に 陥る人々 そんな人々が 数多く居る中 
   自身の身勝手で 平然と要請を無視していられる その
   神経の鈍さ 鈍感さ 愚かさ もしも 万が一
   彼等の場所で病が発症した時 その時には 責任が取れるのか
   医療行為が出来るのか その覚悟はあるのか !
   日夜 医療現場では 自身の命を賭したような 厳しい
   戦いが続いている そんな人々
   聖者にも等しい人々の活動に対し 言い訳が
   出来るのか !
   国民 市民の一人としての自覚も持ち得ない 愚者 愚か者達
   他者への配慮が出来ない 身勝手な 者達
   そんな彼等に 国民 市民としての権利を主張する資格が
   あるのか そんな者達への
   一律十万円支給 それが妥当なものなのか 理に適った
   対応なのか
   愚か者 愚者 身勝手な者達への対応には それなりの
   対応 それが 必要なのではないか !



          ---------------


          日常の中の恐怖(4)


 翌朝、島田は眼を覚ますとすぐに下へ降りて行き、朝の食事の支度をしていた夏子の背中に向かって声を掛けた。
「昨夜、何か変わった事はなかったか ?」
 俎板の音を立てていた夏子は島田の問い掛けに振り返ると、
「ゆうべ ? 変わった事 ?」
 意味が分からないという様に、怪訝な顔をして問い返した。
「うん」
 島田はぼそりと言った。
「何 ? 何かあったの ?」
 夏子の顔が少しの緊張感で引き締まった。
「うん、ちょっと。昨夜、俺が帰って来た時、門の間から家の中を覗いていた奴が居たんだ」
 夏子の顔から一気に血の気が引いた。
「どんな人 ?」
 息を呑むように夏子は言った。
「良く分からない。中背、痩せ型で、若い男だったような気がするけど、俺の姿に気付くと慌てて門から離れて逃げて行った」
「それで・・・・、門の中へ入ったのかしら ?」
「いや。門の鍵のいじられた様子はなかった」
「ただ覗いていただけなのかしら ?」
「うん。そうらしいが、良く分からない」
「嫌だわ。また、何か起こるのかしら ?」
 夏子は不安と恐怖の入り混じった声で言った。明らかに怯えていた。
「うん。分からないけど」
 島田も憮然として答えるよりほかに出来なかった。
 或いは、昨年、秋口の出来事がなかったら、こんなにも神経質になる事はなかったのかも知れなかったが、前例があるだけに、単純に、何かの間違いと断定してしまう気持ちにはなれなかった。
「警察に知らせた方がいいかしら ?」
 夏子は怯えたままの表情で言った。
「そうだなあ」 
 大袈裟には考えたくないという思いもあったが、迷いは消えなかった。それからようやく決心したように島田は言った。
「もうしばらく、様子を見てみよう」
「そうねえ」
 夏子も煮え切らない表情のまま呟くように言った。
 島田はそんな夏子をあとに残したままシャワーを浴びるため浴室へ向かった。
「光一や美雪にはよく注意するように言っておいた方がいいぞ」
 浴室から声を掛けた。
「そうね」 
 夏子も気の重そうな声で応じた。
「あまり神経質になってもいけないから、その辺は旨くいっていた方がいい」
「ええ」
 夏子の声は消え入りそうだった。
 島田自身にしても、気の重い事だった。昨日までの何事もなかった爽やかな朝が、まるで遠い夢であったかのように感じられた。春霞に覆われた穏やかな空気が一辺に、大きな黒雲に覆われてしまったようだった。
 島田はそれからの毎日、今までは忘れていた、自分の周辺に気を配るという、昨年、秋口以来の習慣を再び自分に課すようになっていた。深夜の帰宅時には無論の事であった。
 だが、あの日以来、再び、島田の身辺に著しい変化の起こる事はなかった。
 無言電話の掛かって来る事もなかった。
 光一も美雪も、以前と変わらずに明るかった。
 そんな日が十日も続くと島田は、一片の安堵感と共に、あれは単なる自分の思い過ごしであったのかも知れない、と思うようにまでなっていた。ただ、単に酔っ払いが、自分の家の門にもたれ掛かって、体を休めていたのかも知れない。
 と同時に島田には、この平穏が当然の事でもあるように思えた。
 一家が、他人の恨みを買うような行為は、誰もしていなかった。訳の分からない恐怖で苦しまなければならない理由など、何処にもなかった。家族の誰もが精一杯に、慎ましく、毎日を生きていた。そんな一家がささやかな幸福と平穏な日常を手にするのは、誰にも咎める事の出来ない当然の権利であると思った。


          三


「島田さん、島田さん」
 誰かが門扉に取り付けられたチャイムを鳴らしながら懸命に叫んでいた。
 夏子は眠りから醒め切らない頭でチャイムの音を夢うつつに聞いていた。
 叫んでいる人はチャイムではもどかしかったのか、どんどん門扉を叩き出した。
 余りの激しさに夏子はようやくはっきりとした目覚めを覚えて体を起こし、その音に注意を凝らした。
 門扉を叩く音には只ならぬ気配があった。
 夏子は途端に生まれる緊張感と共に立ち上がった。
 布団の上に掛けてあったナイトガウンを羽織り、階段を小走りに降りて行った。
 その時初めて、島田がまだ帰っていない事に気が付いた。
 深夜の気配が濃かったが、何時になるのかは確認していなかった。
 玄関の灯りを点け、すぐにドアを開けた。
 門の傍には新聞の配達員が立っていた。
「大変です。お宅の旦那さんが、頭から血を流して倒れています。来て下さい」
 配達員は血相を変えて言った。
 集金などで顔馴染みになっている配達員だった。
 夏子は配達員の言葉になんと答えたのか、自分でも覚えていなかった。気が付いた時には、配達員の後に続いて走っていた。




          -------------------

          takeziisan様

          コメント 有難う御座います
          何時もお眼をお通し戴き感謝
          申し上げます
          チャップリン いいですね
          前回 「街の灯」についての感想
          失念してしまいました
          ラストシーン もう何回も見ていますが
          思わず胸が熱くなります
          人は上辺 外見だけで判断してはいけないという事
          チャップリンのヒューマニズム
          共感します
          ロコモーション 懐かしいですね
          よくこんな映像をお持ちです
          これからも楽しみにしております


          hasunohana1966様

          いつもご声援 有難う御座います
          今回の記事 深いですね
          人間に取って避けて通れない死
          人間に取っての宿命ですが
          考えてみれば 死があるからこそ
          人は救われる そんな見方も
          出来るような気が致します
          永遠の生もまた 救われないような気が
          するのです あるいは 地獄であるのかも知れません
          また改めて 辞書を片手に英文の勉強も
          させて戴きます 有難う御座いました
   
          
          

 

 




   
   
   

遺す言葉290 小説 日常の中の恐怖(3) 他 安部さん しっかりして下さい

2020-04-19 12:20:27 | つぶやき
          安部さん しっかりして下さい(2020.4.16日作)

   安部さん 安倍総理
   日頃 あなたの言動から
   軽い人だな と 見ていましたが
   ここまで軽いとは !
   先見力がない
   想像力がない
   判断力がない
   決断力がない
   決定力がない
   説明 説得力が ない
   コロナウィルス対策に対する
   迷走ぶり 度重なる
   奥方のスキャンダル
   どれをとっても明確に
   決まりを付ける事が出来ない
   まさにコロナがあぶり出す
   あなたの真実 真の姿
   コロナウィルスは国民に取っても痛手
   大きな災難ですが あなたに取っても
   大きな災厄ですね あなたの
   真の姿がまるまる見えて しまいましたね
   安部さん 安倍総理
   しっかりして下さいよ あなたは今
   この国の人々 国民の先頭に立ち
   この国の行く末 未来を決定する
   最も重要な立場 位置に立つ人間なんですよ
   あなたの判断力 先導力がこの国の今を 未来を
   形作り 良くも悪くもする立場に立つ
   人間なんですよ あなたにその素質が 実力が
   あろうが無かろうが あなたは自ら望んで
   その位置 立場に着いた人間なんですよ
   あなたがふらふら あっちに揺れ こっちに揺れ
   揺れ動いているのでは この国の行く末 未来が
   定まらない 見えて来ないのですよ 
   いいですか 安部さん
   大丈夫ですか 安部さん
   しっかりして下さいよ



          ------------------


          日常の中の恐怖(3)

「ちょうど、娘の出来事があった頃です」
「九月の二十日頃ですね」
 刑事は黒い表紙のノートを見ながら言った。
「はい」
「今は ?」
「今は、なんともないんですけど」
 刑事は島田の勤務先や仕事の内容などについて詳しく訊ねた。
「仕事上の事で、御主人にはトラブルや何かはなかったですか ?」
「はい。別に、そんな事は聞いてはいませんけど。主人も、心当たりはないと言っていました」
 刑事は思いを巡らす風だった。
「分かりました。まあ、当分、このまま相手の出方を探ってみましょう。もし、また、電話でもあったりしたら、相手が何かしゃべるように仕向けて、電話を引き延ばして下さい。たとえ、その時に捕らえられなくても、相手の声の分析や特徴などを知る事によって、何かの手懸りが得られるかも知れませんから。それから、お子さん達には充分気を付けるように言っておいて下さい。学校にも一応、こういう事があったので、と連絡をして、注意をして貰うようにして置いて下さい。警察の方でも充分、注意をして見廻るようにします」
 無言の電話は依然、続いていた。
 まず、午後三時過ぎに一度掛かって来た。
 受話器を取らずに置くと、六時過ぎにまた掛かって来た。
 五回か六回のベルで必ず切れた。
 受話器を取ると、三、四十秒の沈黙が続いてそのまま切れた。
 こちらから話し掛ける事はしなかった。
 それが毎日続いた。
 それがある日から、突然、途切れた。
 あッ、そうだ ! と気付いた時には三、四日が過ぎていた。
 それに気付くと夏子はは不安を覚えた。相手が次に何を狙って、どんな行動に出て来るのか、皆目、見当が付かず、見通しも立たなかった。
 警察では電話のない日が十日以上も続いていると話すと、相手も諦めたのかもしれない、と多少、楽観的な見通しを口にしたが、それでも、まだ油断は出来ませんので注意をして下さい。警察の方でも、引き続き警戒態勢は取って置きます、と言った。
 電話のない日は、一日、また一日、と続いた。
 いつの間にか一か月が過ぎていた。
 この頃になるとさすがに極度に警戒心を募らせていたいた夏子の胸の中でも、刑事が口にした、諦めたのかも知れない、と言う言葉が現実味を持って大きく膨らんで来ていた。
 島田が正体不明の足音に悩まされるような事態もなくなっていた。
 夫婦は改めて、日常に何事もない事を確認し合うと、その穏やかさがいかに貴重なものであり、尊いものであるのかを心底から噛み締めていた。


          二


 沈丁花の香りが何処からともなく漂って来る初春の季節、島田はいつもこの季節を心待ちにしていた。冬ごもりを決め込んで眠っていた体内の血が、沈丁花の香りと共に一気に目覚めて、体内を駆け巡るかのような軽い興奮と解放感を覚えて心がときめいた。駅からの帰り道、島田は深夜にも拘らず、いつもゆっくりとした足取りで歩を運び、その幸福感を心行くまで満喫していた。特に今年の春は、厭な事の重なったあとの穏やかさと共に、四月からの新人事で、次長への昇進が決まっていて、その幸福感は、何時もの年に増してのものだった。更に更に、良い事が重なって、長男の光一が難関と言われる私立有名大学付属中学への進学という喜びがあった。春休みの間には、美雪のピアノ発表会もあって、
「日曜日だから、パパも来てくれるんでしょう」
 と言って、美雪はドレスを作り、新しい靴も買って心待ちにしていた。
 昨年、秋口以来続いていたあの、重苦しく厭な出来事の数々も、このところ続く穏やかな日々の中で、過ぎ去ったひと時の悪夢でしかなかったようにも思えるようになっていた。
 
 三月、四月と季節は過ぎていった。五月の連休も終わって間もなくの事だった。島田は生垣の角を曲がり、自宅に通じる直線通りの道に入って、思わず足を止め、立ち止まった。深夜の島田の足音に気付いたのか、あるいは、その影を認めたのか、慌てたように、一つの人影が彼の家の門扉の辺りから離れる様子を眼にした。  
 まさか、と島田は思った。
 人影は直線道を遠ざかると、ふと、曲がり角で後ろを振り返ったように思われた。
 だが、それは遠目の事で、確信がもてなかった。 
 背丈は一メートル七十センチぐらいだったろうか。
 島田は厭な予感を抱きながら、おもむろに歩き出した。昨年起こった出来事を思い出した。他方でまた、あるいは、立小便でもしていた酔っ払いが、人影に気付いて慌てて逃げて行ったりでもしたのだろうか、と考えてみたりもした。
 しかし、島田が自分の家の門前に立った時、そこに立小便の跡はなかった。
 更に、アルミ製の桟を縦に組んだ門扉の鍵が外されていないか、手を伸ばして確かめてみた時、そこにも異常はなかった。
 島田は改めて、再び門前から、先ほど人影の消えた角の辺りに視線を向けて見たが、そこにも人影はなくて、街灯の灯りだけが静まり返った暗い夜道を照らし出していた。
 いったい、あの人影は何をしようとしていたのだろうーー、島田の不穏な心の内の揺らぎは収まらなかった。
 島田は軽くシャワーわ浴びたあと、布団に入る前にもう一度、微かに雨戸を開いて外の様子を窺って見た。
 その外に異常はなかったが、それでもやはり、偶然眼にした、深夜に自分の家を覗き込んでいたとも思えるような人影には、不穏な思いを抱かずにはいられなかった。
 枕元の時計の針は午前一時半過ぎを差していた。


          --------------------


          桂蓮(hasunohana1966)様

          有難う御座います
          コメント とても嬉しく読ませて頂きました
          禅の言葉に 日日(にちにち)是(これ)好日(こうにち)
          という言葉がありますが この世の中なかなか
          好日を生きるーー自分の心に沿って良い時間を生きる 
          と言う事は難しい時代です そんな中で
          ほんの僅かでも、自分の時間が持てるという事は
          貴重な事だと思い 大切にしたいと考えています 
          ブログ 再読させて戴きました
          日本語に沿い 英文を読ませて戴く事が
          なにか無性に面白く感じられます
          英文には全く無知なのですが
          これからも良い文章をお寄せ下さいませ
          有難う御座いました


          takeziisan様
 
          有難う御座います
          本当に今年は心に余裕を持つなどと言う事は
          難しく思います 毎日 小さな悪魔に
          追われているような感じです
          そんな中で拝見するお写真 御謙遜ですが   
          見事なものです 毎回 楽しみに拝見させて 
          戴いております これからもどうぞ宜しく
          お願い致します

          3852hm様

          有難う御座います
          太田和彦ぶらり旅
          わたくしも千葉放送で見ている
          テレビ番組の中でも数少ない
          好きな番組の一つです
          太田さんの飾らない 大袈裟ではない
          ぼそぼそと呟くようなコメントがいいですね
          有難う御座いました

          sden66K1800様

          回想 拝見させて戴きました
          貝殻細工 見事なものです
          手先の至って不器用なわたくしには
          驚異の作品です お見事です
          それにしても御趣味が多いですね   
          手術をなさったとか 
          お気を付け下さい
          有難う御座いました
             




 
      

          
       
          
          
 
       
 

   

   

遺す言葉289 小説 日常の中の恐怖(2) 他 国費の半分でも

2020-04-12 12:11:39 | つぶやき
          国費の半分でも(2020.4.9日作)


   猛威をふるふ
   新型コロナウィルス
   そんな状況下 映像に見る
   パリ ニューヨーク ローマ などの 街々
   誰が この映像を 想像し 得ただろう
   人のいない街 廃墟の街 現実  
   その姿が 今 現在 人々の眼の前 
   この世界に現出している
   溢れるばかりにいた 人 人 人
   その 人の姿は いったい 何処へ
   行ってしまったのだろう ?
   夢の中にでもいるような この
   現実感覚 ほんの数か月前 
   人で溢れていた あの街々が 今
   死の街 廃墟の街 と 化している
   それにしても なんと
   人間 及び 人間社会 その存在の
   脆く 脆弱 ひ弱な事か !
   小さなほころび 僅かな瑕疵 そこから
   人の社会 この世界の土台が揺らぎ
   崩れてゆく 今現在 この現実
   この現象を前にして 人々 人は今
   いったい 何が出来るのだろう
   何をすればいいのだろう ?
   人と人とが心を寄せ合う
   人と人とが力を合わせる
   今 人の出来る事など それぐらい
   眼には見えない小さな悪魔 その敵に
   立ち向かう 非難し 罵り合っている
   暇はない そんな時ではない
   そんな時間はない

   それにしても この国 日本
   遅れ馳せながらの 緊急事態宣言
   なんと 危機意識の乏しい事か
   なんと 悠長 極まりない事か
   尻をたたかれ ようやく踏み出した
   第一歩
   政治家諸氏 普段 日頃
   働く その姿 その顔を 国民 市民の前に
   見せる事のない 一般国会議員の方々よ
   今 この時 こういう時にこそ 
   あなた方の働く姿を
   明瞭 明確に お見せする事は
   出来ない ものですか
   こういう時にこそ 先になり
   先頭に立って 働く そんな姿を見せて
   その存在を
   証明する事は出来ないものですか
   緊急事態宣言 この非常時 人々の
   日々の行動 活動の自由の抑制 が 要求され
   明日の生活にも 支障を来しかねない人々の
   数多く 現出しかねない こんな時
   国会の議員の方々よ せめて
   日頃 陰であなた方を支える 市民 国民
   みんなの為に 働く
   そんな気概 そんなお積りは
   在りませんか ?
   国民の 税により 捻出される 歳費
   月々の 手当 など せめてその 半額でも この
   緊急事態時 国民にお返し して 今 この時
   困難な状況に直面する 人々への
   支援としては 如何なものですか ?
   恐らく 一年 二年 と 続く事はないだろう
   この緊急事態 せめて 日頃の支援への
   感謝の気持ちとして その
   心を 示し 表す そんな事は
   出来ないものですか ?
   現在 あなた方がいる立場 境遇 で
   それが出来ない事は
   ないと思うのですが
   如何なものでしょう・・・・・。

   --------

   危機に直面した時にこそ
   指導者の真の力量 資質が
   明瞭に現れる
   さて この国の政治家
   指導者達は ?



          -----------------


          日常の中の恐怖(2)


 島田は自分でも、顔面から一斉に血の気が引いてゆくのが分かった。
「何処で ?」
 息を呑む思いで言った時には声がかすれいた。
「バス停の近くで、美雪が塾から帰って来てバスを降りると、知らない男が近寄って来て、突然、ナイフを出して美雪に近付いていったんですって」
「それで、美雪はなんともなかったのか ?」 
 島田の顔は蒼ざめていた。
「ええ。その時、ちょうどそばを通り掛かった六十歳ぐらいのおばさんがいて、人殺しって叫んだものだかりら、その男はびっくりして、慌てて自転車に乗って逃げてしまったんですって」
「男の顔や特徴は ? 分からなかったのか」
「夕方の六時過ぎの事で、おばさんもよく見分けられなかったって言ってたわ。そのおばさんが家まで美雪を送って来てくれたんだけど、美雪は勿論びっくりしちゃって、男の顔など見る余裕なんてあるはずもないし」
「警察には知らせたのか ?」
「ええ、すぐに知らせたわ。警官が来たけど」
「おばさんは ?」
「病人がいるからって、美雪を送り届けてくれると、名前も住所も教えてくれないで帰ってしまったの」
「警察はどうした ?」
「どうしたって、男の年頃や人相を聞いただけで帰って行ったわ。犯人が逃げてしまって、その犯人の特徴も何も分からなければ、どうしようもないですもの」
 島田はその男が自分を尾行していた男ではないかと確信的に思った。
 それにしても、いったい、何故 ?
 島田には思い当たる節はなかった。
「美雪はもう寝たのか ?」
「ええ」
「ショックを受けた様子はなかったか ?」
 島田はようやく心を静めて上着を脱ぎ、ハンガーに掛けた。
「大丈夫みたいよ。一時は怯えていたみたいだったけど、夕飯の時には元気を取り戻して、お兄ちゃんと口喧嘩などしてたから」
「でも、気を付けるように言っておいた方がいいぞ」
「勿論、言ったわよ。塾から帰る時は迎えに行くから電話をしなさいって。光一にも気を付けるように言っておいたわ」
 島田はやっぱり、神経ではなかったのだと、改めて納得する思いだった。
「あなたが尾行されているみたいだって言った事と何か、関係があるのかしら」
 妻は数日前に島田が言った言葉を思い出したかのように言った。
「分からない」
 島田はぼそりと言った。
 なぜ尾行などされなければならないのか、腹立たしさだけが募った。
「厭だわ。これから先、何が起こるのかと思うとぞっとするわ」

 一週間程は何事もなく過ぎた。島田自身も尾行されていると感じる事もなかった。あるいは、美雪の件は、単なる通り魔的出来事ではなかったのか、と楽観的に思い始めた矢先の事だった。また、新たな出来事が起こった。たまたま早く帰った島田が夕食の席に着いている時、妻が言った。子供たちは食事を済ませて自分たちの部屋へ入っていた。
「この頃、いつも午後三時過ぎになると変な無言電話が掛かって来るのよ。なんだか気味が悪いわ。美雪の事もあった事だし」
「無言電話 ?」
「ええ」
「間違い電話じゃないのか ?」
「それも分からないのよ。ベルが鳴るから受話器を取ると、すぐに切れちゃうの」
「何も言わないでか ?」
「ええ」
「毎日か ?」
「毎日ではないけど、この一週間程で四回よ」
「いつも同じように切れちゃうのか ?」
「ええ。あなたの方はどうなの ? 何も変わりはないの」
「うん、別に何もない」
「厭になっちゃうわ。変な事ばかりが起こって」
「美雪や光一は ? 変わりはないのか」
「ええ、二人には別に変わった事はないけど。美雪はバス停まで迎えに行くから」
「警察では何も言って来ないか ?」
「ええ、なにも言って来ないけど」
「あまりその電話が続くようだったら、警察にでも電話局にでも言って調べて貰った方がいいな」
「そうね。本当に厭になっちゃうわ」
 妻は心労を滲ませて言った。
 無言電話はそれからも飛び飛びに続いた。必ず午後三時過ぎに決まっていた。
 妻はそれからは三時過ぎの電話の受話器は取らないようにした。
 すると今度は六時過ぎの夕食の支度の忙しい時に同じように掛かって来た。三日それが続いた時、妻は三時の電話と同じ電話だと察して受話器を取らなかった。妻はほとんど、ノイローゼ気味だった。
「一日中、受話器を外して置くわけにもゆかないし」
「やっぱり、電話局か警察に話して、なんとかして貰った方がいいよ」
「そうね」
 妻は電話局、警察の双方へ電話をして防止策を訊ねた。
 警察では美雪の事もあって重大視した。早速、逆探知気が設置された。
 無言電話はそれからも続いた。相手は、逆探知気の設置を見込んでいたかのように、決して、同じ場所、携帯などで掛けて来る事はなかった。数少ない公衆電話からでも掛けているのに違いなかった。
「嫌がらせにしても念が入っていやがる」
 担当の刑事は言ったが、警察でも的を絞る事が出来なかった。
「わたし達、これからどうしたらいいんでしょう」
「この電話を使えなくする事も一つの手ですが、相手をおびき寄せる意味でも、暫く、このままにして置いて様子を探ってみましょう。大事な電話は携帯の方でお願いします。それから、お子さんの方はあれ以来、何か、変わった事はありませんか ?」
「はい」
「それ以外は何か、気になるようなむ事はありませんでしたか ?」
「今のところはないですけど、ただ、以前、ちょっと気になる事がありました」
「どんな事ですか ?」
「主人が会社からの帰り道、誰かに尾行されているような気がしてならないって言っていたんです。帰りがいつも夜中の一時近くになってしまうものですら」
「何時の事ですか ?」
 


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          takeziisan様

          有難う御座います
          御礼申し上げます
          新緑の写真、いいですね
          数年前の東北旅行を思い出しました
          東北には秋にも行った事がありますが
          相変わらずの美しい花々のお写真
          気持が慰められます
          鮮やかな色彩がお見事です

          





















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遺す言葉288 小説 日常の中の恐怖 他 至福の時

2020-04-05 13:06:03 | つぶやき
          至福の時(2020.3.20日作)


   今 わたしは 一日の終わり
   誰もわたしの傍にいない
   孤独な時間の中で
   就寝前のひと時
   ホイットマンに眼を通す
   「草の葉」
   最晩年の詩に 心を寄せる
   わたしの孤独の慰め 気持を
   奮い立たせてくれる
   ウォルト ホイットマン
   寄る年波 老いを嘆きつつも
   その老いに 打ちひしがれてはいない
   過ぎ去りし日々の追憶に
   心を奪われながらも 哀しみに
   溺れてはいない
   なお 昂然と頭(ず)を上げた気配が
   わたしを 鼓舞してくれる
   八十年を超える歳月
   その歳月を生きて来て 今
   ホイットマンの詩と同じ時を生きる わたしには
   その詩が直截 心に響き
   染みて来る
   ウォルト ホイットマン
   ホイットマンと同じように わたしは今
   老いを嘆いても その老いを哀しみ
   打ち砕かれてはいない 彼と同じように
   頭を上げて 生きる気概を
   失ってはいない
   幼い頃から その名に親しんだ
   ドイツの詩人 その詩人の抒情
   老いを嘆き 哀しむ詩より わたしは今
   ウォルト ホイットマン を 座右に置いて
   誰もいない 孤独な時間
   静かな時間の中で 最晩年の詩に 
   向き合う時 満ち足りた 
   心の安らぎ 安息に包まれる
   孤独なひと時 わたしに取っての
   至福の時間


          
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          日常の中の恐怖(1)


 九月のまだ残暑が厳しい、妙に蒸し暑い夜、島田昭二は背後に自分の足音以外の足音を聞いたように思った。午前一時に近い深夜の事だった。
 東京近郊の静かな住宅地に建つ家々は、大方が門灯を消して闇に包まれていた。
 島田昭二が振り返った背後にはバス通りを入ってほぼ、二百メートルの距離があった。五メートル程の道幅の両側には、百メートル間隔で交互に建っている街灯が目映いばかりの光りを路上に投げかけていた。
 " やっぱり、気のせいなのかなあ "
 島田昭二が振り返った背後に浮かび上がる人の影はなかった。
 いつもので事あった。
 それでも島田は納得し兼ねる思いだった。
 ここ一週間程、駅からの帰り道、なんとなく、誰かに尾行されているような気がしていてならなかった。
 確証がある訳ではなかった。気になる度に周囲を見廻してみても、思い当たるような人影を捉える事は出来なかった。
 " 或いは、残業続きの毎日で、神経が参ってしまっているんだろうか ? "
 自分に問い掛けてみたりもした。
 時には、その足音がしたと思った瞬間、不意に立ち止まり、相手の動きを探るような行動に出てみたりもした。
 それでも、その足音の真相を捉える事は出来なかった。
 気弱になった島田は妻の夏子に言った。
「この頃、家(うち)に何か変わった事はないか ?」
「変わった事 ?」 
 夏子は呆気に取られような顔できょとんとして聞き返した。
「うん」
 島田は重い気分のままて小さく言った。
「ないわ。なんで ?」
 夏子はやはり、何を言うのかというような顔で聞き返した。
「いや、このところ三、四日、なんとなく帰って来る途中の道で、誰かに尾行されているような気がしていてならないんだ」
 島田は浮かない顔のままで言った。
「尾行されている ? 尾行されているって、誰に ?」
 夏子は思い掛けない言葉に驚いたように言った。
「それが分かれば苦労はないさ」
 島田は投げ捨てるように言った。
「何か、尾行されなければならないような事をしたの ?」
 夏子は不安を募らせたように緊張した面持ちで、島田を責めるように言った。
「そんな事、するはずないだろう」
 島田も苛立って言った。
「それなら、尾行されるなんて、おかしいじゃないの ?」
「いや、尾行されているって、確証がある訳じゃないんだ。ただ、なんとんく、そんな気がするだけなんだけど」
「気のせいじゃないの ?」  
 夏子もようやく安心したように穏やかに言った。
「俺も、そう思うんだけど、なんとなく気になって」
 島田は煮え切らないまま言った。
「お仕事のし過ぎよ。疲れているんじゃないの。毎日毎日、午前様でゆっくり体を休める時間もないじゃない。神経が参っているのよ」
 夏子は非難とも、慰めとも付かない口調で言った。
 島田昭二、三十八歳。中堅貿易会社の財務担当課長だった。株式、為替を主に扱っている関係もあって、神経の休まる時がなかった。いかにリスクを抑え、会社の余剰資金を有利に運用するか、総ては彼が指揮を執る実行部隊の実力に係っていた。為替の動きの激しい時などには、会社に泊まり込む事も稀ではなかった。
 そんな激務だったが、島田はその仕事に充実感を覚えていた。辛いなどと思った事は一度もなかった。無論、対人関係も総てうまくいっていた。
 仕事以外でも、他人の恨みを買い、後ろ指を差されるような行為などした事は一度たりともなかった。
 三歳年下の夏子との間も至極、円満で、十二歳の息子、光一と十歳の娘、美雪がいる家庭は「幸福な家庭」そのものと言えた。六年程前に現在の場所に建売住宅を購入して、以来、地域の人達ともすっかり馴染んでいていて、人々の不評を買うような事もなかった。
 島田は妻の夏子に、なんとなく落ち着かない胸の内の不安を訴えたあと、楽観的とも言える妻の言葉に幾分かの心の慰めを見い出して、三、四日は落ち着いた気分で過ごしていた。その間は、確かに足音も聞こえて来ないように思った。
 ところが、それから何日か後の事だった。島田が午前一時に近い時間に帰宅すると、いつも寝ているはずの夏子がパジャマの上にガウンを羽織った姿のウソ寒い顔をして居間のソファーに座っていた。
「どうしたんだ、まだ、寝なかったのか ?」
 島田は怪訝な思いと共に、軽い非難を込めたような口調で言った。
「今日、美雪が誰か、知らない男の人に刺されそうになったの」
 夏子は怯えた表情で言った。



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             桂蓮(keiren)様


             コメント有難う御座います
             とても嬉しく 光栄に思います
             拙い文章ですが これからも
             お眼をお通し戴けますれば
             嬉しく存じます
             有難う御座いました
             (余談ですが桂蓮様はhasunohana1966様   
              でしょうか 桂蓮様をチェックしましたら
              行き着きました)

             takeziisan様

             いつも有難う御座います
             御礼 申し上げます
             相変わらず 楽しくお写真
             御文章を拝見させて戴いております
             シラユキケシ 始めて名前 花を眼に     
             しました それにしても 土いじりの出来る
             生活はお羨ましい限りです
             ロボット犬 笑いました


             hasunohana1966様

             数多くの御支援、有難う御座います
             アメリカにお住まいとの事 現在
             大変な状況なんではないでしょうか
             日本に於いても毎日 はらはらしながら
             ニュースを見ています
             御文章、大変 深い内容で感銘しました
             むろん 英文は分からないのですがーー
             これからもいろいろ御情報を戴けましたら
             嬉しく存じます
             有難う御座いました