遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(330) 小説 雪の降る街を(3) 他 過ぎ行く時 他 2篇

2021-01-31 12:02:27 | つぶやき
          過ぎ行く時(2021.1.11日作)

 永遠に過ぎ逝く時間 時ほど 
 残酷で 慈悲深い ものはない
 今現在の 溢れるばかりの幸せ 幸福も
 時の過ぎ逝く中では いつか
 消えてなくなり
 今現在の 耐え難い苦痛 哀しみも
 時は いつか 忘却の
 遠い彼方へと 運び去ってくれる
 時は すべてを奪い去り すべてを
 押し流し・・・・・
 過ぎ逝く時が
 運び去るものたちの 再び
 還り来る事はもう
 無い 


          子供の命

 一人の子供の命は 立派に一つの命
 他の誰のものでもない 子供自身のもの
 どんなに幼い命でも
 他者(親)のものではない


          命

 堅固でもろく 頑強 繊細
 磨けば光る 磨かなければ曇る
 煌めく命 枯れ行く命
 人の手の温もり 人の手の冷たさ が
 映し出す 命の輝き 命の衰え



          -----------------

          雪の降る街を(3)

 光男は駅まで十分の道を商店の軒先伝いに歩いた。たとえ、十円や二十円の小さな金額でも無駄な出費を惜しんだ。金銭的には豊かではなかった生活が身体の中に染み込んでいた。村では現金は宝物のように惜しんで扱った。都会の浪費の生活には馴れていなかった。それに高給取りであるはずもなく、靴の中がびっしょりと濡れて来るのも構わずに歩いた。歩いたお陰で身体の芯は温まった。
 駅に着くとそのまま切符売り場に向かい、改札口を抜け、ホームへ出た。
 ホームでは雪をはらんだ風が屋根の下にまで舞い込んで来て、電車を待つ間のうちにもたちまち身体が冷え込んだ。雪には馴れていたはずの光男だったし、それに村での雪は東京に降る雪の比ではなかったが、それでも光男は故郷での雪を冷たいと思った事は一度もなかった。人気の少ない駅のホームにぽつんと立って、次の電車を待つこの身に沁みるような寒さは故郷の雪の中にはない。故郷での雪には、降る雪の中にも暖かさがあった。人の息吹が感じられた。人の温もりが雪の冷たさを包んでいた。この心の中にじかに吹き付けて来るような寒さ、肌身が削り取られてゆくような寒さ、そこには人の心の温もりの一欠けらもない。
 電車が来た。
 人々が吐き出され、また、人が乗る。
 光男は今の時間にしては空いている車内の一つの座席に腰を降ろした。
 電車はやがてゆっくりと動き出す。
 光男はなんとなく車内に感じられる温もりと共にホッと、安堵の息を吐いた。   
 車内の明かりが冷え切った心も身体も温めてくれるような気がした。
 電車はやがて徐々に勢いを増し、不安定に揺れながら雪の中を走った。
 雪はそんな電車の車窓に一層、激しく降りかかった。既に暗さを増している外の景色と共に光男の顔がその雪の中に映し出される。
 また、電車が止まる。
 人々が乗り降りする。
 幾度か、そんな事の繰り返しの後にやがて、電車は池袋駅に到着した。光男も人々の後に従って電車を降りる。
 駅のホームは思いも掛けない人込みで溢れていた。みんなが雪の中で帰宅を急いでいるようだった。
 地下道を抜けて駅を出ると、タクシー乗り場やバスの乗り場などには乗車を待つ人々の行列が出来ていた。光男はその場に立ち止まったまま、そんな景色を見つめながら自分がどうするのかを少しの間、思い巡らした。普段なら、このまま街の中を歩いて行って、途中で夕食用のパンを買い、アパートへ帰るのだったが、今夜はなぜか、その心に迷いが生じた。なんとなく、暗く憂鬱な四畳半の冷たい部屋へ真っ直ぐ帰る気になれなかった。温もりのある灯りが欲しかった。待つ人もいない部屋の冷たさと孤独が光男の気持ちを萎えさせた。
 光男は気持ちを固めると再び雪に濡れるのも構わずに歩き出した。身体の濡れる寒さより、心の寒さの方に耐えられない気がした。
 街は光男に取っては、決して親しみ易いものではなかった。都内でも有数の繁華街は華やかなネオンサインで街を彩っていたが、普段の光男がそこに足を運ぶ事はなかった。心の中に故郷の素朴な山河を抱きつづけている光男にはその景色は、虚飾以外の何ものでもなく、興味を誘われるものでもなかった。彼の心には今でも、夜になれば漆黒の闇に包まれて、瞬く星の数々が上空を彩る故郷がそのまま至福の世界として生き続けていた。彼の心が還るのは何時もその世界であった。その世界以外に光男の望むものはなかった。
 雪は、光男が歩いて行く華やかなネオンサインの街にも降り続き、白く覆い始めていた。バー、キャバレー、クラブ等が点すネオンサインの明かりが雪の中に溶けていた。
 車が雪をはね除けながら通り過ぎた。
 華やかな女性の一団が一つの傘に身体を寄せ合い、はしゃぎながら往き過ぎる。
 バー、キャバレー、クラブ、喫茶店、等々が軒を並べる通りへ出た。
 その通りの名前を光男は知らなかったが、なんとなく、その華やかさに心魅かれるものを感じる。同時に、勝手知らない不安が心を過ぎる。
 光男は店員達の呼び込みなどが騒々しいその通りを迷いの心を抱いたまま、何時の間にか通り過ぎていた。気が付いた時には、ネオンサインの点滅も少ない一角に出ていて、同時に何故かその通りに出た事にホッとしながら、ここなら、自分でも入れる店がありそうな気がした。
 だが、それでもなお、この東京へ出て来てからの始めての行動に光男はためらいと怯えを覚えながら、何度もあっちの通り、こっちの通りと、迷う心のままにさ迷い歩いた。
 雪はその間にもなお、止み間も無く降り続き、着ているジャンパーや履いている靴を濡らした。
 寒さがいよいよ身体の芯にまで染み込んで来て、同時に馴れない都会の雪の中を歩き続けた疲労感にも囚われてようやく心を固めると、比較的落ち着いた雰囲気を醸し出している様子が外からも伺える一軒の、小奇麗な軽食喫茶の店を選んで足を踏み入れていた。


          三


「いらっしゃいませ」
 人目を避けるようにして店内の片隅の椅子に腰を降ろした光男に、光男と同じ年頃と思えるウエイトレスが声を掛けて来た。
 光男は差し出されたメニューの中から親子丼を注文した。
 歩き続けたせいか、空腹は極度に達していた。
「はい、親子丼ですね。少々、お待ち下さいませ」
 ウエイトレスはてきぱきと好感の持てる態度で言って去って行った。
 光男は煙草を吸うわけでもなく、ウエイトレスが置いていったコップの水に手を延ばす気にもなれずに、大きなガラス窓の向こうに見える街の通りに眼をやった。
 雪はなお、止み間もなく降り続き、積雪が増しているのが眼にも明らかだった。車の通りも、人の通りも少なくなっていた。
 何時まで、この雪は降り続くのだろう ?
 テーブルに片肘を付いて、そんな事を考えながら光男はぼんやりと大きなガラス窓の向こうに降る雪を見つめていた。



          ---------------


          桂蓮様

          ブックマーク 有難う御座います
          嬉しい反面 果たして 御期待通りのものが
          出来るのか心配でもあります
          ギックリ腰との事 無理をなさらず
          お大事にして下さい
          自分の身体の回復は 自分にしか出来ない
          いい言葉ですね ともすればやれ医者だ
          やれ薬だ と外の物に頼り勝ちですが 
          自分の努力なくしては 病気の回復も    
          望めません わたくしも以前 
          花粉症で眼や鼻が目も当てられない程に
          腫れ上がってしまった事がありました
          今はなんともありませんが わたくしの場合  
          指圧で治しました 指圧と言っても
          専門医に行ったわけではありません
          身体のツボの本がありましたので
          それを参考にしました 指圧では治りは
          即座にとはゆきませんが 治ると再発がなく
          今では全く問題ありません 指圧も身体のツボも
          古い治療法とバカにされそうですが
          案外 見下したものではないようです

          英語の勉強法 とても参考になりました
          日本の英語教育は文法ばかりで会話が駄目だ
          と言われているようですが そうですね 言葉なんて
          文法で喋るものではありませんものね
          わたくしは洋画が好きで よくアメリカの映画
          も観ますが 馴れて来ますと自然に言葉が
          耳に入って来て 訳文を見ながら 
          ああ こういう場合は こんな風に言うんだ
          などと 独りで納得しています それにしても  
          なんとなく アメリカの言葉の使い方は
          日本の言葉の使い方に対して
          単純な気がするのですが
          これは英語の出来ない人間の
          認識不足のせいてしょうか
          これからもいろいろ面白い記事 御期待しております
          有難う御座いました
          
 
 
 
 
 

遺す言葉(329) 小説 雪の降る街を(2) 他 雑感六題

2021-01-24 12:56:51 | つぶやき
          雑感六題(2020.12.10~25日作)

 1 掻き寄せる水は 手の中から
   向こうへ逃げてゆく
   押し出す水は 手の中から
   こちら側へ向かって 流れて来る
   落語にもある言葉
   我を張り 自己を押し通すよりも
   謙虚に 他者を思い遣る
   その時得られる水の量は
   我を張り 自己を押し通した時よりも
   はるかに多くの量を得られるだろう

 2 声の大きい者には注意(用心)しろ
   プロパガンダ(宣伝)である事が多い
   小さな声の呟きには耳を傾けよう
   真実は一人の人間の呟きの中に
   隠されている事が多い

 3 教養とは何か ?
   世の中の諸事全般を理解し
   咀嚼する力だ
   現代の世の中には 知識ばかりが豊富で
   教養のない人間がいかに多い事か

 4 対象物が同一である時 
   受容体が大きければ
   対象物は小さくなる
   受容体が小さければ
   対象物は大きくなる
   一年という年は
   大人のバケツには少なく感じられるが
   子供のバケツには多く感じられる

 5 志しのない人間に対しての無規制は
   凶器を与えるようなものだ
   志しとは良心だ
   良心とは
   人間を思う心だ
   人間あってのこの世界

 6 高い徳の人というのは
   周囲の人々と同じ条件に居ながら
   自分を省みず 周囲の人々を
   思い遣る事の出来る人を言うのだろう
   自分が裕福な環境に居て 
   人々の為に尽くす人は 多分
   善行の人と言うのだろう
   尤も どちらの人にも
   それぞれの気質が備わって居なければ
   出来るものではない



          ----------------


          雪の降る街を(2)

 かつては春に採れたこの地方名産の筍も、秋のナメコも、半分以上も採れなくなった。広く知れ渡ったかつての穴場には、季節の折々に余所者達が殺到するようになった。地元優先も何も観光事業の下では空しいお題目にしか過ぎなかった。
 かつてあった季節ごとの喜び、秋のナメコの収穫で得た現金で寒い冬を過ごした人々は、春の木々の芽吹きを待ちわび、その訪れと共に顔を出す筍を求めて競うように竹林へ入って行った。今日は背負いかご一杯、次の日には二杯を目指して、と収穫に励んだ。山は豊かな宝の山だった。それゆえに地元民の誰もが山を、わが家の庭のように慈しみ、大切にした。根こそぎ、収穫物を取り尽してしまうような愚行は誰もが慎んだ。
 そんな彼等は懸命に働いた後の、汗に汚れた顔や体を傍を流れる渓流の清らかな水で拭いながら、一日の収穫を自慢し合った。
 その夜の夕食は事のほか楽しいものとなった。光男の父なども地酒に顔を赤らめながら、誰がどうした、彼がどうだった、などと機嫌よく話して飽きなかった。母は母で、採れたてのその日の収穫物で自慢の料理を振舞った。そして翌日には、父か母かのどちらかが、昨日の収穫物を携えての行商に向かった。
 そんな時、五歳か、六歳にしか過ぎなかった光男もまた、付いて行った。小高い山を越えての一日がかりの行程だったが苦にならなかった。父や母と一緒に居られる事が嬉しかった上に、自分がそうする事で、しっかりとこの地の大地に根を下ろし、生きているような感覚を無意識の裡に感じ取っていた。そして更に、筍や山菜の季節が終わるとヤマメやイワナの解禁だった。
 光男は小学生の頃から渓流へ入るようになっていた。その小学校を終わる頃には、いっぱしのイワナやヤマメ捕りだった。彼の稼ぎが家計を潤すようにもなっていた。
 山間の小さな村には小学校の分校だけで、中学校はなかった。小学校卒業と共に光男もまた、町にある学校に通わなければならなくなった。そしてこの頃になると、村の中にも不穏な噂話しが聞こえるようになって来た。中学を卒業する頃になってそれは最早、噂話しではなく、現実のものとなっていた。この地を愛し、慈しんで来た父も光男にこの地を出る事を勧めなければならない現実が訪れていた。
 無論、光男の心の内に生まれた葛藤は数知れなかった。自分が不幸な時代に生まれた事への嘆きと共に、未知の土地への不安が光男の心を脅かした。自分の家の何代にも渡って受け継がれて来たこの地に生きる血が、素直に外部の環境を受け入れられるだろうか ? この村そのものが光男には光男自身であった。この村の総てが光男の心も体をも形成していた。この村が無くては生きてゆけない。そんな感覚が幼い頃から既にしっかり根付いてしまっていた。この村を出る事は光男自身の崩壊であった。
 村では誰もが必死に奔走した。少しでもこの村が今までのままの自然豊かな村として生き残れるように。村人達の誰に取ってもこの村は村人達自身であった。
 しかし、現実は容赦なく進んでいた。そして、遂には村人達の誰もが諦めの中に達観しなければならない状況が現実の推移と共に訪れていた。
 光男もまた、迫り来る中学卒業の時期と共に、決断をしなければならない状況に追い込まれていた。教師は就職への斡旋のため、光男の気持ちを急かした。自然の中で自然に寄り添い、慎ましく生きて来た一家に光男を高校へ進学させるための余裕もなかった。村の生活は総てが自然と共に、自然に寄り添って生きてゆく、その前提のうちに成り立っていた。
 光男が就職した時、工場では新入り工員は光男一人だった。最初光男は工場主の家に住み込みとなった。一年が過ぎてから、その家を出た。不義理をした訳ではなかった。ただ、彼に取っては予想通り、他人の家への住み込み生活は快適なものとは言い難かった。自然の中でのびのび、自由気ままに生きて来た身には人との係わり合いの総てが息苦しく、息が詰まりそうだった。その上、日々の生活の中で心を潤してくれるものは何もなかった。彼に取っては.故郷のあの山や渓流が心を満たしてくれる総てだった。彼は自ずと脱け殻のような自分を意識するのと共に、無口で陰気な少年になっていた。
 工場主の家を出る時、光男は、
「池袋に親戚の人が引っ越して来て、一緒に住まないかって言うんで」
 と、言い訳がましく言った。
 だが、工場主の大学一年と高校二年の娘のいる家庭ではむしろホッとしたように、
「出て行ってくれて良かったわ。人間は悪くはないけど、陰気臭くて、こっちまで気持ちが滅入ってしまうわ」
 と、言い合っていた。
 光男は住居を変えてからも、工場へは遅刻する事もなく、無断欠勤をする事もなく、きちんと通い続けた。四畳半一間の部屋には家財道具と言えるものもなくて、寝具や食事の道具だけが眼に付く程度だった。話し相手がいる訳でもなかった。只、誰に干渉される事も無い一人だけの生活は、これまでの生活よりも幾分、光男の気持ちを和らげてくれた。


          二


 更衣室の鍵を掛けて外へ出ると、途端に雪が絡まり付いて来た。光男は慌ててジャンパーの襟を立て、首を埋め、ポケットに手を入れてうつむきながら歩き出した。
 朝方は雨の気配も無かった。それだけに傘の用意もしていなかった。
 裸電球が照らす工場内の庭を足早に抜け、通りへ出た。薄暮が急速に夕闇に変わり、街の灯が輝いた。
 雪は白く辺りを染めて、切れ間もなく降り続いていた。
 その雪の乱舞する夕闇の中を明かりを点したバスが行く。タクシーが続く。
 勤め帰りの人。買い物帰りの人。商品の数々を照らし出す店店の灯り。街は夕闇の中でも活気に溢れていた。



        ----------------



        桂蓮様

        有難う御座います
        いろいろブログ 拝見させて戴きました
        世の中には 変わった人もいます
        でも 他人を中傷して平気でいる人間には
        困りものです 結構 そういう人間は
        多いものですが 
        トランプ氏などはその最たるものではないでしょうか
        実際のところ トランプ大統領という声を
        聞かなくなってホットしています
        自分の国の事ではないのですが アメリカと言えば
        痩せても枯れても他国に与える影響の 
        多い国です そこの大統領の非常識には
        世界中が振り回されます 
        でも それが終わり 一安心という思いです
        後はバイデン氏がどの程度 頑張ってくれます事やら
        期待半分 不安半分で見守ってゆきます
        一月十八日のブログ 拝見致しました
        いいですね 桂蓮様のお気持ちが
        直に分かります
        これからのブログ 御期待しております
        有難う御座いました



        takeziisan様

        有難う御座います

       「夜霧のしのび逢い」
        懐かしいですね 映画 観ました
        今 もう一度観てみたいと思っていますが 
        なかなか映していないようです
        何故か 主人公の雨に濡れて男と別れる時の
        シーンだけが鮮明に焼き付いてます
        曲は「ジャニ ギター」と共に最も好きな曲の
        一つです
        スイス旅行の思い出 羨ましい限りです
        雑木林の公園 いい環境ですね
        雑木林の道というと なぜか
        深い郷愁に誘われます お写真
        堪能しました
        中学生時代の日記 貴重ですね
        わたくしには有りません 
        とびとびに付けた記憶はありますが
        残ってはいません
       「若者よ」 この曲 知りませんでした
        歌声喫茶の流行った時代 しきりに  
        新宿辺りを闊歩していたのですが
        歌声喫茶なんて と軽蔑していて
        入った事がありませんので知る機会が
        無かったのか知れません
        それにしてもブログの記事 いろいろ
        昔を思い出させてくれます
        有難う御座います
        これからも楽しみにしております
         
       
       
 
  

 
 



   
   
   
   
   

遺す言葉(328) 小説 雪の降る街を  他 神 未来

2021-01-17 13:21:46 | つぶやき
          神(2021.1.12日作)

 どんなに辛い事でも
 どんなに苦しい時でも
 神仏は助けてくれない
 人事を尽くして 天命を待つ
 その時 その場で 自身に出来る事
 今 この場で 自分に何が出来るか
 思いを巡らす そこからのみ しか
 苦境 苦悩の渦からの脱却は 出来ない
 神も 仏も ただ 自身の内で育むもの
 神や 仏は 万能ではない
 神や 仏に 力はない
 自身を支える力として のみ 神も仏も
 自身の胸の内で育むもの

         未来

 未来など 考える必要はない
 只今 現在 今のみを考える
 人が人として生きるには 今現在
 自分に何が必要なのか ?
 何を為すべきか ?
 何をしたいのか ?
 最高 最善の道を考え 選択する
 未来はその時 始めて 見えて来る
 今を 精一杯 生きる 生き切る
 そこから浮かび上がって 見えて来るものが
 自分にとっての 最善の未来
 今を生きる 生き切る
 失敗を恐れるな 人は
 生きている限り やり直す事が出来る
 たった一つの命 命を大切に !
 失敗を恐れるな


          ----------------



          雪の降る街を(1)

 午後一時過ぎに降り出した雪は、止み間もなく降り続いた。五時半の終業ベルが鳴る頃には、ひっきりなしに車の往き交う路上にも積雪が見られた。
「こりゃあ、うっかりすると、電車もバスも止まってしまうぞ」
 誰かが言った。
 工員八人の小さな下町の工場だった。鉄錆と油に汚れたつなぎ服の男達は仕事を切り上げ、早々に道具を片付けにかかった。
 光男は彼等の後から、ハンマーやノコギリなどの小道具を片付けて歩いた。
 溶接用のガスの炎が消えた工場内は、急に冷え冷えとした冷気が漲るに思えた。
「ヤマ、いいか。きちんと後始末をしておけよ」
 一人が言った。
「寒い、寒い。早く家へ帰って炬燵にでも入って一杯やろう」
「こりぁ、今夜一晩中降るな」
「明日は大雪だ」
 先輩の行員達は、それぞれに口にしながら工場を出て、裏手の更衣室へ向かった。
 光男は一人残されると整理の後を再点検してから、表側の重い鎧戸を引き降ろした。
 幾つかの裸電球が人気の無い工場内をうそ寒く浮かび上がらせた。
 その明かりを消すと光男は小さな出入り口から外へ出て更衣室へ行った。
 先輩の行員達はみな、帰った後だった。光男はだぶだぶの汚れたつなぎ服を脱いで着替えた。暖房も無い更衣室の中で歯がカチカチふるえて鳴った。

 光男がこの工場へ来て三年半が過ぎた。光男のあとに入って来る工員はいなかった。先輩の工員達は皆、中年過ぎの所帯持ちばかりだった。光男の親しく話しの出来る相手はいなかった。その上、福島県の山里で育った光男には都会の物馴れた若者達と違って、如才の無さという点からも大人の工員達に受け入れて貰えない面があった。自ずと口をついて出る方言を恥じて口が重く、引っ込み思案の光男を称して何時しか皆は光男を「ヤマザル」と渾名するようになっていた。
「あの野郎は俺達に不満があんのか、ろくな返事もしねえし、嫌々仕事をしているみてえで、まったく可愛げのねえ野郎だよ」
 先輩工員達は言ったが、光男には先輩工員達への不満がある訳でも、仕事が嫌な訳でもなかった。ただ彼は自身の裡に拭い難く、消し去り難い心のしシコリのようなものを抱え込んでいた。彼には、日々、この都会で生きている自分が自分ではないように思えてならなかったのだ。足が地に着かない生活。彼の本当の生活はこんな所にはなかった。本当の自分はもっと活発で、誰に気兼ねをする事もなく、自由にのびのびと動き廻り、朗らかに笑い、声高に方言を喋って、周囲の誰とでも打ち解ける事の出来る人間だった。
 だが、今この都会で生きる光男には、そんな光男は望むべくもなかった。ただ脱け殻のような自分を感じるばかりだった。
 光男が都会へ出て来た三年と少し前、中学生の彼は高校への進学は諦めていたものの、地元に残ってそこでの生活を夢見ていた。高校への進学をしない事への拘りはなかった。当時はまだ、誰もが高校進学を選ぶという時代でもなかった。まして、山深い里の事、地元の習慣に従い、地元なりの生活をしてゆく事への迷いはなかった。それで人々は心豊かに暮らしていた。
 父母は現在でも、裏磐梯の山村に光男と四歳違いの妹、六歳違いの弟の四人で暮らしている。戸数三十個に満たない小さな山里で、町へ出るのにも一日係りで、農地も少なく、村人達は山菜や山間を流れる渓流で採れる川魚などで生計を立てていた。光男も十歳の頃まではそこを離れる事など考えてもみなかった。そこでの生活が光男は好きだった。幼い頃から父母に連れられて、山へ入っての山菜取り、渓流でのヤマメやイワナ捕り、光男という人間、人格がそこで形成されていた。
 光男は村を離れなければならないと知った時、足場を取り払われたように感じた。しっかりと足を着ける場所がなくなった。
 中学卒業と共に東京へ出る事が決まった時、光男は、自分が不幸な時代に生まれたと恨めしかった。父の生きた時代や、祖父母の生きた時代を羨ましく思った。光男に取ってはそんな時代が至福に満ちた時のように思えた。だが、もうそんな時代は望むべくもない。
「仕方がねえ。これが時代ってもんだ」
 父は諦めたように言った。
 光男を育んで来た渓流の上流には、国民休暇村建設という名の下に急速に開発が進んでいた。年々、渓流には魚が住まなくなった。まず川エビが姿を消した。すると清流の中に濁った水が混じるようになった。眼に見えてイワナが捕れなくなった。更に、国民休暇村に人々が来るようになると、山々が荒らされた。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどが、山菜の宝庫、穴場、豊かなレジャーの場として報道した。農地の少ない山里の住民に取っての収入源だった自然が瞬く間に荒らされ、失われた。国有林という名の村人達に取っての生活の場がなくなった。
「今までみてえな生活なんてものは、出来ねえ」
 父は力なく言った。
 役場では村人達の困窮の声を聞いても、国有林である以上はどうにも出来ない、と言った。
 村には他に変わる収入源は何一つなかった。観光資源も持たなかった。若者達は義務教育が終わると、村を出て行く以外に自分達の生きる道はなかった。
「俺、それでもやっぱり、ここに居た方がいい」
 光男が言った時、父は、
「だけどおめえ、今のような状態ではどうやって生活していくんだ。先が思い遣られるだけだ」
 と言った。



          ------------------



          takeziisan様

          コメント 有難う御座います
          拙作にも係わらず正確にお読み取り  
          下さいまして 御礼申し上げます
          自ら望んだ死ではないにしてもそこには
          自分と同じ境遇ーー誰にも頼る事の出来ない
          心細さを抱いた主人公の心の傷がそのまま
          川の中の子猫の孤独に同化して
          死の恐怖をも超越し
          無謀な行動に走らせたのだと思います
          深くお読み取り下さった事に感謝致します
           今回も様々なお写真 楽しく拝見させて戴きました
          それにしてもまめによくお撮りになります
          ドント焼き懐かしいですね わたくしの田舎の方でも
          大晦日などには近所の人達が藁などを持ち寄って
          天神様の境内などで行っていました
          冬枯れの景色のお写真 野菜も可哀想ですね
          中学生時代の日記 貴重な資料です
          どうぞ一つに纏めるなどして 保管して下さい
          それにしても字がお上手です わたくしの中学時代の 
          文字など読めたものではありません 父も兄も
          上手なのですが
           わたくしも中学生時代に書いた文章などを
          幾つか持っています 追い追いここに書き留めて
          置きたいとは前から思ってはいるのですが
           烏瓜の種 始めて知りました 驚いています
          T子様の事 辛い思い出ですね T子様の心の内を  
          思いますと胸が痛くなります もっと生きたかった
          だろうに・・・・幸い わたくしの兄妹は六人
          なのですが 今のところみんな元気でいます
           思い掛けない出会いとはよくあるものですね  
          楽しく拝見させて戴きました
          これからのブログ楽しみにしております
          と申しましても どうぞご無理のないように
           有難う御座いました

          -----------------


          桂蓮様

          何時もコメント有難う御座います
          詩と言えるかどうかも分からない代物を
          お読み下さる事に心より御礼申し上げます
          有難う御座います
          今回の桂蓮様のブログ 英文でお手上げです
          追記は読ませて戴きました
          世の中 道理の分からない人間が多くて
          困ったものです トランプ氏 まさに
          その代表のような人間です 他国の事ながら
          この人間が再び 大統領の椅子を
          目指す事の出来ないよう 祈る気持ちで
          一杯です 桂蓮様 どうぞブログなどで
          大いに啓発して下さい
          小津映画 如何ですか そう言えば
          思い出すのですがアメリカの作家 ヘミングウェイ
          の短編も小津映画に近い要素を持っています
          ノーベル文学賞の対象になった「老人と海」   
          などもそうですが 「白い象のような山」
          「雨の中の猫」など 様々な短編も極 ありふれた
          日常的会話から成り立っています それでいて
          ヘミングウェイは長編より短編の方が
          評価されています
          人様々 好みも違って当然 でも その違いを  
          受け入れ 自分の糧とする事も大事な事だと
          思っています
          貴重なご意見 有難う御座います
 
          
     
          
          
          
 
 
 
 
 
 


!遺す言葉(327) 小説 川の流れの中の子猫(完) 他 歌謡詞2篇

2021-01-10 13:01:21 | つぶやき
          希望の明日(2021.1.6日作)


   悲しみの 涙なら
   昨日で さよなら
   今日は今日 昨日じゃないさ
   明日に続く 一日なのさ
   この頬に 流れる涙
   つらくて流す 涙じゃないさ
   明日へと 顔を 真っ直ぐ向けて
   青空仰ぐ 希望の涙

   この肩に 人生の
   荷物は 重いけど
   今日は今日 重荷に耐える
   いつもに続く 苦しみじゃない
   逞しく 生きてく時に
   ほほ笑むだろう 幸せだって
   喜びに 頬を 真っ赤に染めて
   見詰める未来 希望の明日


          
          愛があるから(2021.1.7日作)

   
   愛があるから 幸せなのです
   見つめ合うから 幸せなのです
   いつもいつも あなたと一緒に
   朝の光りを あなたと一緒に
   ちっちゃなオレンジ あなたと一緒に
   いつも二人で 分け合う喜び
   ああ今 生きている この素晴らしさ

   愛があるから 楽しいのです
   信じているから 嬉しいのです
   いつもいつも あなたと共に
   暗い夜道も あなたと共に
   しょっぱい涙も あなたと共に
   いつも二人で 越えてく喜び
   ああ今 生きている この素晴らしさ



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         川の流れの中の子猫(完)

「うん、なんだろう ? あれ・・・猫じゃない ?」
 京子は言った。
「猫 ? ・・・・・」
 黒い小さな生き物は、わずかに水の上に突き出た岩状の石の上で右往左往していた。
 京子も春江もだが、遠目には、はっきりと確認出来なかった。二人は注意を凝らしたまま歩いて行った。やがて、水の流れの激しい水音の中に、か細い、紛れもない猫の鳴き声が聞こえて来た。
「ほら ! やっぱり猫よ」
 京子は春江を振り返り、少し興奮した面持ちで言った。
「ほんとだね。ちっちゃな子猫だね」
 春江も言った。
 子猫はすでに全身、びしょ濡れになっていて、いかにも哀れっぽい声を上げてまるで二人に助けを求めるかのように小さく鳴き続けていた。その体が寒さのためか、小刻みに震えているのが遠目にも分かった。
「どうやって、あんな所に行ったのかしら ?」
 京子は子猫を見つめたまま言った。
「捨て猫かも知れないね」
 春江が言った。
 子猫はしきりに首を伸ばしては水の面を探って、脱出の道を見つけ出そうとしているらしかったが、鼻面の先を激しく流れる水の勢いに驚いたようにすぐに顔を引っ込めてしまった。
「そうだね、きっと」
 京子も言った。
 まだ手の中に収まってしまいそうな程に小さな子猫は、一たび大きな流れが来ればたちまち水の中に引き込まれてしまいそうで、頼り無く、京子は見ているだけけで気が気ではなかった。
 春江も成す術がないかのように、京子の傍らで息を詰めたように見守っているだけだった。
 水の流れはなお治まる気配がなく、時には子猫の足元を濡らして、岩の表面を被いながら流れて行った。それを見ていた京子はふと、何を思ったのか、突然、
「春ちゃん、これ、持ってて」
 と言いながら、自分の持ち物の鞄を春江に突き出した。
「えっ、どうするの ?」
 春江は京子の必死な様子に驚いて、差し出された鞄を手にしながら問い返した。
「あの子猫、助けて来る」
 子猫に視線を向けたまま京子は強い口調で言った。
「助けて来る ?」
 春江は呆気に取られたように言った。
「うん」
 京子は言った。
「どうやって ?」
 春江は理解し兼ねるように言った。
「川の中に入って」
 京子は言った。そう言いながら京子は子猫に視線を向けたまま早くも、靴と靴下を脱ぎ始めていた。
「駄目だよ、そんな事をしたら危ないよ。流れがあんなに速いんだから、無理よ」
 春江は強い口調で押し留めた。
「大丈夫よ。あの辺はまだ浅いと思うから、歩いて行けるわよ」
 京子は既に堤防を降り始めていた。
「危ないから、やめた方がいいわよ」
 春江は京子の背中に言った。
「大丈夫よ。ほら、そんなに深くないから」
 早くも堤防を降りてスカートをたくし上げながら、葦の繁茂する水辺に入っていた京子は楽観的な声で答えた。

 京子自身、危険を感じていない訳ではなかった。流れは速く、その水かさも普段、見慣れた川の姿とは異様に異なる姿を見せていた。少しでも気を緩めれば、白い波立ちを見せて渦巻く流れに、たちまち足を取られてしまいそうな恐怖を感じていた。にも係わらず、その時京子は、なぜか、そのまま子猫を川の流れの中に放って置く事が出来なかった。小さな岩の上で右往左往する子猫の姿が何故か、京子自身の姿に重なって来て京子は、何かに対する激しい怒りにも似た気持ちに囚われながら、更に流れの激しい中へと足を踏み入れていた。
 子猫は小さな岩の上で京子が近付いて行くのを見ると、動物ながらに何かを悟ったかのように、甘えるような声を上げて小さく鳴いた。
「よしよし、今、助けてあげるからね。待っていなさい」
 京子は子猫に声を掛けると、足元を探りながら少しずつ近付いて行った。
 葦の生い茂る川床は泥化した状態で足がその中にめり込んだ。それでも歩く事は出来た。
 だが、足先で探る川底はやがて、子猫のいる小さな岩の近くに来ると、急に深さを増している気配が感じ取れた。子猫との距離はその間、手を伸ばせば届く程の近さになっていた。流れの激しさに気を配りながら手を伸ばせば、どうにか、子猫を助ける事が出来るかも知れない。京子は手を伸ばしながら子猫に声を掛けた。
「ほらほら、いらっしゃい。早くいらっしゃい。助けてあげるから」
 だが、子猫はいざとなると、手を差し延べる京子を恐れるかのように岩の上で尻込みをしていた。子猫がこちらへ寄って来れば手が届くはずだと思っても子猫は、容易には近付いて来なかった。
「何をやっているのよ。助けてあげるって言うのに」
 京子は子猫に語り掛けた。
「大丈夫、届く?」
 堤防の上で京子の鞄を持ったまま見詰めていた春江が言った。
「うん、もう少しだけど、近寄って来ないのよ。こっちへ来れば手が届くんだけど」
 京子は言った。
 片手で押さえてたくし上げていたスカートが濡れそうになり、慌てて両手を使ってさらに下着が見える程までにたくし上げた。それから再び、子猫に手を差し延べながら、
「こっちへいらっしゃい。怖がる事はないのよ。助けてあげるんだから」
 と静かに声を掛けた。
 子猫はそれでようやく、危険のない事を感じ取ったらしく、鼻を寄せるようにして京子の手に近付いて来た。
「ほらほら、いらっしゃい。そう、もっと近く」
 と言った時、子猫は京子の手の匂いを嗅ぐかのように顔を寄せて来た。
 咄嗟に京子はその子猫の喉元を手の先で掴み取った。
 子猫は京子の手の中で一瞬、暴れたが京子が胸に抱えると静かになった。
「ああ、よかった。やっと助かったわね」
 京子は安堵の声と共に言って、さらに強く子猫を抱き締めた。
「捕まえられた ?」
 春江が声を掛けて来た。
「うん。大丈夫。もう、大丈夫」
 京子はそう言って春江の方を振り返ろうとしたその時、足元の泥が崩れて京子は滑っていた。と同時に激しい流れが京子を巻き込んでその体を翻弄していた。
 京子は激しい流れの中で必死に態勢を整えようとしたが、流れは更に京子の体を巻き込んでいた。堤防の上に居た春江にはその時、何も出来なかった。
「京子 ! 京子 !」 
 懸命に叫びながら春江が堤防を駆け下りて来た時には京子は、葦の途絶えた流れの中を下流へと流されていた。春江はそれでも必死に追い掛け、流れの中に飛び込み、追い掛けたが、既に手の届く距離ではなかった。
 
 溺死した京子の遺体が発見されたのは、それから八日後だった。
 京子は激流の治まった川の浅瀬の葦の茂みの中に、しっかりと子猫を胸に抱き締めたままで浮かんでいた。
 春江はその時、運よく、自転車で通りかかった釣り人によって、溺れかけたところを助けられていた。


              完


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         桂蓮様

         今年もどうぞ 宜しくお願い致します
         何時も御丁寧なコメント有難う御座います
         わたくしも桂蓮様とお知り合いになれました事を
         とても嬉しく 貴重に思っています
         これからも宜しくお願い致します
         わたくしの書くものの会話が甘いとの事
         そうです 甘いかも知れません
         なるべく日常を離れないもの 日常生活の中の
         人の生きる世界での細やかな心の動きを写し取って
         そこに 人生の真実を見詰めてみたい
         と思っていますので 会話も平凡
         日常的なものになり勝ちです
         日本の小説で言えば志賀直哉や芥川龍之介の後期の
         短編などを目指していますので どうしても波乱万丈
         変化には乏しいものになるかも知れません
         また たとえば日本映画の世界では
         小津安二郎 黒澤明 この二人にたとえると分かり易い
         かも知れません
         小津映画はさり気ない日常会話や日々の生活の中に
         人間の真実を見詰め 描き出していて
         世界に冠たる地位を占めています
         一方 黒澤映画は豪快無比 波乱万丈の激しい世界を
         描いてこれもまた 世界に冠たる地位を占めています
         桂蓮様の御指摘は黒澤映画に近い世界をという事と   
         お受け取り致します
         わたくしの目指しているものはむしろ小津映画に近い
         世界ですので あるいは退屈にお感じになられるのかも
         知れません そして わたくしには 波乱万丈の世界は
         ちょっと無理かも知れません
         小津監督も「豆腐屋は豆腐しかつくれない」
         と言っています
         肉汁の滴るステーキは豆腐屋には無理だという事ですね
         貴重な御指摘 有難う御座います
         わたくしも何時かは悪に染まった人間の心の内を
         書いてみたいとは思っております
        
         御主人様との仲お睦まじい御様子 
         すっかり当てられましたが 何よりも人の
         御幸福な様子を拝見するのは嬉しいものです
         トランプ 相変わらず 開いた口が塞がりません
         アメリカの民主主義は何処へ行ってしまったのでしょう
         最悪の大統領です
         この大統領は大統領という職種をテレビの司会と
         同じようにしか見ていないかのようです
         箸にも棒にも掛かりません
         弾劾される事を願っています
         有難う御座いました 


         takeziisan様

         昨年中はいろいろ御気にお掛け戴き
         有難う御座いました
         今年も宜しくお願い致します
         とは申しましても 御気に召す物が
         出来ますかどうか心許無い状態なのですが
         ブログ 拝見させて戴きました
         餅つき器 わが家でも もう 何十年も使っています
         正月一度きりの使用なので長持ちがするようです
         七福神巡り まあよくお出掛けになりますね
         わたくしは近所の神社にも参った事がありません
         家族や兄妹は正月に集まるとお参りにゆくのですが
         わたくしにはどうしても「神」という存在が  
         信じられないのです
         もし 神が居たら このコロナ災厄を黙って   
         見過ごしているでしょうか  そんな気がするのです
         あるいはこのコロナ災厄は神の人間社会に対する
         何かの罰 戒めでもあるのでしょうか
         まあ 理屈を並べましたが 世間の皆様のお心に沿って
         神が今年こそは この世界に幸福と平和を
         もたらしてくれる事を願わずにはいられません
         相変わらずの美しいお写真の数々 慰められます
         スイス旅行 良い思い出ですね 映像などでは
         よく眼にしていますが 現実の空気の感覚  
         これは全く知る事が出来ません その意味でも
         お羨ましく思います
         川柳 相変わらず笑えます
         ちょっぴりした皮肉 俳句には無い良さですね
         これからもお待ちしております
         スキーの思い出 九十九里浜の海の思い出とは
         好対照ですが お気持ちはよく分かります
         しかし われわれの年代になりますと
         総ては夢の中の世界の出来事のような感覚に  
         なりますね 現実はただ 迫り来る
         終末への不安に彩られた世界 日々ですので 
         どうぞ 今年も良いお写真 川柳 その他
         野菜の収穫記事など 御豊富なブログをお見せ
         下さいますようお願い致します
         何時も有難う御座います