水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

スビン・オフ小説 あんたはすごい! (第二百四十五回)

2011年02月26日 00時00分00秒 | #小説
 あんたはすごい!    水本爽涼
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
    
第ニ百四十五
すると、私の念は、ものの見事に通じたようで、しばらくすると、お告げが舞い降りた。
『はい! お呼びになりましたか? 今、大玉様の方へ一週間分の報告を終えたところです』
「そんなことを、されておられるんですか?」
『ええ、これでどうしてどうして、霊界も結構、忙(いそが)しいんですよ』
「どうも…。そんなこととは知らず、お呼びだて、してしまいました」
『いいえ、忙しかろうと暇(ひま)だろうと、呼ばれればそれに応じるのが私の役目ですからね。それで、どういったお伺(うかが)いでしょう?』
「はい、そのことなんですが、今夜、私の先輩から電話があったんですが、実は…」
『ああ、そのことでしたか。大玉様のご指示がありまして、私が霊力を使ったのです。小菅(こすが)さんが、ふたたび総理になられるように…』
「そのようなことが出来るんですか?」
『ええ、もちろんです。いつぞやも申しましたが、私に出来ないことは何もありません』
「それは、すごい!」
『ははは…、すごいのは塩山さん、あなたです。霊力を出すのは私達ですが、世の中を動かすのは塩山さん、あなたなんですよ』
「いやあ…私はそんな器(うつわ)じゃないと思うんですが…」
 偉く買い被(かぶ)られたもんだ…と、私は思った。

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