水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疑問ユーモア短編集 (42)分からない

2020年02月15日 00時00分00秒 | #小説

 内容が理解できず、分からない方が理解できるより理に適(かな)っているのだから、世の中とは奇なるもの・・と言えるだろう。^^
 とある小学校六年の授業風景である。クラスの生徒達は教師の内平(うちひら)から与えられた算数の問題を熱心に解いている。
「どうだっ! そろそろ15分になるなっ! もう、いいだろう! 分かった者、手を上げろっ!」
 一人の生徒がサッ! と片手を上げた。
「おっ! さすがはクラス委員の堂元(どうもと)! 早いなっ! 答えはっ!?」
「分かりませんっ!」
 指名された堂元は素早く椅子から立つと大声で言った。その途端、クラス内は爆笑の渦(うず)に巻き込まれた。
「ははは…馬鹿野郎っ! 分からんなら手を上げるなっ!」
 内平は怒るでなく笑顔で言った。
「先生、答えは分かってるんです。分かってるんですが、どうしてこの問題が社会で役に立つのか? が疑問で、分からないんです」
 堂元はシンミリとした小声で訴えるように言った。それを聞いたクラスの生徒達は、ふたたび爆笑の渦を起こした。
「そんなこたぁ~お前が心配するこっちゃないっ! ははは…。だが、そういや、そうだなっ! まあ、頭のトレーニング程度の考えでいいんじゃないか。先生にも社会で役に立つかどうかは分からん! ははは…」
 内平の言葉に、クラス内は三度(みたび)、爆笑の渦に包まれた。
「で、答えは?」
「家(うち)の猫が三匹、おとなりの犬が二匹です」
「おお! 正解だなっ! やはりクラス委員だけのことはある。この問題が社会で役に立つかどうかは宿題にしておくっ! 先生も考えておこう!」
 チャイムが鳴り、算数の授業は賑(にぎ)やかに終わった。
 世の中には疑問で分からないことが繰り返されているのである。私にはどうして増大する財政赤字の我が国の現状で、当初予算額が膨(ふく)らむのか? が、分からない。^^
内容が理解できず、分からない方が理解できるより理に適(かな)っているのだから、世の中とは奇なるもの・・と言えるだろう。^^
 とある小学校六年の授業風景である。クラスの生徒達は教師の内平(うちひら)から与えられた算数の問題を熱心に解いている。
「どうだっ! そろそろ15分になるなっ! もう、いいだろう! 分かった者、手を上げろっ!」
 一人の生徒がサッ! と片手を上げた。
「おっ! さすがはクラス委員の堂元(どうもと)! 早いなっ! 答えはっ!?」
「分かりませんっ!」
 指名された堂元は素早く椅子から立つと大声で言った。その途端、クラス内は爆笑の渦(うず)に巻き込まれた。
「ははは…馬鹿野郎っ! 分からんなら手を上げるなっ!」
 内平は怒るでなく笑顔で言った。
「先生、答えは分かってるんです。分かってるんですが、どうしてこの問題が社会で役に立つのか? が疑問で、分からないんです」
 堂元はシンミリとした小声で訴えるように言った。それを聞いたクラスの生徒達は、ふたたび爆笑の渦を起こした。
「そんなこたぁ~お前が心配するこっちゃないっ! ははは…。だが、そういや、そうだなっ! まあ、頭のトレーニング程度の考えでいいんじゃないか。先生にも社会で役に立つかどうかは分からん! ははは…」
 内平の言葉に、クラス内は三度(みたび)、爆笑の渦に包まれた。
「で、答えは?」
「家(うち)の猫が三匹、おとなりの犬が二匹です」
「おお! 正解だなっ! やはりクラス委員だけのことはある。この問題が社会で役に立つかどうかは宿題にしておくっ! 先生も考えておこう!」
 チャイムが鳴り、算数の授業は賑(にぎ)やかに終わった。
 世の中には疑問で分からないことが繰り返されているのである。私にはどうして増大する財政赤字の我が国の現状で、当初予算額が膨(ふく)らむのか? が、分からない。^^

                                


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