水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

甘辛(あまから)ユーモア短編集 (75)健康

2021年08月03日 00時00分00秒 | #小説

 健康は心身ともに維持されてこそ成立する。心身どちらの場合も、疲れて不健康になる前に回復させる必要があり、そのままにしておけば、やがては治療を必要とする病気となる。その判断は本人以外、他人には分からない。『顔色が悪いよ。診てもらった方がいいんじゃないか?』などと、大よそは他人にも分かるが、その原因が失恋によるものとは本人以外、知る由(よし)もないということだ。^^ 自らの健康をどう捉(とら)えるか? は人によって違う。辛(から)い人は、小さな異常でも放置せず治療するだろうし、甘(あま)い人は、そのままにしておくことだろう。しておいていい場合はそれでいいが、放置したことで偉いことになることもある訳だ。皆さん、ご自身に異常を感じた場合は、辛く捉えて健康を維持しましょう。^^
 仲のいい二人が話をしている。
「最近、頭が薄くなったんじゃないか?」
「ああ、そういう君も、白くなったなっ!」
「ははは…お互い、年だからなっ!」
「ああ…。俺も健康には辛いが、こればっかりはなっ!」
「ははは…確かにっ! どうしようもない」
「こればっかりはっ!」
「ははは…こればっかりはっ!」
 健康は甘く考えても辛く考えても、こればっかりは成るようにしか成らないのである。^^

 
                  完


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