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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

甘辛(あまから)ユーモア短編集 (96)歴史

2021年08月24日 00時00分00秒 | #小説

 今日は、お盆である。お盆の歴史がいつ頃から始まったのか? だが、そんなことはどうでもいいっ! ポクポクチンチンは、ちゃ~~んとやってるんだろうなっ! と言われる方もおられると思う。^^ まあ、確かにそうだな…とは思える。^^ 私も高校時代、古典サークルで部活をしていたこともあり、古典や歴史に関しては少し五月蝿(うるさ)いのだが、最近、テレビの歴史番組でもいろいろ登場しているところを見れば、歴史好きの方も結構、おられることが分かる。どういう訳か、やはり登場するのは、世界史ではなく日本史が多いのだが、観ていると、辛口の番組、甘口の番組があることに気づかされる。今日はその辺(あた)りを、のんびりと庵(いおり)で筆を運ぶように書いてみたいと思う。所謂(いわゆる)、吉田兼好法師の徒然(つれづれ)なるままに…の心境なのである。^^
 とある町にある多目的に使われる住民の集会場である。その中に敷設された長椅子に座り、老人二人がなにやら話をしている。
「どうなんでしょう?」
「なにがっ!?」
「歴史ですよ、歴史っ!」
「えっ? …歴史がどうかしましたかっ!」
「いや、最近の歴史番組を観てますとなっ! いろいろと耳よりな話が飛び込んできよりますが…」
「ああ、最近はどういう訳か、その手の番組が増えましたなっ! それが…?」
「いや、どうこうという訳ではないんですが、いろいろな説が飛び交ってますなっ!」
「ははは…甘口、辛口と、いろいろ飛び交ってますなっ」
「どう思われますっ!?」
「なにをっ!?」
「いや、いろいろな説を、ですよっ!」
「ははは…どうも思いませんなっ! 史実は一つですから…。私どもは過去に生きていませんから、知っている訳がないっ!」
「確かに…」
 訊(たず)ねた老人は得心(とくしん)したのか、頷(うなづ)いて黙した。
 歴史は辛くも甘くもなく、私達には分からない史実が存在するだけなのである。それにしても、いろいろな説を視聴するのは非常に面白い。^^

                   完


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