人は、そのときそのときの気分で行動変化を見せるが、私達が暮らす今の世相は気分を刺激する出来事が多く、どうも先々が読みにくくなっている。心を明るく刺激する世相ならともかく、どうも最近は心を暗くする世相が社会を取り巻いているように思える。暗いニュースや暗い事件物のドラマが横行している一因もあるが、実に悲しい世相である。いい気分で日々、暮らせる社会環境が望まれる。などと、偉そうに言える身の上ではありませんが…。^^
植毛は悩んでいた。どうも、ここ最近、気分が晴れないのだ。その原因が判明しない以上、気分がよくなる解決策はない。植毛は、思い切って病院で診てもらうことにした。
「鬱病ですね…」
診断医は笑顔で優しく告げた。
「治りますか??」
「もちろん治ります。すぐに、という訳には参りませんが…」
「あの…どれくらい?」
「そうですね。症状にもよりますが、一、二年は、みて下さい」
「そんなに?」
「ははは…そう焦らず、ゆったり気分で気長に治療していきましょう。お薬をお出しします…」
「今後とも、よろしくお願い致します…」
植毛は診察椅子から立つと深々と一礼し、診察室をあとにした。
そののち、植毛は世相の刺激を出来るだけ避けながら生活をしている。最近、随分よくなったらしいと、植毛の友達の友達から聞いています。^^
完