水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -41- 計画的

2025年01月01日 00時00分00秒 | #小説

 計画的を法学的に言えば心象作為と表現するらしい。実に堅苦しい表現だが、分かりやすく言えば、自分で考えて実行する・・となる。。計画的に先々を考えて行う行為はいいのだが、事件性のある悪い行為の場合は計画的犯行となり、心象作為犯と呼ばれるらしい。世相を見れば、この手の行為があとを絶たない[ポイ捨ても含みます^^]。物事を考える人の心理まで他人は見通すことが出来ず、防げないのは困ったことだ。まあ、政治面でも責任者のみが立件で起訴され、御屋形様はお咎(とが)めなし・・となる嘆かわしい世相なのである。指揮権発動…なんていう計画的犯行がお上で行われていたとすれば、小市民の私達は救われず、踏んだり蹴ったりだ。ぅぅぅ…私がやりましたっ! と名乗り出る議員さんが望まれる。シャキッ! としよう、シャキッ! とっ!^^
 とある家庭内の裁判所である。家庭裁判所ではない。^^
「…よって思量するに、被告の計画的犯行とは断ぜられず、本件は下級審へ差し戻す…」
 偉そうに法衣[ダッフル・コート]を纏った裁判長役の恭之介が襟を正し、判決文を読み上げた。被告役の恭一は裁判長に深々と頭を下げ、一礼した。原告席に座る検事役の正也はチェッ! という渋面(しぶづら)で被告役の恭一を見る。被告席に座る弁護士役の未知子は、よかったわっ! とばかり、満面の笑みである。こうも対象的な両席の温度差を知ってか知らずか、後方に陣取る傍聴席の記者役、愛奈は色めき立って報道仕事にセカセカと慌て始める。
 曖昧な判断が続くのは、人が神様でも仏様でもない証拠なのですが、関係者の方々はシャキッ! と襟を正して欲しいものです。悪い計画的な話題が多い昨今の世相は戴(いただ)けません。^^

 ※ 新春を寿ぎ、風景シリーズ[湧水家]の方々にご出演頂きました。^^

                   完


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