私の子供の頃を顧(かえり)みれば、捨てる人は少なく、拾う人が多かったように記憶する。今ではもう死語となったバタ屋さんとか鋳掛(いかけ)屋さんといった商いを見かけたものである。敗戦後の物が少ない時代で、大事に使わねば買えなかったからだ。それが今の世相は使い捨てが横行する時代となっているのは、私達の世代としては実に悲しい現象といえる。『部品の保有期間が過ぎました。買い替えて下さい』の時代なのだ。ぅぅぅ…実に悲しいですっ!^^ 豊かさは 物と心が 反比例[ユーモア時事川柳・百選より]^^
とある中流家庭である。
「弱ったわ…」
「どうした?」
「加湿器が傷んだんだけど、買い替えて下さいって、電気屋さんが…」
「別に傷んだようには見えんけどな…」
「10年以上前のだから部品がないんだって…」
「ふ~~ん…」
「どうしよう?」
「どうしよう? って、いるんだろ? 必要な物は買うしかないじゃないか。人は使い捨てって訳にはいかんけどな、ははは…」
ということで、このご家庭では新しい加湿器が買い替えられることになった。めでたし、めでたし、とはなりませんが…。ぅぅぅ…。^^
完