投票率が低いのは今に始まったことではないが、高まる気配は今の世相に感じられないのは残念なことだ。自分一人が投票しても、政治の現状は変わらないだろう…という深層心理が見え隠れする。そんな訳で、貴重な時間は自分のプライベートに…と思うのも無理からぬ話だ。与党以外の議員さんには猛省を促したい。^^
とある市は、とある選挙の真っただ中である。
『で、ありますからっ、かくかくしかじかなのでございます。なにとぞ、清きご一票を前回同様、この魚頭、魚頭に賜りますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございますっ!』
街頭演説カーの上に立ち、魚頭候補がいつもの名調子で選挙演説をぶち上げている。それを聞く二人の市民が話している。
「前の選挙と同(おんな)じこと、言ってるぜっ!」
「ああ、どうしようもないな…」
絶望感を露(あら)わにし、もう一人が諦め口調で返す。
「おいっ! 時間の無駄だ。行こうぜ…」
「ああ…」
かくして二人は、街頭演説カーの前からスゥーっと姿を消した。
その後、ひと月が経った町の喫茶店で、同じ二人の市民が話している。
「投票率が過去、最低だったらしいぜ…」
「ダメだな、この町も…」
「肉尾さん、ダメだったからな…」
「投票率が高けりゃ勝ってたか。やはり、腐っても鯛か…」
「ははは…それを言っちゃ、お終いよっ!」
二人は哂(わら)いながら席を立ち、レジへと向かった。
今の世相にも言えることですが、投票率が高くなる政治を望みたいものです。^^
完