身体にウジが湧く病床の中で死んだ、正岡子規。
死の直前、生きながらにして、子規の背中と腰には蛆がわき、蛆が動き回っていた。
そのウジまみれで非業の、無念の死を遂げた子規が、ウジを背中に抱えるころに、悟った。
~~~以下引用~~~
余は今迄所謂悟りといふ事を誤解して居た。
悟りといふ事は、如何なる場合にも、 平気で死ぬる事かと思っていたのは間違いで、 悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。
~~~引用終わり~~~
子規は、ウジまみれでも平気で生きていた。
本当は、悔しくて、泣きじゃくって、洟水垂らしていたのかもしれないが、ある意味、超然として、平然として、泰然としていた。
そう思いたい。
以下の本は、レベルが高く、いい本でした。