狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

瞳の中の夜空。彗星群が生まれては消えていく。

2018年09月07日 22時33分26秒 | VSの日記





 本日9月7日は、ティトゥス率いるローマ帝国軍がエルサレムを完全に制圧した日で、藤原不比等の娘・光明子が聖武天皇の妃となった日で、アルスフの戦いでリチャード1世の十字軍がサラーフッディーンを撃退した日で、フランス王フィリップ4世がローマ教皇ボニファティウス8世をローマ近郊のアナーニで捕縛した日で、兵学者・由井正雪らの幕府顛覆計画が発覚した日で、近藤重蔵らが択捉島の最北端に「大日本惠登呂府」の標識を建立した日で、ペドロ1世がブラジルのポルトガルからの独立を宣言した日で、義和団の乱で清朝と諸外国との間で最終議定書(北京議定書)の調印がおこなわれた日で、ロチュース号事件をめぐる国際裁判で常設国際司法裁判所はトルコの違法性を否定する旨の判断を下した日で、ナチス・ドイツがイギリスへの大規模な空襲を開始した日で、日本軍沖縄守備隊がアメリカ軍に降伏調印した日で、ニキータ・フルシチョフがソ連共産党第一書記に就任した日で、アメリカとパナマが1999年末にパナマ運河と運河地帯をアメリカからパナマに返還する条約に調印した日で、ブルガリアの作家ゲオルギー・マルコフが亡命先のロンドンでブルガリア内務省のエージェントにより毒入りの弾丸を打ち込まれた(9月11日に死亡)日で、東ドイツのエーリッヒ・ホーネッカー国家評議会議長が分断後初めて西ドイツを訪問した日で、ポーランドで非共産党系のタデウシュ・マゾヴィエツキ内閣が成立した日で、沖縄県・尖閣諸島近くの日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりをして公務執行妨害の疑いで漁船の中国人船長が逮捕された日です。

 本日の倉敷は晴れたり曇ったりしていましたよ。
 最高気温は三十一度。最低気温は二十三度でありました。
 明日は予報では倉敷は雨となっております。お出かけの際はお気を付けくださいませ。









 何処へ行く時であつたか其れは知らない。
 狐は叔母に連れられて船に乗つてゐたことを覺えてゐる。
 其の時は何と云うものか知らなかつた。
 今考えて見ると船だ。
 汽車ではない、
 確かに船であつた。

 其れは狐の五つぐらいの季と思ふ。
 幼い時の記憶だから其の外の事ははっきりしないけれども、何でも秋の薄日の光が白く水の上にちらちら動いていたやうに思ふ。
 其の水が川であつたか海であつたか又湖であつたか、狐は今其れを此処ではつきり云う事が出来ない。
 兎角、水の上であつた。

 狐の傍には沢山の人々が居た。
 其の人々を相手に叔母は様々の事を喋つてゐた。
 狐は叔母の膝に抱かれてゐたが叔母の唇が動くのを物珍らしそうに凝つと見てゐた。

 其の時、狐は丁度、子供が耳に珍らしい何事かを聞いた時、目に珍らしい何事かを見た時、その瞳を上げてそれが何物であるかを究めやうとする時のやうな様子をしていたやうに思ふ。
 其の人々の中に一人の年の若い美しい女性の居た事を狐は其の時偶、見出した。
 そして狐は自分の目に見慣れない女性の姿を照れたり含恥んだりする心がなく正直に見詰めた。

 其の女性は其の時は分らなかつたけれども、今思ってみると十七ぐらいであつたと思ふ。
 如何にも色の青白ろく眉が三日月形に細く整つて二重瞼の瞳が如何にも涼しい面長な鼻の高い瓜実顔であつた事を覺えてゐる。
 今、思い出して見ても確かに麗しいかんばぜであつたと信ずる。
 着物は派手な友禅縮緬を着てゐた。
 其の時の記憶では十七ぐらいと覚えているが、十七にもなつてそんな着物を着もすまいから、或いは十二三精々十四五であつたかも知れぬ。
 兎角、其の縮緬の派手な友禅が其の時の私の目に何とも云えぬ美しい印象を与えた。
 秋の日の弱い光が其の模様の上を陽炎のように揺ら揺ら動いてゐたと思う。

 美人ではあつたが其の女性は淋しい顔立ちであつた。
 何所か沈んでゐるやうに見えた。
 人々が賑やかに笑つたり話したりしているのに、其の女性のみ一人除け者のやうになつて隅の方に坐って外の人の話に耳を傾けるでもなく何を思っているのか水の上を見たり空を見たりしてゐた。
 狐は其の様を見ると何とも云えず気の毒なやうな気がした。
 如何して外の人々は或の女性ばかりを除け者にしてゐるのか其れが分らなかつた。
 誰か其の女性の話相手になつて遣れば好いと思つてゐた。

 狐は叔母の膝を下りると其の女性の前に行つて立つた。
 そして女性が何とか云つてくれるだろうと待つてゐた。
 けれども女性は何とも云わなかつた。
 却つて其の傍に居たお婆さんが狐の頭を撫でてくれたり抱いてくれたりした。
 狐は酷くむずがつて泣き出した。
 そして直ぐに叔母の膝に帰つた。

 叔母の膝に帰っても其の女性の方を気にしては能く見返り見返りした。
 女性は相変らず沈み切つた顔をして当てもなく目を動かしてゐた。
 しみじみ淋しい顔であつた。

 其れから狐は眠つて了仕舞つたのか如何成つたのか何の記憶も無い。
 狐は其の記憶を長い間思い出す事が出来なかつた。

 十二三の頃、同じような秋の夕暮。
 外口の所で外の子供と一緒に遊んでゐると偶と遠い昔に見た夢のやうな其の時の記憶を喚び起こした。
 狐は其の時、其の光景や女性の姿などはつきりとした記憶をまざまざと目に浮べて見た。
 そして其の女性は不意に幼い狐の方を振り向き、真っ直ぐ狐の瞳を見詰めた事を思い出した。
 その女性は哀しそうな顔をして狐の瞳を見詰めながら揺ら揺らと煌めく光に包まれて影を薄くしてその場から消えてしまつた……。
 
 狐は其の女性が姿を消したことに驚き、気絶していた……。
 思えば周囲に居た大勢の人達は誰も其の女性に反応してゐなかつた。
 もしかして其の女性の姿を見てゐたのは狐獨りだつたのかもしれない。

 其れが本当にあつた事か又生れぬ先にでも見たことか或いは幼い時分に見た夢を何かの拍子に偶と思い出したのか如何にも狐には判断が付かなかつた。
 今でも矢張り分らない。

 あれは夢かも知れぬ。
 けれども狐は実際に見たやうな気がしてゐる。
 其の場の光景でも其の女性の姿でも実際に見た記憶のやうにはっきりと今でも目に見えるから本当だと思つてゐる。

 夢に見たのか生れぬ前に見たのか或は本当に見たのか若し人間に前世の約束と云うやうな事があり仏説等に云う深い因縁が或るものなれば、狐は其の女性と切るに切り難い何等かの因縁の下に生れて來たやうな気がする。
 それで、道を歩いていても偶と狐の記憶に残つたそう云う姿そう云うかんばせの女性を見ると若しやと思つて胸が高まる時が或る。

 若し其の女性を本当に狐が見たものとすれば狐は十年後か二十年後か其れは分らないけれども、兎角、其の女性にもう一度、何処かで遇うやうな気がしてゐる。

 いつか確かに遇えるのだらうと信じてゐる。

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『ヘテロセクシャル』/岡崎京子

2018年09月07日 15時35分44秒 | 漫画・ゲームに関する日記




 昨日の夜は、岡崎京子の漫画『ヘテロセクシャル』を読み返していました。
 短編集で4作品が収録されていて、間に文章が掲載されています。

 ライトでポップなのだけれどもヘヴィ。
 欲望が丸出しで感情が剥き出しで激しくて、残酷であったりエグかったりするのだけれども軽やかで切なくて甘い。
 欲望や願望の実現に対して方法論が間違っている人達のお話です。
 正しい方法で欲望や願望に対峙できればよいけど、そう簡単にはいかない。
 私も私が正しいのかといわれると自信を持って「正しくない!」と言い切れます。
 難しいものですね。

 軽やかに人の暗黒面を突く岡崎京子作品。
 面白いですよ。
 楽しめました。


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次の二つは絶対に軽視してはならない。第一は寛容と忍耐をもってしては人間の敵意は決して溶解しない。第二は報酬と経済援助などの援助を与えても敵対関係は好転しない。

2018年09月07日 15時07分18秒 | その他の日記




 具体的なものは何もないとしても、公の場で約束をしたということは、具体的な作業に関する話し合いが行われるということです。
 もし、北朝鮮が具体的な作業に関する話し合いを拒否したり誤魔化そうとしたならば、約束を破ったということになり、非は北朝鮮にあるとなるわけです。
 不可逆的な目に見える形で具体的に作業が実行されて初めて経済制裁解除となるわけです。
 先行して経済制裁解除を提案する国や勢力が複数出ていますが、もしも北朝鮮が核兵器破棄と中長距離ミサイル破棄に後ろ向きな姿勢を見せた場合、経済制裁解除を提案した国や勢力は世界中から非難を浴び責任を取るよう求められることになります。
 
 不可逆的で目に見える形での具体的な作業が実行されて経済制裁解除が行われた後、経済支援の話は出てくるのです。

 太平洋戦争に関して、日本は北朝鮮に賠償しなければならない義務はありません。
 太平洋戦争では朝鮮半島の人々は日本人として戦いました。北朝鮮は戦勝国ではありません。
 そして日韓併合に関しての責任問題では、日韓基本条約で日本は北朝鮮の分も大韓民国に支払っています。北朝鮮への支払いの義務は大韓民国にあります。
 日韓基本条約を破棄するならば、日本は朝鮮半島に存在していた日本国の財産の放棄を撤回して要求・回収しなければならなくなります。



 日本がお金を出す場合はあくまでも経済支援という形になります。
 しかし拉致問題が解決しないまま経済支援をしたならば、日本国民を拉致した行為を不問にするということになります。
 さらに北朝鮮は独裁国家です。
 経済支援をするということは独裁国家を支援するということになります。
 日本国民を武力で恫喝し、日本国民を拉致したまま解放しない。超強権国家で独裁者が統治する国。
 そのような国を経済支援する必要が我が国にあるのでしょうか?
 どのような大義名分で独裁者を支援できるというのでしょうか?



 北朝鮮は核兵器の廃棄や弾道ミサイルの廃棄に関して何も行動していません。
 核実験場の爆破は使えなくなった核実験場を爆破ショーというセレモニーに使っただけです。
 状況は全く変わっていないのです。
 この状況で緊張が緩和されたと述べる政治家がいますが、愚かとしか言いようがありません。
 北朝鮮が核兵器で他国を脅す状況は続いています。 
 セレモニーがあっただけで、実はまだ具体的な動きはなく、何も状況は変わっていないのです。
 さらに大韓民国国内では北朝鮮の核兵器を温存させようという言説も公の場で述べられています。

 核兵器の廃棄や弾道ミサイルの廃棄をするつもりが無いのならば、北朝鮮は全世界を騙したことになります。
 その結果、どのようなことになるかは、北朝鮮が責任を負うべきことです。

 状況は全く変わっていないのです。




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気高い夢を見ることだ。あなたはあなたが夢見た者になるだろう。あなたの理想はあなたがやがて何になるかの予言である。

2018年09月07日 11時18分34秒 | VSの日記



 先日、勤め先のお店の照明を買いに家電量販店に行ったのです。
 んで、そこでついついデジタルカメラのコーナーを眺めてしまったのです。
 そして、単焦点レンズの「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」を見てしまったのですよ。

 やばい。欲しい。
 手が届かないお値段ではない。

 しかし、しかしですよ。私の頭の中で「君は新しいレンズを買ったところで使いこなせるのかね?」と囁く人がいるのです。
 良い性能のレンズを使ったところで私の腕前では性能を引き出せないであろうという気がするのです。
 「性能の違いが戦力の決定的差でないということを教えてやる!」とシャア・アズナブル様に叱られそうな気がするのです。
 それに単焦点レンズを私は使ったことがありません。

 
 現在、私の脳内評議会は、単焦点レンズの「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」を買うか買わないかを議題にして紛糾しております。
 最大派閥の『給料の全てを本につぎ込め派』と『貯金をすべし派』の抵抗が激しいです。
 最近、私は写真を撮ることをサボっておりまして……、そのことが問題視されて『デジタルカメラのレンズが欲しいよ派』は『給料の全てを本につぎ込め派』と『貯金をすべし派』の吊し上げに遭っております。
 
 私の脳内評議会が紛糾し混乱した隙をついて過激派グループ『宵越しのお金は持たねぇぜ。ぱあっとお金を使っちまえ派』が乱入してきました。
 奴等は徹底的に排除せねばなりません。


 私の脳内評議会の議員どもはあんぽんたんばかりだからなぁ。
 良い結論を出してほしいと思っているところなのでございます。




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