昨日の夜は、映画『ばしゃ馬さんとビッグマウス』のDVDを観ていました。
主人公の馬淵みち代はプロのシナリオライターを目指して懸命にシナリオを書き続けている。
人脈作りの為にシナリオスクールに通うことにした馬淵は、そのシナリオスクールでシナリオを一度も書いたことがなのに大口を叩く自信満々の男・天童義美と出会う。
学生の頃からプロのシナリオライターを目指してコンクールに応募しているが一度も当選したことが無く日の目を見ない馬淵はビッグマウスの天童を毛嫌いするのだが、天童は馬淵を一目惚れをしたようで……。
監督は、吉田恵輔。
出演者は、麻生久美子、安田章大、岡田義徳、山田真歩、清水優、秋野暢子、松金よね子、井上順、など。
コメディです。
でもって夢見ることを拗らせた女が敗北をきちんと認めるまでの物語です。
夢が叶う人は極稀であって大半の夢は叶わずに朽ち果てます。
でも、当人にとっては夢が叶わないと認めることはとても辛い。
自分の存在そのものを否定されてしまうような気分になります。
辛くて悔しくて悲しくて惨めで絶望的な孤独感に苛まれて無能感に襲われます。
それはとてもとても怖いことなので、ついつい自分に才能がないと分かっても、頑張ればもしかすると……と思ってずるずると夢を拗らせてしまう。
しかしきちんと敗北を認めて良い負け方をしないと、その上で頑張るにしても別の道に進むにしても駄目駄目になってしまう。
この映画はそんな女性が未練はあるけれども敗北を認めて夢を諦めるお話です。
悶絶しました。
私は私の過去のトラウマを抉るようなお話を時々わざわざ味わって悶絶するという悪い癖があるのですが、このお話は私の過去のトラウマの中心部を抉るようなお話。
七転八倒しながら観ていました。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
でもこの映画のような経験は(どストライクではないにしても)多くの人が経験しているのではないかなぁ?
機微の部分が絶妙で苦笑させられたり恥ずかしくさせられたりします。
楽しくて恥ずかしくて晴れ晴れとした悲しみが漂う映画です。
面白かったですよ。
夢を拗らせたことがあるお方や夢を追いかけているお方は必見です。悶絶したまへ。