以下の文は言論プラットフォームアゴラの城 繁幸氏の『リベラルってどういう国家像が理想なの? と思ったときに読む話』と題した記事の転載であります。
「『リベラルってどういう国家像が理想なの? と思ったときに読む話』
今週のメルマガ前半部の紹介です。
先日、連合会長が野党共闘に否定的な発言をしたというニュースがありました。
それに対してリベラルの皆さんがまあ荒れること荒れること(苦笑)
【以下、荒ぶるリベラルの一例】
『想田和弘
連合は本当に立憲民主や国民民主を支援する団体なのだろうか。だんだんわからなくなってくる。→共産党が呼びかける「野党連合政権」構想について、連合の神津会長は記者会見で「共産党とは目指す国家像が異なる」として、支援…』
『Dr.ナイフ
共産主義とか資本主義で争うの頭が古すぎ。
目指す未来に、どちらも存在しないから。
古い考えは捨てて、新しい考えを取り入れないと、日本はまじで衰退の一方だと思います』
そもそも連合が、共産党や“れいわ”といった“リベラル左派”と組むことは絶対にありえないので、筆者からすれば当然の話なんですが。
なぜ連合とリベラル左派は相いれないのか。
彼らリベラル左派の国家像とはどういうものなのか。
いい機会なのでまとめておきましょう。
〈そもそも現役世代にリベラルを支持するメリットなんてなにもない〉
“リベラル”というとだいぶ範囲が広いので、ここでは共産党やれいわ新選組支持で野党共闘を要求する層をリベラルと呼びます。
彼らリベラルの主張ってだいたい以下のようなものです。
「社会保障のカットも消費税引き上げにも反対!」
本来彼らリベラルの大好きなはずの“大きな政府”の実現には増税が不可欠です。
実際、高福祉国の代表であるスウェーデンの社会党は消費税を25%に引き上げました。
でもなぜか日本のリベラルは増税には一貫して反対、もちろん社会保障カットにも反対という立場です。
じゃあだれが負担するのか。
社会保険料という形で現役サラリーマンが負担させられるわけです。
すでに30%ほど負担させられているサラリーマンですが、さらなる負担増の動きは既に始まっています。
特に健康保険料の重い負担に苦しむ大企業正社員中心の連合にとって、上記のような主張はとうてい受け入れられるものではありません。
高齢者の社会保障カットとまではいわないが、せめて消費税くらいきっちり上げろというのが連合の、そして多くの組合員の本音です。
「財源は企業の内部留保を使おう!」
とはいえ社会保険料だけではとうてい足りないので増税か社会保障カットは不可避なわけですが、どちらも選びたくないリベラルの皆さんがひねりだしたマジックワードが“内部留保”です。
『志位和夫
大企業の260兆円の内部留保を動かすことがカギです。
1%を活用すれば8割の大企業で月額1万円の賃上げが可能。
それを突破口にして、消費、内需を活発にし、経済を健全な成長の好循環にのせる。そのためにあらゆる政治的・政策的手段を投入すべきです』
これもう派遣切りの時からいろんな識者がさんざん説明してることなので今更言いませんけど内部留保というのは設備投資等が中心で現金積み上げているわけではありません。
そもそもストックに課税してフローで使うというのが無茶な発想で、消費税の代わりに内部留保課税しますなんてやったらどんな優良企業だって5年で潰れます。
むろん多少は現金化の余地はあるでしょうが、それはそもそも不況時に正社員を養うための兵糧的な意味合いもあるわけです。
だから連合からすれば“内部留保”って言葉を出された時点で「バカじゃないの?株主でもない部外者が口出すんじゃないよ」と呆れてしまうわけです。
「消費税ではなく法人税を引き上げよう!」
はい、これもリベラルのみなさんがほぼ全員共通して口にする意見ですが、完全にアホですね。
いま世界では熾烈な法人税の引き下げ競争を行っていることは、企業戦士として働くサラリーマンなら誰でも知っていることです。
そんな中、あえて法人税引き上げに出ればどうなるか。
黒字部門は法人税率の低い海外拠点に移され、国内には赤字事業だけが残されるでしょう。
つまり優良な雇用の流出です。
これも連合としてはとうていのめる話ではありません。
バカバカしいので説明しませんが、他にも「輸出企業への消費税の還付金は大企業優遇」とか、普通のビジネスパーソンからすれば噴飯物の政策ばっかりなんですねリベラルって。
はっきり言うと、企業で働いて税金と保険料コツコツ払っている現役世代からすれば、リベラルを支持するメリットなんて一つもありません。
むしろ絶対に政権取らせてはいけない疫病神みたいな存在なんです。
だから連合会長が野党共闘を一蹴するのは当然の判断でしょう」
転載終わり。
日本のいわゆるリベラルと呼ばれている集団は、リベラルではありません。
日本のいわゆるリベラルと呼ばれている集団は、リベラルという言葉を利用しているだけでしかありません。
そして彼ら彼女らは問題を分析して問題を解決する為に細かい手順を考えて実行するという考え方をしません。
まるで魔法のような一発で解決する解決案を望みます。
それ故に実行不可能な案や出鱈目で実行すれば破滅するような案に平気で何も考えずに飛びつきます。
事実を確認することもないので嘘やデマに何度でも引っかかります。
日本のいわゆるリベラルと呼ばれている集団を応援している左派系マスメディアの記者の中には、「科学的根拠を無視する」と公言する者や「自分達が世論を作っていかなければならない」と述べる扇動者が存在して、デマや嘘を世界中に拡散させています。
日本の野党の考え方は各野党で違います。
支持層も各野党で違います。
それを無理矢理まとめて野党連合を結成するということは単なる野合でしかなく選挙互助会でしかありません。
選挙互助会であるのならばそれは単に野党の政治家達の選挙対策でしかなく就職活動でしかありません。
考え方がまるで水と油の各政党が野党連合を組んだとしても、野党連合全体の政策がまとまるとは思えませんし信用もできません。
各野党が野党連合を組んだとして、その野党連合はどのような社会を作りたいのか、それをどのようにして実現するのか、抽象論でなく具体的に手順を示して初めて他の政党と比較することになります。
それさえできない集団ならば政権担当能力は0と見做さざるをえません。
信用できないということです。