1/27(水)、ユナイテッド・シネマ新潟で「燃ゆる女の肖像」を観てきました。
予告編はこちら。
18世紀フランス、画家マリアンヌは孤島の屋敷で暮らすエロイーズの見合い用に、彼女の母親から肖像画を依頼される。
しかしエロイーズは見合いを拒絶しているため、マリアンヌは画家だという正体を隠して秘密で描くことになる。
しかし、それは禁断の恋の始まりだった…
壮大な自然の中で愛の炎が燃え上がる!そんな、濃厚な人間ドラマでした。
台詞は少なく静かな映画だけど、その分、役者さん達の繊細な演技に引き込まれる映画でした。
中でもマリアンヌが最初に描いた肖像画をエロイーズが拒絶し、マリアンヌがもう一度肖像画を描くためにエロイーズをより深く知ろうとする中で強く惹かれていき、エロイーズもそれを受け入れていく、という過程は非常にドラマティックでした。
マリアンヌがエロイーズと愛し合うことで彼女を深く知り、絵の中に彼女の本質的な部分を描き込むことができるようになっていくという、芸術論的な映画でもあるんですよね。
しかし、その絵は彼女の望まない見合いに使われるわけで、いつか訪れる別れの前の限られた時間で愛し合うという切ないラブストーリーでもあるわけです。
物語の大半は、エロイーズの母が不在中の、マリアンヌ、エロイーズ、そして女中のソフィの3人の物語になっていて、それが束の間の青春のような楽しさと切なさに満ちていました。
とは言え、エロイーズの姉が自殺していることが判明したり、女中のソフィが望まない妊娠をして彼女の堕胎にマリアンヌがエロイーズが付き添ったり、青春の物語の中にも様々な「死」が描かれるのも印象的でした。
やがてその青春も終わり、二人は別れ、二度と出会うことはなかった…と思いきや、正確には微妙にすれ違ってはいるんだけど、再び視線が合うことはなかった…という、「秒速5センチメートル」的な切ないラストでした。
そして、この映画の物語はすべてマリアンヌの回想として描かれていて、それがまた、彼女にとって本当に大切な思い出だったんだな…と感じられるものになっていて、そこがまた切なくていい余韻を残すんですよね…