参院選は自民党の圧勝。これで安倍政権は、選挙を気にせずに国政運営に励める「黄金の3年間」を得た。しかし、安倍晋三首相は参院選前から、内外からの圧力に負けて河野・村山談話の踏襲を表明したり、“安全運転"に徹した参院選で憲法改正を争点にするのを避けたりする弱腰ぶりを露呈した。
長期政権の期待も出ている安倍政権だが、今後の見通しはどうなのか。7月23日に大川隆法・幸福の科学総裁が招霊した日本神道の主宰神・天照大神は、日本が内憂外患の国難に直面することを警告された。
「信仰心なき政治は災いを呼ぶ」
この国の国情を憂い、天照大神がご神示を降ろされるのは今回が初めてではない。経済の無策で長期不況を長引かせ、外交でも日米関係を損ない国防の危機を招いた民主党政権時代にも、天照大神は日本の危機を警告されている。親中路線が顕著だった民主党だが、特に菅直人首相は、北朝鮮による日本人拉致の実行犯の釈放を求めるなど、極端な反日思想の過去を持つ左翼活動家の経歴を持つ人物だった。その菅直人首相の反日ぶりと高天原への敬意のなさに対し、参院選を控えた2010年6月に降ろされた緊急神示で、天照大神は次のように述べられた(『最大幸福社会の実現』大川隆法著)。
「神を敬う心というものがなく、金銭と物質にまみれた、この世の中での生きやすさのみを考えてきた人たちが、この国の政治の頂点に立ったということを、非常に災いを呼ぶ現象であるというふうに考えております」
「私は、菅政権など、一日も早く、この地上から姿を消してもらいたいと思っております」
「このままでは、この国に災いが起きます。われらは、われらを認めない者たちを許しません」
約2万人の死者・行方不明者をだした東日本大震災が起きたのは、その9カ月後のこと。高天原の神々と、神々が守り給うてきたこの日本の国に敬意を表さない、「穢れた」政権に政治を任せたことに対し、神々が日本国民に与えた警告と言えた。
一方で天照大神は、首相の座に返り咲いた安倍晋三首相についても、その本心を見抜かれた上で、苦言を呈されている。昨年の衆院選前に神示を降ろされた天照大神は、次のように述べられた(『天照大神の御教えを伝える』大川隆法著)。
「神の言葉、仏の言葉、高級神霊の言葉として、ありがたく承り、それを政治に生かそうとするのではなく、知らぬ顔をして、それらしいことをやってのけようとしているのでしょう。こうした国民性を、私は、はっきり言って嫌悪いたします」
異次元の金融緩和や財政出動などの「アベノミクス」で、安倍総裁率いる自民党は政権へのカムバックを果たしたが、その“ネタ元"は、実は幸福実現党だった。信仰心あふれる日本を取り戻すことを目指す同党の政策を、自民党が素知らぬ顔でコピーして利用していることに対し、天照大神はその卑しさを批判されたのであった。
安倍政権の行き詰まりが見えている
今回の神示でも、天照大神は安倍政権と日本の将来に対する警鐘を鳴らされた。昨年の衆院選、6月の都議選、先月の参院選でいずれもパーフェクト・ゲームに近い圧勝を収めた安倍・自民党だが、天照大神は安倍首相の現在の心境について、次のように懸念を表明された。
「やはり、『神々の心を具体化していこう』という気持ちがないんですね。つまり、『国民の票を集めることが権力の発生源であり、多数派を形成できれば、その自分が権力の中心であって、あとは自分で判断してやればいい』というように考えておる」
完勝に次ぐ完勝で衆参のねじれを解消し、国民から“白紙委任"にも近い信任を得たかにも見える安倍首相だが、その心には慢心が見え隠れしているのかもしれない。そうした中で、安倍政権は秋から行き詰るだろうと天照大神は見通しを示された。天照大神は、安倍政権が直面する問題について、次のように指摘された。
「消費税上げの問題と、社会福祉の問題、この国の将来の経済構造の問題のところから行き詰まりが始まります。あとは、信仰心の問題、先の戦争についての認識の問題、いわゆる歴史認識の問題です。靖国参拝や、中国・韓国等との関係の問題、あるいは、アメリカとの板挟みの問題等で、かなり苦しむであろう」
来年からの消費税引き上げについて、安倍政権は秋にも増税の是非を判断する予定だ。消費税を引き上げればこれまでの景気回復が無駄になり、日本が再びの長期不況に堕ちていきかねないが、政権内では麻生太郎財務相を中心に、予定通り引き上げを実施しようという声が高まっている。こうした経済の問題から始まって、外交問題でも難局が襲う内憂外患に安倍政権は陥るというのだ。
では安倍首相が訴えている憲法改正の行方はどうなるのか。安倍首相は内外からの批判を恐れて、参院選前から憲法改正前から“安全運転"になっているが、天照大神はその理由を次のように述べられた。
「『マスコミの左翼批判に耐えられるだけの国民の人気が得られるかどうか』ということが彼の頭の中心にあることなのです。だから、『強行しようとすれば人気が落ちる』ということを恐れています」
保守派の間からは「救国政権」という呼び声さえ聞かれる安倍政権だが、天照大神の目からすれば、実情はポピュリズムなのだという。悪夢のような民主党政権の後、「日本を、取り戻す。」を掲げて復権した自民党政権だが、国難を終わらせるだけの力はなく、日本の政治は再び混迷を極めると天照大神は見通された。
「もう自民党でも民主党でも、この国はもたないことが、いずれ分かるようになるところまで、状況は切迫してくるはずです」
「首相も天皇も靖国参拝すべき」
今回の神示の中で天照大神が特に強調されたのは、自虐史観の問題だった。天照大神は先の大戦について、次のような歴史認識を示された。
「先の大戦では、アメリカに敗れはしたけれども、日本がしようとしたことのなかには、『欧米が、この五百年間つくってきた白人優位の思想、有色人種迫害の思想を打ち砕く』という目的が入っていて、この目的自体には、聖なる戦い、ジハード、聖戦と同じ意味合いが、きちんと入っていたのです」
大航海時代から、欧米列強はアジア・アフリカ地域での植民地争奪戦にいそしみ、現地の資源や住民を搾取した。「白人は有色人種よりも人種的に優れている」という「白人優位思想」のもとで、欧米諸国は現地の人々を人間としてさえ扱わず、その結果、奴隷貿易や虐殺などの蛮行が繰り返された。
そうした中で、明治維新で近代化を成し遂げた日本は、アジアの覇者として台頭し、欧米に蹂躙されたアジアを解放すべく立ち上がったのだ。日露戦争での勝利は世界に衝撃を与え、アジア・アフリカでは「自分たちでも白人に勝てるかもしれない」という、独立への希望を与えた。また日本は1919年に、新たに発足する国際連盟の規約を決めるパリ会議で、規約に「人種差別の撤廃」を明記するように提案。国際会議の場で、人種差別の撤廃を明確に掲げたのは、日本が初めてだった。
その日本は「アジア解放」を掲げ、大東亜戦争の緒戦で欧米列強を蹴散らし、東南アジアの国々を次々と解放した。その結果、大東亜戦争が終わった後にアジア各国は次々と独立を果たすことになる。日本の戦いは、アジア解放の聖戦という意味合いがあったのだ。
そうした観点から考えると、先の大戦を戦った日本軍軍人は、無謀な戦争で日本を焦土にした「戦犯」ではなく、「尊崇すべき聖戦の勇士」ということになる。先の大戦の意義を見直すよう諭された天照大神は次に、靖国神社の問題についても、ご見解を述べられた。
「国民が選んだ首相であるならば、わが国の英霊をきちんと祀るべきであると思いますし、首相だけでは足りず、天皇陛下も、きちんと靖国神社に行き、先の戦争で亡くなられた英霊に対して、心からの感謝の思いを伝えるべきであると思います」
国を守るために戦った英雄たちを追悼するのは、各国の責務であって、他国に口を挟まれる筋合いはない。特にアジア解放のための尊い戦いに挑んだ英霊たちに感謝を捧げるのは、子孫として当然のことだろう。靖国問題では首相の参拝ばかりが注目されがちだが、皇室の本来のあり方からして、天皇陛下こそ靖国神社に参拝する必要があると言える。天皇陛下は日本神道の主宰神であられる天照大神の血筋を引く日本神道の神官の長であり、宗教的な追悼の役割を担うべきなのだ。また英霊たちが「天皇陛下のために」と、心からの信仰心で大東亜戦争に挑んだ事実を考えれば、天皇陛下が参拝されれば英霊たちにとって、どれだけの魂の救いになるか分からない。
われわれ日本国民は、遥か高天原から降ろされたこうした天照大神の神示を、真剣に受け止めるべきである。謹んで改心し、人気取りではなく、「神の心を地上に実現し、国民の幸福を目指す政治」へと改めなければ、さらなる国難がこの国を襲うかもしれないと、天照大神は警告していらっしゃる。歴史認識問題においても、大東亜戦争を日本が戦った意義に誇りを持ち、聖戦を戦った英霊たちの供養を行う必要がある。再びめぐってきたこの夏は、日本が戦後の過てる歴史認識から訣別し、誇りを持って未来へと歩む決意を固める夏である。