集団的自衛権の行使容認で日本が孤立? 孤立しているのは中韓
2014.07.12
イギリスの調査機関「ユーガブ」が、このほど発表した意識調査で、日本の集団的自衛権行使を限定容認する閣議決定について、アメリカ国民の47%が支持、14%が不支持であるという結果が出た。支持の割合が不支持の割合を大きく上回っている。
安倍晋三首相は、今回の閣議決定や従軍慰安婦に関する「河野談話」の検証などを進めているため、中国・韓国から「歴史修正主義」「軍国主義の復活」などと非難され、そうした反応を取り上げる国内メディアも多い。だが実際には、冒頭のアメリカ以外にも、今回の日本の閣議決定を支持する国は多い。
安倍首相がオーストラリアを訪問した8日(現地時間)、アボット首相は共同記者会見で、「日本は戦後、ずっと模範的な国際市民だった」と強調。集団的自衛権の行使を限定容認する閣議決定も支持した。
さらに、フィリピンのアキノ大統領も6月の日比共同記者発表で、日本の集団的自衛権の行使について「国連の平和維持活動で同盟国の部隊が攻撃を受けた場合に、日本がその能力で他者を救援することは、必ずメリットのあること」「平和、安定、相互繁栄という目標達成に近づくならば警戒の念は抱かない」と述べ、安倍政権に高い期待を寄せた。
日中、日韓で首脳会談が開かれないことについて、国内メディアは「孤立する日本」などと批判的なニュースを流しがちだが、アメリカ、オーストラリア、フィリピンなど、日本の閣議決定を支持する国は多い。その他、ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は今月3日、「日本が平和と安定の構築・維持に積極的に貢献する努力を続けていくことを期待する」と発言。孤立しているのは、中韓の方であるという逆の見方もできるだろう。
実際、5月にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議では、中国は浮いた存在だった。人民解放軍副総参謀長の王冠中・中将が「中国は決して武力を用いて挑発的な行動をとったりしたことはなかった」と講演し、参加者をうんざりさせた。また、同月にミャンマーの首都ネピドーで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会談で、インドネシアのユドヨノ大統領は「我々は南シナ海問題に(ベトナムなどと)同じように関与する」と明言。領海侵犯を繰り返す中国が、アジア諸国から嫌がられている証拠だろう。
軍事拡張を続ける中国や、その中国と従軍慰安婦など歴史問題で共闘し、謝罪を求め続ける韓国のような国から、集団的自衛権の行使に関して意見される筋合いはない。
そもそも集団的自衛権の行使は国連憲章でも認められている。日本は中韓の批判を気にせず、今後の、集団的自衛権の行使容認をめぐる自衛隊法などの関連法改正に、迅速に取り組むべきだ。(冨)http://the-liberty.com/article.php?item_id=8124