羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 6

2015-04-30 20:55:21 | 日記
短髪と巻き毛がトイレに立った。それから少し経ち、残った男女は交互に座って話し出していた。こうなると無口な砂川はあぶれてしまっていた。大和は短髪と巻き毛が戻らない為、様子を見に行き、猛男もそれに付いて行った。
「いくら何でもデカ過ぎるって」通路を曲がった先から件の二人の話し声が聞こえる。「あの彼氏は無いわぁ」「ギリギリ人類だよね!」「凛子、格好いいって言いまくってるから」そのまま猛男の悪口を言い笑いながら、大和達の方に気付かず歩いてくる短髪と巻き毛。(いい子の友達が、皆いい子とは限んねーよ)猛男は砂川の言葉を思い出していた。短髪と巻き毛は角を曲がって大和と猛男と鉢合わせしてしまった。「あっ、凛子」言葉を失う短髪と巻き毛。「猛男君は」震えて、両拳を握って泣き出した大和。「格好いいよ! 凄く格好いい!!」大和は叫び、駆け出してしまった。「大和!」猛男は後を追った!
ビルの外の通りを駆ける大和。猛男は追い抜き、両手を拡げて立ちはだかった。「大和!」「ごめんね、猛男君。傷付いたよね?」泣く大和。「俺は傷付いて無い」「でも!」泣きじゃくる大和。(大和、大丈夫だ)「人それぞれだ」「え?」大和は顔を上げた。「傷付いたのはお前だろう? 人それぞれだからこそ、俺はお前に会えたんだ」(大和、俺はお前が泣くのが辛い)「傷付いて無い?」「無傷だ! それよりも」急に照れ出す猛男。「友達に俺のこと、かなり誉めていてくれたんだなぁ。ありがとう」猛男の人柄に一瞬、圧倒されていた大和は笑顔になった。
「猛男君は凄いね。ウチ、やっぱり猛男君のこと好きだなぁ。ホントに凄く、大好きだなぁ」大和ははっきりそう伝えた。「そっかぁ! 説明の仕方が悪かったんだね。猛男君の格好良さ! ウチ、戻ったら皆に分かりやすく言ってみるね!」
     7に続く

俺物語!! 7

2015-04-30 20:55:11 | 日記
物凄いポジティブに考え、機嫌を直した大和と共に猛男は合コン会場のビルに戻ろうとしていた。その時! ボカァンッ!! ビルの合コン会場の辺りが爆発した!!!「火事だぁッ!」上がる悲鳴! 火事っていうレベルじゃない!! 合コンメンバーは避難者の中にいた。男子は全員いる!「砂!」猛男と大和は駆け寄った! ビルの中には短髪と巻き毛が取り残されている!
ザバァッ! 猛男はバケツの水を被った! 近くの商店の掃除用と解釈してみる!「ここで待ってろ!」猛男は大和に言い残し、燃えるビルの中に突進した!!「猛男君!」非常階段を三階に駆け上がる猛男! 鍵が掛かっているが拳でノブごと叩き壊し、燃え盛る通路に入った! 酸素や一酸化炭素はこう、いい感じに気流がアレして大丈夫だった! 見渡す猛男! 短髪発見! 即座に抱え、外に運び出す猛男!「あと一人だ!」猛男はビルに戻ってしまった!「物凄く力強い獣に運ばれたような」意識朦朧とする短髪! それ正解!
燃えるカフェの中に巻き毛はいた! 天井から大きな業務用エアコン? が落ちてくる! 猛男が盾になって防いだ!「立てるか? 行けぇ!」巻き毛を逃がす猛男! 自分で走れた巻き毛! 巻き毛は逃げ延びて行った! 更に天井から落花物が!
「ぐぅッ!」消防はまだ来ない!(さすがにここまでか、思えば最近幸せ過ぎたな)力を失う猛男! ここでピルルル! 猛男のケータイの着信音が鳴った。出る猛男!「猛男!」砂川だ。「大和さん、今にも火の中飛び込みそうな勢いだから。何とかお前、早く帰ってきてくれる? お前いないと俺もつまんないし」大和の泣き声が聞こえ、通話は切れた。待ち受け画面の自分と大和の写真を見る猛男。(泣くな大和、笑っていてくれ。俺はお前が泣くのが何より辛い)
     8に続く

俺物語!! 8

2015-04-30 20:54:59 | 日記
(大和、俺は生きるぞ。生きて、この手で)光が、見え、た?
バリィィンッ!!! 猛男は三階のカフェの窓ガラスを突き破り、(大和を、幸せにするんだぁああッ!!!!)飛び出した!! 後ろでカフェ爆破!!! ドォオンッ!!!!「うあうぶぁッ! ぶああうぉおおうぅッ!!!」近くの並木に突っ込み、枝をバキバキ折りながら落下する猛男!! そのまま街路に着地した!! 服の背が燃え上がっている!
「猛男君!!」駆け寄る大和!「ふんッ!」親指を突き立てやはりデカい? 指紋を見せ付ける猛男! 引き続き服の後ろは燃え、髪はパーマ風になり、全身は日焼けした風になっていた!!「猛男くーんッ!!」大和は猛男に抱き付いた。砂川は取り敢えず鞄ではたいて猛男の背中の火を消そうとした。他の男子は無駄に感動して泣いていた。
騒動後、巻き毛と短髪を含む大和の友達は猛男に礼を述べた。「ありがとうございました」「うん!」猛男がすっきりと頷くと大和の友達達は思わずときめいてしまい、慌て出した。
「俺、お前は老衰以外では死なない気がする」大和達と別れ、男子だけになると砂川は呟いた。猛男は服の背が全焼し、背中と尻が全開で制服のスラックスも半ズボンのようになっていた。「そうかぁ?」呑気な猛男。「しかし、やっぱスゲェは猛男!」「惚れ直した!」「胴上げだぁ!」男子達は再び胴上げを試み、また支え切れず「どぅああッ!」吹っ飛ばされるのだった。
・・・超人過ぎる! 念能力か?! 何回かに一回猛男が大暴れするようだ。脈絡の無さ具合が清々しい。